復元簡易化ツールを使用したバッチサーバ環境資源の一括復元について説明します。
以降の説明は、提供した復元簡易化ツールをそのまま使用した場合を前提に記載しています。
使用する復元簡易化ツール
以下の復元簡易化ツールを使用します。
バッチサーバ環境資源の復元用サンプル:
退避簡易化ツールで退避したバッチサーバ環境資源を復元します。
復元簡易化ツールを使用した復元手順
復元簡易化ツールを使用したバッチサーバ環境資源の一括復元の手順を以下に示します。
復元簡易化ツール使用時の注意事項
復元簡易化ツール(バッチサーバ環境資源の復元用サンプル) を使用して、バッチサーバ環境資源を一括復元する場合、退避時に退避簡易化ツールを使用しなかった場合には、復元簡易化ツールでの一括復元はできません。
以下に表でまとめます。
復元簡易化ツールで復元 | 復元簡易化ツールを使用しないで復元 | |
退避簡易化ツールで退避した資源 | ○ | ○ |
退避簡易化ツールを使用しないで退避した資源 | × | ○ |
○:復元できます。
×:復元できません。
復元簡易化ツールには注意事項がありますので、バッチサーバ環境資源の復元用サンプルの説明を必ず読んでから作業を行ってください。
復元簡易化ツール(バッチサーバ環境資源の復元用サンプル) では世代ファイルの管理情報の復元は行いません。
バッチサーバ環境資源の復元用サンプルの使用方法について以下に示します。
/opt/FJSVibsbc/sample/bk-rs-tool/btfwrstbtsv [-f] [-i "Interstageサービス資源の一括復元シェルスクリプトの実行文字列"] 退避ディレクトリ
/opt/FJSVibsbc/sample/bk-rs-tool/btfwrstbtsv [-f] [-i Interstageサービス資源の一括復元シェル] 退避ディレクトリ
指定された退避ディレクトリにバックアップされている情報を表示し、以下のバッチサーバ環境資源を復元します。
バッチサービス資源
バッチジョブ定義格納ディレクトリ
バッチワークユニット資源
バッチワークユニットの配備元資源
配備したコマンドやスクリプト
rcプロシジャ
Interstageのサービス資源
-fオプションを省略した場合(確認メッセージを表示するにした場合)、以下の確認メッセージが表示されます。
Do you continue the restore?[y,n]
続行する場合は”y”を入力後、[Enter]を押してください。
キャンセルする場合は”n”を入力後、[Enter]を押してください。
その他を入力すると、上記メッセージを再表示します。
退避ディレクトリにバックアップされている情報の表示項目は以下のとおりです。
表示項目 | 内容 |
---|---|
date: | 退避した日時を表示します。 |
gid : | 退避した時のバッチシステム利用グループおよびInterstage運用グループのグループIDを表示します。 |
user: | 配備したコマンドやスクリプトの退避の有無を以下のように表示します。 exist : 退避してあります。 |
is: | Interstageサービス資源の退避の有無を以下のように表示します。 exist : 退避してあります。 |
バッチワークユニット名: | バッチワークユニットの配備元資源のパス情報を表示します。 |
確認メッセージを表示しません。
Interstageのサービス資源を一括復元するシェルスクリプトの実行文字列を以下のように指定します。
"Interstageのサービス資源を一括復元するシェルスクリプト格納パス バックアップ・リストア対象定義ファイル格納パス" |
一括復元するシェルスクリプトの格納パスの指定形式は、絶対パス、または相対パスで指定します。
相対パスで指定した場合は、カレントディレクトリからの相対パスになります。
本オプションは、省略可能です。
省略時は、Interstageサービス資源の復元を行いません。
指定した場合、Interstageサービス資源の一括復元シェルを実行し復元を行います。
Interstageのサービス資源を一括復元するシェルの格納パスを指定します。
格納パスの指定形式は、絶対パス、または相対パスで指定します。
相対パスで指定した場合は、カレントディレクトリからの相対パスになります。
本オプションは、省略可能です。
省略時は、Interstageサービス資源の復元を行いません。
指定した場合、Interstageサービス資源の一括復元シェルを実行し復元を行います。
バッチサーバ環境資源を“4.6.1.2 バッチサーバ環境資源の退避用サンプル”を使用して退避したディレクトリを、256バイト以内で指定します。
退避ディレクトリの指定形式は、絶対パス、または相対パスで指定します。
相対パスで指定した場合は、カレントディレクトリからの相対パスになります。
システム管理者(スーパーユーザ)
バッチサーバ環境資源の復元を行います。
# /opt/FJSVibsbc/sample/bk-rs-tool/btfwrstbtsv -f /home/backup/btsv --backup information-- date:20060803105959 gid :7010 user:exist is:none queue1_CWU:/home/wu1/deploy : FSP_INTS-JOB_BTFW: INFO: 03300: Completed restoring batch system. : INFO: 03390: Completed restoring batch server environmental resource. |
0:正常終了
上記以外:異常終了
本サンプルを実行する前に、“2.1.2 バッチシステムの運用停止”の手順に従ってバッチシステムを停止してください。
本サンプル実行中、または同時に、Interstageの操作、およびバッチ実行基盤が提供するコマンドを実行しないでください。
本サンプル実行時、ジョブスプール/ジョブログスプール/バッチジョブ定義格納ディレクトリは存在している必要があります。ジョブスプールが存在しない場合、ジョブスプールをbtfwcrtjobsplコマンドで作成してください。ジョブログスプールが存在しない場合、ジョブログスプールをbtfwcrtlogsplコマンドで作成してください。バッチジョブ定義格納ディレクトリが存在しない場合、バッチジョブ定義格納ディレクトリをbtfwcrtjobdefdirコマンドで作成してください。
“btfwcrtjobspl”コマンド、“btfwcrtlogspl”コマンドおよび“btfwcrtjobdefdir”コマンドについては、“Interstage Job Workload Server リファレンス”を参照してください。
本サンプル実行時、バッチジョブ定義格納ディレクトリにバッチジョブ定義が登録されている場合、登録済みバッチジョブ定義は削除されます。バッチジョブ定義が登録されている場合には、btfwdeljobdefdirコマンドを用いてバッチジョブ定義格納ディレクトリを削除後、btfwcrtjobdefdirコマンドを用いてバッチジョブ定義格納ディレクトリを再作成してください。“btfwdeljobdefdir”コマンドおよび“btfwcrtjobdefdir”コマンドについては、“Interstage Job Workload Server リファレンス”を参照してください。
退避ディレクトリ名に以下のディレクトリが指定された場合、復元できません。
“/FSUN”または”/FJSV”という文字列が含まれるディレクトリ
ジョブスプール格納ディレクトリ、“/var/spool/ijes”、およびサブディレクトリ
バッチジョブ定義格納ディレクトリ作成先ディレクトリ、およびサブディレクトリ
退避ディレクトリに特殊ファイル(ローデバイスファイル、FIFOファイル、socketファイルなど)は指定した場合、復元できません。
ユーザ資源のリストに記述したパスは、親ディレクトリまで存在している必要があります。
「/home/user/tmp/file」を退避し、復元する場合「/home/user/tmp」が存在している必要があります。
Interstage環境資源の一括退避、およびバックアップ・リストア対象定義ファイルについては、“Interstage Application Server運用ガイド(基本編)”の“メンテナンスの一括実行”を参照してください。