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Interstage List Creator V10.4.0 PDF変換機能編
FUJITSU Software

2.1.5 セキュアなメール配信を行う

PDF変換機能を使用して出力したPDFファイルを、S/MIMEを使用したPDFメール配信またはSecurePackageを使用することで、セキュアに配信することができます。

セキュアにPDFファイルを配信する場合の手順は、それぞれ以下のようになります。

S/MIMEを使用した署名付き暗号化メール配信を行う

以下に、S/MIMEを使用した署名付き暗号化メール配信を行う場合の基本的な手順を示します。

図2.2 S/MIMEを使用した署名付き暗号化メール配信を行う基本的な手順

  1. 証明書管理環境定義ファイルに、証明書のニックネーム、および証明書ファイルパスを設定します。テキストエディタで編集してください。

    証明書管理環境定義ファイルは、以下に格納されています。

    • 帳票出力サーバがWindowsの場合

      List Creatorインストールディレクトリ\lccrtmgr.def

    • 帳票出力サーバがSolarisの場合

      /etc/opt/FJSVedoc/lccrtmgr.def

    以下の項目を設定します。

    1. 送信者の証明書設定

      • 送信者の証明書がPKCS#12の場合

        [ENV]セクション-OWN-CERTTYPE=1を指定します。

        [OWN-CERTFILE]セクション-FILETYPE=1を指定します。

      • 送信者の証明書のニックネーム

        [OWN-CERTFILE]セクション-NICKNAME=(送信者の証明書ニックネーム)で指定します。

        なお、暗号化メールの場合、この指定は不要です。

      • 証明書ファイルパス

        [OWN-CERTFILE]セクション-FILENAME=(送信者の証明書ファイルパス)で指定します。

        なお、暗号化メールの場合、この指定は不要です。

    2. CA局の証明書設定

      • CA局の証明書のニックネーム

        [CA-CERTFILE-0001]セクション-NICKNAME=(CA局の証明書ニックネーム)で指定します。

      • 証明書ファイルパス

        [CA-CERTFILE-0001]セクション-FILENAME=(CA局の証明書ファイルパス)で指定します。

    3. 受信者(宛先)の証明書設定

      • 受信者(宛先)の証明書のニックネーム

        [CERTFILE-0001]セクション-NICKNAME=(受信者の証明書ニックネーム)で指定します。

        なお、署名付きメールの場合、この指定は不要です。

      • 証明書ファイルパス

        [CERTFILE-0001]セクション-FILENAME=(受信者の証明書ファイルパス)で指定します。

        なお、署名付きメールの場合、この指定は不要です。

        ポイント

        宛先を複数設定する場合は、セクション名[CERTFILE-XXXX]のXXXX4桁が一意となるよう設定します。詳細については、以下を参照してください。
        2.4.1 証明書管理環境定義ファイルのキーワード一覧


    証明書管理環境定義ファイルの設定例を以下に示します。

    例)帳票出力サーバがWindowsの場合
    [ENV]
    OWN-CERTTYPE=1
    [OWN-CERTFILE]
    NICKNAME=lcowner@xxx.yyy.zzz.co.jp
    FILENAME=C:\own.pfx
    FILETYPE=1
    [CA-CERTFILE-0001]
    NICKNAME=ca@xxx.yyy.zzz.co.jp
    FILENAME=C:\ca.cer
    [CERTFILE-0001]
    NICKNAME=lcuser@xxx.yyy.zzz.co.jp
    FILENAME=C:\other1.cer

    その他、詳細な設定については以下を参照してください。
    2.4.1 証明書管理環境定義ファイルのキーワード一覧

  2. lcsetenvコマンドを使用して証明書管理環境を作成します。

    • 帳票出力サーバがWindowsの場合

      lcsetenv -s -f "List Creatorインストールディレクトリ\lccrtmgr.def"

