階層化されたミラーグループに対するホットスペア
下位グループに接続されているディスクで I/O エラーが発生した場合、スペアディスクは下位グループではなく、最上位ミラーグループに自動接続されます。例えば、ディスクとコンカチネーショングループとをミラーリングしていて、コンカチネーショングループに接続されているディスクのうちの 1 つで I/O エラーが発生した場合、コンカチネーショングループの代わりにスペアディスクが自動接続され、ディスクとスペアディスクとがミラーリングされます。
スペアディスクは、I/O エラーが発生したディスクのディスク筐体やコントローラ番号とは無関係に選択されます。
ホットスペアモードが筐体外優先方式 (デフォルト) の場合、スペアディスクは無作為に選択されます。
ホットスペアモードが筐体内限定方式の場合、コントローラ番号が 0 で、かつ、ディスクアレイ装置に属していないスペアディスクが選択されます。
図A.1 階層化されたミラーグループに対するホットスペア
スペアディスク数
1 つのクラスに登録できるスペアディスクの個数には特に制限はありません。クラス内のミラーグループに接続されているディスクおよび下位グループの個数の 1 割、10 個に対して 1 個の割合を目安にすることを推奨します。
スペアディスクのサイズ
スペアディスクの容量が、ミラーグループ内のボリュームをコピーするのに不十分な場合、スペアディスクは自動接続されません。クラス内で容量が最大のディスクをスペアディスクとして定義することを推奨します。
プロキシボリュームに対するホットスペア
プロキシボリュームが存在するグループには、スペアディスクは接続されません。プロキシボリュームは、主業務で使用するボリュームが存在するグループとは別のグループまたはシングルディスクに作成することを推奨します。
シャドウクラス
シャドウクラスには、スペアディスクは登録できません。
ディスクアレイ装置のホットスペア機能
ホットスペア機能を備えたディスクアレイ装置をミラーリングする場合は、装置のホットスペア機能を使用することを推奨します。
スペアディスクの故障
ミラーグループに自動接続されたスペアディスクで I/O エラーが発生しても、I/O エラーが発生したスペアディスクの代わりに別のスペアディスクが自動接続されることはありません。
ホットスペアに伴う等価性コピー処理
ホットスペアに伴う等価性コピー処理は、システムに与える負荷を抑えるため、他の事象 (ボリューム作成、ディスク交換など) に伴う等価性コピー処理に比べて低速に行われます。デフォルトでは、50 ミリ秒の遅延時間が設定されています。この遅延時間は、sdxparam コマンドを使用して変更することができます。
ホットスペアに伴う等価性コピー処理の所要時間
ホットスペアに伴う等価性コピー処理の所要時間は、CPU やディスクの性能に左右されます。所要時間の目安は、以下の式で見積もることができます。
ボリュームサイズの合計 (GB) ×2 (分) + (ボリュームサイズの合計 (ブロック) ÷ 128 ) × spare_copy_delay (ミリ秒)
spare_copy_delay の値 (ホットスペアに伴う等価性コピー処理の遅延時間) は、sdxparam -G コマンドで確認できます。
参照
詳細については、「D.12 sdxparam - 構成パラメタ操作」を参照してください。
スペアディスクの手動接続
ホットスペアモードが筐体内限定方式に設定されている場合、I/O ケーブル抜けやディスク筐体のダウンによりディスク筐体全体にアクセスできなくなったとき、別のディスク筐体にスペアディスクが存在していても自動接続されません。例えば、「1.2.2 ホットスペア」の [図1.10 筐体内限定方式のホットスペア] においてディスク筐体 1 がダウンした場合、スペアディスク (ディスク 4) はディスク 1 の代わりに自動接続されません。
このような場合、以下の手順により、スペアディスクを使用して手動でミラーリング状態を回復することができます。
スペアディスクを未定義ディスクに変更する。
参考
ディスクタイプの変更方法については、GDS 運用管理ビューを使用する場合は「5.4.1 クラス構成」の「ディスク属性の変更」、コマンドを使用する場合は「D.7 sdxattr - オブジェクトの属性値変更」を参照してください。
1. のディスクを I/O エラーが発生したミラーグループに接続する。
参考
ディスクの接続方法については、GDS 運用管理ビューを使用する場合は「5.4.2 グループ構成」、コマンドを使用する場合は「D.2 sdxdisk - ディスクの操作」の -C オプションの説明を参照してください。