閾値監視の使用例を示します。閾値監視の参考にしてください。
ケース1: 架空A社様 オンライン業務システムの場合
- 資料 - システム運用規定および性能要件(抜粋)
オンライン業務の稼働時間帯は、毎日8時~18時です。 オンライン業務の繁忙時間帯は、毎日12時~15時です。 当システムは、繁忙時間帯でもオペレーター端末操作がノンストレスであることを必須とします。 したがって、I/Oレスポンスの性能目標は、一般的な基準値の「30msec以下」とします。 なお、繁忙時間帯以外のI/Oレスポンスの性能目標は、業務量の比率(繁忙時間帯の業務量は、繁忙時間帯以外の約3倍)から、30msecの1/3の「10msec以下」とします。 繁忙時間帯は、データ参照・更新・追加処理の集中で、最大60分間連続実行するときがあります。 I/Oレスポンスに30msec以上かかる状態が当該連続実行中の10%相当(6分間)発生した場合、オペレーター端末の操作にストレスを与える可能性があります。 したがって、この状態が発生したときは、アラームログを表示する設定にします。 繁忙時間帯のI/Oレスポンスが繁忙時間帯以外の性能目標と同等の10msec以下になった場合は、それ以前に発生していたI/Oレスポンス遅延は瞬間的な現象と判断します。 したがって、この状態が発生したときは、アラームログを表示しません。 アラームログを毎回表示する必要はありません。1日1回表示します。
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図7.1 架空A社様 オンライン業務システムの稼働状況イメージ(LogicalVolumeレスポンスの変化)

- 架空A社様 オンライン業務システムの稼働状況イメージ(LogicalVolumeレスポンスの変化)
表7.1 [時間設定]閾値監視時間資料に対応する番号 | 設定項目 | 設定値(設定内容) |
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1 | 開始時間 | 8:00 |
1 | 停止時間 | 18:00 |
表7.2 [時間設定]アラーム表示時間資料に対応する番号 | 設定項目 | 設定値(設定内容) |
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1 | 開始時間 | 12:00 |
1 | 停止時間 | 15:00 |
5 | 頻度 | Day by Day |
表7.3 [ボリューム設定]閾値監視対象情報資料に対応する番号 | 設定項目 | 設定値(設定内容) |
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2 | 閾値 | 30msec |
4 | 下限値 | 10msec |
5 | アラーム許容レベル | Total Time |
5 | アラーム許容時間 | 360sec |
5 | 閾値監視間隔 | 60min |
ケース2: 架空B社様 オンラインショッピングシステムの場合
- 資料 - システム運用規定および性能要件(抜粋)
オンライン業務稼働時間帯は、24時間365日です。 オンライン業務繁忙時間帯は、特定できません。 当システムは、本稼働を開始してから徐々に「ご利用会員数」が増加するのに伴い、アクセス数も増加します。このため、ストレージに対する負荷も徐々に増大すると推測します。 したがって、ストレージのリソース(CM、ディスク)のビジー率が6~8割程度を超えた場合は、対策を講じる必要があります。 当システムでは、クレジット決済処理が5分間隔で発動するため、決済直前の5分間は商品の検索・注文の処理をノンストレスで実行する必要があります。もし、ストレージのリソースのビジー状態(ビジー率6~8割を超える状態)が5分間続く場合、取引に影響する可能性があります。 したがって、この状態が発生したときは、アラームログを表示する設定にします。 アラームログは毎回表示します。
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図7.2 架空B社様 オンラインショッピングシステムの稼働状況イメージ(CMビジー率の変化)

- 架空B社様 オンラインショッピングシステムにおける閾値監視設定の例
表7.4 [時間設定]閾値監視時間資料に対応する番号 | 設定項目 | 設定値(設定内容) |
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1 | 開始時間 | 0:00 |
1 | 停止時間 | 24:00 |
表7.5 [時間設定]アラーム表示時間資料に対応する番号 | 設定項目 | 設定値(設定内容) |
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1 | 開始時間 | 0:00 |
1 | 停止時間 | 24:00 |
4 | 頻度 | All |
表7.6 [CM設定]閾値監視対象情報資料に対応する番号 | 設定項目 | 設定値(設定内容) |
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2 | 閾値 | 60% |
3 | アラーム許容レベル | Continuous Time |
3 | アラーム許容時間 | 300sec |
表7.7 [RAIDグループ設定]閾値監視対象情報資料に対応する番号 | 設定項目 | 設定値(設定内容) |
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2 | 閾値 | 80% |
3 | アラーム許容レベル | Continuous Time |
3 | アラーム許容時間 | 300sec |
ケース3: 架空C社様 複数DBサーバ(クラスタシステム)によるバッチ処理運用の場合
- 資料 - システム運用規定および性能要件
システム運用時間帯は、24時間365日です。 バッチ処理稼働時間帯は、毎日20時~23時です。 当システムは、3ノードでOracle RACシステムを構築しています。現在はデータ量が少ないため、バッチ処理の性能に問題はありません。しかし、将来はデータ量の増加に伴い、FCスイッチとストレージ間のFCパス転送能力のネックが懸念されます。 もし、FCパスのボトルネックが発生した場合、速やかに対処する必要があります。 FCパスのボトルネックとして、Port スループットが最大転送能力の8割程度に達した状態を想定します。この状態が30分間以上続くときは、アラームログを表示する設定にします。 アラームログを毎回表示する必要はありません。バッチ処理稼働時間帯に1回表示します。
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図7.3 架空C社様 複数DBサーバ(クラスタシステム)でのバッチ処理状況イメージ(Portスループットの変化)

- 架空C社様 業務システムのバックアップ運用における閾値監視設定の例
表7.8 [時間設定]閾値監視時間資料に対応する番号 | 設定項目 | 設定値(設定内容) |
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1 | 開始時間 | 0:00 |
1 | 停止時間 | 24:00 |
表7.9 [時間設定]アラーム表示時間資料に対応する番号 | 設定項目 | 設定値(設定内容) |
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1 | 開始時間 | 20:00 |
1 | 停止時間 | 23:00 |
4 | 頻度 | All |
表7.10 [ポート設定]閾値監視対象情報資料に対応する番号 | 設定項目 | 設定値(設定内容) |
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2 | 閾値 | 80% |
3 | アラーム許容レベル | Continuous Time |
3 | アラーム許容時間 | 1800sec |