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ETERNUS SF Storage Cruiser 16.2 運用ガイド
FUJITSU Storage

7.6 閾値監視の使用例

閾値監視の使用例を示します。閾値監視の参考にしてください。

ケース1: 架空A社様 オンライン業務システムの場合

資料 - システム運用規定および性能要件(抜粋)
  1. オンライン業務の稼働時間帯は、毎日8時~18時です。

  2. オンライン業務の繁忙時間帯は、毎日12時~15時です。

  3. 当システムは、繁忙時間帯でもオペレーター端末操作がノンストレスであることを必須とします。
    したがって、I/Oレスポンスの性能目標は、一般的な基準値の「30msec以下」とします。
    なお、繁忙時間帯以外のI/Oレスポンスの性能目標は、業務量の比率(繁忙時間帯の業務量は、繁忙時間帯以外の約3倍)から、30msecの1/3の「10msec以下」とします。

  4. 繁忙時間帯は、データ参照・更新・追加処理の集中で、最大60分間連続実行するときがあります。
    I/Oレスポンスに30msec以上かかる状態が当該連続実行中の10%相当(6分間)発生した場合、オペレーター端末の操作にストレスを与える可能性があります。
    したがって、この状態が発生したときは、アラームログを表示する設定にします。

  5. 繁忙時間帯のI/Oレスポンスが繁忙時間帯以外の性能目標と同等の10msec以下になった場合は、それ以前に発生していたI/Oレスポンス遅延は瞬間的な現象と判断します。
    したがって、この状態が発生したときは、アラームログを表示しません。

  6. アラームログを毎回表示する必要はありません。1日1回表示します。

図7.1 架空A社様 オンライン業務システムの稼働状況イメージ(LogicalVolumeレスポンスの変化)

架空A社様 オンライン業務システムの稼働状況イメージ(LogicalVolumeレスポンスの変化)
表7.1 [時間設定]閾値監視時間

資料に対応する番号

設定項目

設定値(設定内容)

1

開始時間

8:00

1

停止時間

18:00

表7.2 [時間設定]アラーム表示時間

資料に対応する番号

設定項目

設定値(設定内容)

1

開始時間

12:00

1

停止時間

15:00

5

頻度

Day by Day

表7.3 [ボリューム設定]閾値監視対象情報

資料に対応する番号

設定項目

設定値(設定内容)

2

閾値

30msec

4

下限値

10msec

5

アラーム許容レベル

Total Time

5

アラーム許容時間

360sec

5

閾値監視間隔

60min

ケース2: 架空B社様 オンラインショッピングシステムの場合

資料 - システム運用規定および性能要件(抜粋)
  1. オンライン業務稼働時間帯は、24時間365日です。

  2. オンライン業務繁忙時間帯は、特定できません。

  3. 当システムは、本稼働を開始してから徐々に「ご利用会員数」が増加するのに伴い、アクセス数も増加します。このため、ストレージに対する負荷も徐々に増大すると推測します。
    したがって、ストレージのリソース(CM、ディスク)のビジー率が6~8割程度を超えた場合は、対策を講じる必要があります。

  4. 当システムでは、クレジット決済処理が5分間隔で発動するため、決済直前の5分間は商品の検索・注文の処理をノンストレスで実行する必要があります。もし、ストレージのリソースのビジー状態(ビジー率6~8割を超える状態)が5分間続く場合、取引に影響する可能性があります。
    したがって、この状態が発生したときは、アラームログを表示する設定にします。

  5. アラームログは毎回表示します。

図7.2 架空B社様 オンラインショッピングシステムの稼働状況イメージ(CMビジー率の変化)

架空B社様 オンラインショッピングシステムにおける閾値監視設定の例
表7.4 [時間設定]閾値監視時間

資料に対応する番号

設定項目

設定値(設定内容)

1

開始時間

0:00

1

停止時間

24:00

表7.5 [時間設定]アラーム表示時間

資料に対応する番号

設定項目

設定値(設定内容)

1

開始時間

0:00

1

停止時間

24:00

4

頻度

All

表7.6 [CM設定]閾値監視対象情報

資料に対応する番号

設定項目

設定値(設定内容)

2

閾値

60%

3

アラーム許容レベル

Continuous Time

3

アラーム許容時間

300sec

表7.7 [RAIDグループ設定]閾値監視対象情報

資料に対応する番号

設定項目

設定値(設定内容)

2

閾値

80%

3

アラーム許容レベル

Continuous Time

3

アラーム許容時間

300sec

ケース3: 架空C社様 複数DBサーバ(クラスタシステム)によるバッチ処理運用の場合

資料 - システム運用規定および性能要件
  1. システム運用時間帯は、24時間365日です。

  2. バッチ処理稼働時間帯は、毎日20時~23時です。

  3. 当システムは、3ノードでOracle RACシステムを構築しています。現在はデータ量が少ないため、バッチ処理の性能に問題はありません。しかし、将来はデータ量の増加に伴い、FCスイッチとストレージ間のFCパス転送能力のネックが懸念されます。
    もし、FCパスのボトルネックが発生した場合、速やかに対処する必要があります。

  4. FCパスのボトルネックとして、Port スループットが最大転送能力の8割程度に達した状態を想定します。この状態が30分間以上続くときは、アラームログを表示する設定にします。

  5. アラームログを毎回表示する必要はありません。バッチ処理稼働時間帯に1回表示します。

図7.3 架空C社様 複数DBサーバ(クラスタシステム)でのバッチ処理状況イメージ(Portスループットの変化)

架空C社様 業務システムのバックアップ運用における閾値監視設定の例
表7.8 [時間設定]閾値監視時間

資料に対応する番号

設定項目

設定値(設定内容)

1

開始時間

0:00

1

停止時間

24:00

表7.9 [時間設定]アラーム表示時間

資料に対応する番号

設定項目

設定値(設定内容)

1

開始時間

20:00

1

停止時間

23:00

4

頻度

All

表7.10 [ポート設定]閾値監視対象情報

資料に対応する番号

設定項目

設定値(設定内容)

2

閾値

80%

3

アラーム許容レベル

Continuous Time

3

アラーム許容時間

1800sec