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NetCOBOL V11.0 入門ガイド
FUJITSU Software

8.3 セション管理機能を使ったプログラム

ここでは、本製品で提供するCOBOL Webサブルーチンのセション管理機能を使ったプログラムについて説明します。

例題では、認証処理を行い、セション管理機能を使用してデータを引き継ぐアプリケーションの例を示します。

COBOL Web サブルーチンを利用したアプリケーションでセション管理機能を実現するには、COBOL ISAPIサブルーチンを使用します。

セション管理機能についての説明や各APIの使い方の詳細は、“NetCOBOLユーザーズガイド”の“Webサブルーチンの提供するクラス”を参照してください。

概要

Web ブラウザから預入/払戻金額を入力し、その残高をファイルに書き出すオンライン業務を行います。

サンプルプログラムは、次の3つの部分からなります。

  1. 認証処理

    認証処理を行い、セションを開始します。

    ここではWeb ブラウザから入力されたユーザIDとファイルから読み込んだ取引前の残高をセションデータとして登録します。

  2. 確認表作成処理

    確認表を作成します。

    ここではWeb ブラウザから入力されたデータと取引後の残高をセションデータとして登録します。

  3. 更新処理

    更新処理を行います。

    セションデータとして引き継いだユーザIDと取引後の残高をもとにファイルの更新処理を行い、セションを終了します。

提供プログラム

プログラムの呼出し関係

ビルド・リビルド

翻訳およびリンクは、プロジェクトマネージャのビルド機能を使用して行います。

注意

  • プロジェクトファイルは、NetCOBOLのインストール先フォルダーをC:\COBOLとして説明しています。以降の説明で、フォルダー名がC:\COBOLとなっているところは、NetCOBOLをインストールしたフォルダーに変更してください。

  1. プロジェクトマネージャを起動します。

  2. プロジェクトファイル“WSESSION.prj”を開きます。

  3. プロジェクトファイルを選択し、[プロジェクト]-[オプション]メニューから“翻訳オプション”を選択します。

    →  [翻訳オプション]ダイアログが表示されます。

  4. 翻訳オプションLIBに、COBOL ISAPIサブルーチンの登録集ファイル(COBW3.cbl、ISAPIINF.cbl、ISAPICTX.cbl、ISAPIFLG.cbl)が格納されているフォルダーを指定します。翻訳オプションALPHALの設定で“英大文字と等価に扱う”を選択し、さらに“WORD - COBOLの語”を選択します。また、翻訳オプションTHREADの設定で、“MULTI - マルチスレッドとする”を選択します。確認後、[OK]ボタンをクリックします。

    →  プロジェクトマネージャウィンドウに戻ります。

  5. プロジェクトにインポートライブラリF3BISAPI.libが指定されていることを確認します。

  6. プロジェクトマネージャの[プロジェクト]メニューから“ビルド”を選択します。

    →  ビルド終了後、プロジェクトに登録した各DLL (ダイナミックリンクライブラリ)が作成されていることを確認してください。

サーバプログラムの実行環境の設定

  1. プロジェクトマネージャの[ツール]メニューから“実行環境設定ツール”を選択します。

    →  実行環境設定ツールが表示されます。

  2. [ファイル]メニューの“開く”を選択し、例題で提供された実行用の初期化ファイル(COBOL85.CBR)を開きます。

  3. [共通]タブを選択し、以下を設定します。

    • 環境変数情報@MessOutFileに、出力メッセージの格納ファイル名を指定します。

    • 環境変数情報@WinCloseMsgに、OFFを指定します。

    • 環境変数情報@CBR_ISAPI_LOGFILEに、ログファイル名を指定します。

    • 環境変数情報@CBR_ISAPI_SEVERITYに、重要度を指定します。

  4. [適用]ボタンをクリックします。

    →  設定した内容が実行用の初期化ファイルに保存されます。

  5. [ファイル]メニューの“終了”を選択し、実行環境設定ツールを終了します。

参照

“NetCOBOLユーザーズガイド”の“ISAPIサブルーチンの環境変数設定”

また、例題が入ったフォルダーを物理パスとした適切な仮想ディレクトリをIISに登録してください。IISの設定については、“NetCOBOLユーザーズガイド”の“IISの設定方法”を参照してください。

プログラムの実行

IISに設定したフォルダーに例題の各ファイルをコピーします。

例題では、ドメイン名を“user”、仮想ディレクトリ名を“wsession”としてサーバに登録しています。

  1. URL に以下の情報を設定して実行キーを押します。

    アドレス

    http://user/wsession/auth.html

  2. 会員認証画面が表示されるのでユーザIDとパスワードを入力して、[OK]ボタンをクリックします。ここで、入力できるユーザIDはUSER0001からUSER0030までです。パスワードはユーザIDと同じです。

  3. [OK]ボタンをクリックすると取引画面が表示されます。ここで、金額を入力し預入または払戻を選択し、[OK]ボタンをクリックします。

  4. [OK]ボタンをクリックすると、確認画面が表示されます。内容を確認し、ファイルを更新するなら確認、更新しないなら取消を選択し、[OK]ボタンをクリックします。

  5. 終了画面が表示されます。