    • 帳票出力サーバがSolarisの場合

      /opt/FJSVedoc/bin/lcsetenv -s -f /etc/opt/FJSVedoc/lccrtmgr.def

    注意

    -fオプションでは、証明書管理環境定義ファイルのフルパスを指定してください。

    その他の証明書管理コマンドについては、以下を参照してください。
    2.4.2 証明書管理コマンドの一覧

  3. PDFメール環境設定ファイルで送信者のニックネームを指定します。テキストエディタで編集してください。

    PDFメール環境設定ファイルは、以下に格納されています。

    • 帳票出力サーバがWindowsの場合

      List Creatorインストールディレクトリ\swmailenv.ini

    • 帳票出力サーバがSolarisの場合

      /etc/opt/FJSVedoc/swmailenv.dat

    以下の項目を設定します。

    • 送信者のニックネーム

      [MLF_Default]セクション-MLF_FromNickname(設定項目名)で指定します。

      例)
      ・・・・・・・
      [MLF_Default]
      ・・・・・・・
      MLF_FromNickname=lcowner@xxx.yyy.zzz.co.jp
      ・・・・・・・・
  4. PDFメール配信サービスを再起動します。

    設定したPDFメール環境設定ファイルの内容をPDFメール配信サービスに反映させるため、PDFメール配信サービスの再起動を行います。

    以下の手順でPDFメール配信サービスを再起動します。

    • 帳票出力サーバがWindowsの場合

      「ListCREATOR SendMaild Service」を起動します。

      1. Administrators権限を持つユーザでログオンし、[コントロールパネル]-[管理ツール]-[サービス]を選択します。

        サービス一覧画面が表示されます。

      2. 「ListCREATOR SendMaild Service」を選択します。

      3. 「再起動」を選択して、サービスを再起動します。

    • 帳票出力サーバがSolarisの場合

      以下のスクリプトを実行して、PDFメール配信デーモンを再起動します。

        /opt/FJSVedoc/etc/SKFJSVedocmail restart

      ポイント

      【Solaris版】の場合、List Creatorのインストール後に、PDFメール配信デーモンが自動起動します。

      • PDFメール配信デーモン

          /opt/FJSVedoc/bin/swmaild
      • 起動/停止スクリプト

          起動スクリプト:/etc/rc2.d/S88FJSVedocmail
          停止スクリプト:/etc/rc0.d/K55FJSVedocmail
                          /etc/rc1.d/K55FJSVedocmail
  5. ユーザアプリケーションを実行します。

    • List Creator 帳票出力インタフェースを使用する場合

      帳票出力時に帳票出力(prprintコマンドの場合は-gpdfmailtoaddrオプション)で送信先のアドレス指定項目にニックネームを追加すると、PDFメール配信が行えます。

      例)帳票出力サーバがWindowsの場合
      prprint
      -assetsdir "C:\data\sample".............................................1)
      -atdirect file..........................................................2)
      -f "C:\data\sample\LC.dat"..............................................3)
      "LC"....................................................................4)
      -keeppdf "C:\tmp\LC.pdf"................................................5)
      -gpdfmailtoaddr "lcuser@xxx.yyy.zzz.co.jp <lcuser@xxx.yyy.zzz.co.jp>"...6)
      -gpdfmailconffile "C:\tmp\LCmail.conf"..................................7)
      1):帳票格納ディレクトリを指定
      2):出力方法を指定
      3):入力データを指定
      4):帳票名を指定
      5):PDFファイルの格納先を指定
      6):メールの送信先アドレスと証明書のニックネームを指定
      7):PDFメール配信情報ファイルを指定

      アプリケーションの作成方法の詳細については、オンラインマニュアル“アプリケーション作成ガイド”を参照してください。

    • COBOLアプリケーション連携機能を使用する場合

      署名付きの暗号化したメールでPDFファイルを配信するには、PDF変換をする指定に加え、PDF文書情報ファイルの([MLF_Mail]セクション)にMLF_ToAddress(送信先メールアドレス)で、送信先メールアドレスと証明書のニックネームを指定することで行えます。

      例)PDF文書情報ファイルの記述例
      [MF-PDF]
      ・・・・・・・
      [MLF_Mail]
      ・・・・・・・
      MLF_ToAddress=lcuser@xxx.yyy.zzz.co.jp<lcuser@xxx.yyy.zzz.co.jp>
      ・・・・・・・・

