VMware環境でPRIMECLUSTERを使用する場合は、複数のESXホスト上のゲストOS間クラスタリング(仮想マシン機能)および、1つのESXホスト上のゲストOS間クラスタリング(仮想マシン機能)が可能です。
VMware環境において、ESXホストまたはゲストOSに異常が発生すると、ゲストOS上のアプリケーションが動作できない状態となります。複数のESXホスト上のゲストOS間クラスタリングでは、ゲストOSにPRIMECLUSTERを適用することで、異常発生時には運用系のゲストOSから待機系のゲストOS上へアプリケーションの切替えが発生し、信頼性の高いゲストOS環境を実現します。
共用ディスクを使用している場合は、I/Oフェンシング機能を使用して、ゲストOSが完全に停止していない状態(OSハング状態等)で切替えが発生しても、停止していないゲストOSをパニックさせることで、確実にゲストOSを停止させることができます。また、両方のゲストOSから共用ディスクにアクセスされることを防止し、安全で確実な切替えを行うことができます。
1つのESXホスト上のゲストOS間クラスタリングでは、ゲストOS上のアプリケーション異常の場合のみ自動切替えが発生します。
図H.1 VMware環境でのクラスタシステム
参照
VMwareの詳細については、VMware vSphereのソフトウェア説明書を参照してください。
注意
1つのクラスタシステムに参入できるノード数は2ノードまでです。
1つのESXホスト上のゲストOS間クラスタリングでは、ゲストOS異常が発生した場合は、自動切替えが発生しないため、手動で切替えを行ってください。
VMware環境において、複数のESXホスト上のゲストOS間でのクラスタシステムはネットワーク(管理LAN/インタコネクト)経路を使用してゲストOSの状態を確認し、切替えを実施するため、異常が発生したゲストOSが完全に停止していない場合(OSハング状態等)があります。このため、共用ディスクを使用している場合には必ずI/Oフェンシング機能を設定してください。
I/O フェンシング機能はクラスタアプリケーション構築時に設定が必要です。
I/Oフェンシング機能を使用する場合、GDSによる共用ディスク装置の管理が必要です。
共用ディスク上で切替えファイルシステムを使用する場合、/etc/fstab.pcl ファイルでマウントするファイルシステムのデバイスを、ラベル名やudev機能による名前では指定できません。/dev/sfdsk~で指定できるデバイス名にしてください。
クラスタインタコネクトの異常が発生した場合、生存優先度に応じたノードの強制停止および自動切替えは発生せず、各ノードはLEFTCLUSTER状態となります。その場合、システム管理者がLEFTCLUSTER状態を手動で回復する必要があります。“PRIMECLUSTER Cluster Foundation導入運用手引書”の“6.2 LEFTCLUSTER からの回復”の手順を行ってください。
PRIMECLUSTERを導入する仮想マシンは、VMware HA、VMware FT、VMware DRS、VMware DPM など、VMwareのクラスタ機能の対象から外してください。
PRIMECLUSTERを導入する仮想マシンは、以下の機能を使用できません。
VMware vMotion
VMware Storage vMotion
VMware vCenter Converterによる移行
VMwareのスナップショット機能
ホットクローン機能
Data Recoveryによるバックアップ
VCBによるバックアップ
ネイティブマルチパス(NMP)のパスポリシーは、以下のように設定してください。
VMware vSphere 4.x を使用している場合
「最近の使用」に設定します。
VMware vSphere 5.0 Update1 以降 または VMware vSphere 5.1 以降 を使用している場合
「最近の使用」または「ラウンドロビン」に設定します。
ただし、「ラウンドロビン」を設定する場合、Intel64環境で、以下のパッチを適用する必要があります。
T005785LP-03以降(RHEL5)
T005873LP-03以降(RHEL6)
上記以外の設定はサポートしていません。
サードパーティ製のマルチパスソフトウェアに関するサポートについては、当社技術員(SE)に確認してください。
以下の環境および機能はサポートしていません。
iSCSI、FCoE
異なるバージョンのESXホスト
N-Port ID 仮想化(NPIV)
VMware vSphere 4.x には、仮想マシンのハードウェア バージョン7を使用する必要があります。
SANブート構成でディスク装置上のシステムボリュームを参照できなくなった場合、システムの状況によってはPRIMECLUSTERの異常検出機能が動作できなくなります。その場合は、オペレータによる手動での切替えを実施してください。
SCSI-3 Persistent Reservationに対応している共用ディスクを使用してください。
共用ディスク上に作成したファイルシステムを Fsystem リソースとして利用する場合、同一のディスク(LUN)、またはディスククラス上に作成されたファイルシステムは、すべて同じ userApplication に登録する必要があります。
一つのディスク(LUN)、またはディスククラス上に複数のファイルシステムを作成し、それぞれのファイルシステムを別々のuserApplication に登録して監視・制御することは、I/Oフェンシング機能の制約によりできません。