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PRIMECLUSTER  導入運用手引書 4.3

H.1 VMware環境でのクラスタシステム

VMware環境でPRIMECLUSTERを使用する場合は、複数のESXホスト上のゲストOS間クラスタリング(仮想マシン機能)および、1つのESXホスト上のゲストOS間クラスタリング(仮想マシン機能)が可能です。

VMware環境において、ESXホストまたはゲストOSに異常が発生すると、ゲストOS上のアプリケーションが動作できない状態となります。複数のESXホスト上のゲストOS間クラスタリングでは、ゲストOSにPRIMECLUSTERを適用することで、異常発生時には運用系のゲストOSから待機系のゲストOS上へアプリケーションの切替えが発生し、信頼性の高いゲストOS環境を実現します。
共用ディスクを使用している場合は、I/Oフェンシング機能を使用して、ゲストOSが完全に停止していない状態(OSハング状態等)で切替えが発生しても、停止していないゲストOSをパニックさせることで、確実にゲストOSを停止させることができます。また、両方のゲストOSから共用ディスクにアクセスされることを防止し、安全で確実な切替えを行うことができます。

1つのESXホスト上のゲストOS間クラスタリングでは、ゲストOS上のアプリケーション異常の場合のみ自動切替えが発生します。

図H.1 VMware環境でのクラスタシステム

参照

VMwareの詳細については、VMware vSphereのソフトウェア説明書を参照してください。

注意

  • 1つのクラスタシステムに参入できるノード数は2ノードまでです。

  • 1つのESXホスト上のゲストOS間クラスタリングでは、ゲストOS異常が発生した場合は、自動切替えが発生しないため、手動で切替えを行ってください。

  • VMware環境において、複数のESXホスト上のゲストOS間でのクラスタシステムはネットワーク(管理LAN/インタコネクト)経路を使用してゲストOSの状態を確認し、切替えを実施するため、異常が発生したゲストOSが完全に停止していない場合(OSハング状態等)があります。このため、共用ディスクを使用している場合には必ずI/Oフェンシング機能を設定してください。

  • I/O フェンシング機能はクラスタアプリケーション構築時に設定が必要です。

  • I/Oフェンシング機能を使用する場合、GDSによる共用ディスク装置の管理が必要です。

  • 共用ディスク上で切替えファイルシステムを使用する場合、/etc/fstab.pcl ファイルでマウントするファイルシステムのデバイスを、ラベル名やudev機能による名前では指定できません。/dev/sfdsk~で指定できるデバイス名にしてください。

  • クラスタインタコネクトの異常が発生した場合、生存優先度に応じたノードの強制停止および自動切替えは発生せず、各ノードはLEFTCLUSTER状態となります。その場合、システム管理者がLEFTCLUSTER状態を手動で回復する必要があります。“PRIMECLUSTER Cluster Foundation導入運用手引書”の“6.2 LEFTCLUSTER からの回復”の手順を行ってください。

  • PRIMECLUSTERを導入する仮想マシンは、VMware HA、VMware FT、VMware DRS、VMware DPM など、VMwareのクラスタ機能の対象から外してください。

  • PRIMECLUSTERを導入する仮想マシンは、以下の機能を使用できません。

    • VMware vMotion

    • VMware Storage vMotion

    • VMware vCenter Converterによる移行

    • VMwareのスナップショット機能

    • ホットクローン機能

    • Data Recoveryによるバックアップ

    • VCBによるバックアップ

  • ネイティブマルチパス(NMP)のパスポリシーは、以下のように設定してください。

    • VMware vSphere 4.x を使用している場合

      「最近の使用」に設定します。

    • VMware vSphere 5.0 Update1 以降 または VMware vSphere 5.1 以降 を使用している場合

      「最近の使用」または「ラウンドロビン」に設定します。

      ただし、「ラウンドロビン」を設定する場合、Intel64環境で、以下のパッチを適用する必要があります。

      • T005785LP-03以降(RHEL5)

      • T005873LP-03以降(RHEL6)

    上記以外の設定はサポートしていません。

  • サードパーティ製のマルチパスソフトウェアに関するサポートについては、当社技術員(SE)に確認してください。

  • 以下の環境および機能はサポートしていません。

    • iSCSI、FCoE

    • 異なるバージョンのESXホスト

    • N-Port ID 仮想化(NPIV)

  • VMware vSphere 4.x には、仮想マシンのハードウェア バージョン7を使用する必要があります。

  • SANブート構成でディスク装置上のシステムボリュームを参照できなくなった場合、システムの状況によってはPRIMECLUSTERの異常検出機能が動作できなくなります。その場合は、オペレータによる手動での切替えを実施してください。

  • SCSI-3 Persistent Reservationに対応している共用ディスクを使用してください。

  • 共用ディスク上に作成したファイルシステムを Fsystem リソースとして利用する場合、同一のディスク(LUN)、またはディスククラス上に作成されたファイルシステムは、すべて同じ userApplication に登録する必要があります。
    一つのディスク(LUN)、またはディスククラス上に複数のファイルシステムを作成し、それぞれのファイルシステムを別々のuserApplication に登録して監視・制御することは、I/Oフェンシング機能の制約によりできません。