      PDF変換の指定方法の詳細については、オンラインマニュアル“COBOLアプリケーション連携機能編”を参照してください。

      注意

      上書きインストールした場合は、証明書環境を再構築してください。

SecurePackageを使用したPDFメール配信を行う

以下に、SecurePackageを使用したPDFメール配信を行う場合の手順を示します。

図2.3 SecurePackageを使用したPDFメール配信を行う基本的な手順

  1. PDFメール環境設定ファイルで、SecurePackage Centerにログインする設定を行います。

    PDFメール環境設定ファイルは、電子メール送信に関する環境を定義するファイルです。テキストエディタで編集してください。

    PDFメール環境設定ファイルは、以下に格納されています。

      List Creatorインストールディレクトリ\swmailenv.ini

    以下の項目を設定します。

    • SecurePackageを使用したメール配信の宣言

      [MLF_Default]セクション-MLF_UseSecurePack=1を指定します。

    • SecurePacage CenterのURL

      [MLF_Default]セクション-MLF_SecurePackURL=(SecurePackage CenterのURL)で指定します。

    • 送信者のSecurePackageログイングループID

      [MLF_Default]セクション-MLF_SecurePackGroupID=(送信者のSecurePackageログイングループID)で指定します。

    • 送信者のSecurePackageログインユーザID

      [MLF_Default]セクション-MLF_SecurePackUserID=(送信者のSecurePackageログインユーザID)で指定します。

    • 送信者のSecurePackageログインパスワード

      [MLF_Default]セクション-MLF_SecurePackPasswd=(送信者のSecurePackageログインパスワード)で指定します。

      例)
      [MLF_Default]
      MLF_UseSecurePack=1
      MLF_SecurePackURL=http://xxx.yyy.zzz.co.jp/securepack/
      MLF_SecurePackGroupID=ListCreatorUsers
      MLF_SecurePackUserID=LCSender001
      MLF_SecurePackPasswd=LC001
  2. PDFメール配信サービスを再起動します。

    以下の手順でPDFメール配信サービスを再起動します。

    「ListCREATOR SendMaild Service」を起動します。

    1. [コントロールパネル]-[管理ツール]-[サービス]を選択します。

      サービス一覧画面が表示されます。

    2. 「ListCREATOR SendMaild Service」を選択します。

    3. 「再起動」を選択してサービスを再起動します。

  3. SecurePackageで送信する送信内容を設定します。

    PDFメール配信情報ファイル(COBOLアプリケーション連携機能を使用する場合はPDF文書情報ファイル)で送信先、送信ファイル、送信メッセージの設定を行います。

    PDFメール配信情報ファイル(PDF文書情報ファイル)を、テキストエディタなどで作成し、任意のディレクトリに作成します。送信メールごとに設定を変更することができます。

    SecurePackage使用時は、以下の項目を設定します。

    • SecurePackageを使用したファイル配信の宣言

      [MLF_Mail]セクション-MLF_UseSecurePack=1を指定します。

    • 受信者のSecurePackageログイングループID

      [MLF_Mail]セクション-MLF_SecurePackToGroupID=(受信者のSecurePackageログイングループID)で指定します。

    • 受信者のSecurePackageログインユーザID

      [MLF_Mail]セクション-MLF_SecurePackToUserID=(受信者のSecurePackageログインユーザID)で指定します。

    • SecurePackageファイル配信の題名

      [MLF_Mail]セクション-MLF_SecurePackSubject=(SecurePackageファイル配信の題名)で指定します。

    • SecurePackageファイル配信のメッセージ

      [MLF_Mail]セクション-MLF_SecurePackComment=(SecurePackageファイル配信のメッセージ)で指定します。

      例)
      [MLF_Mail]
      MLF_UseSecurePack=1
      MLF_SecurePackToGroupID=ListCreatorRecievers
      MLF_SecurePackToUserID=LCReciever001
      MLF_SecurePackSubject=SecurePackageテスト
      MLF_SecurePackComment=これはSecurePackageのテストです。
  4. ユーザアプリケーションを実行します

    • List Creator 帳票出力インタフェースを使用する場合

      帳票出力時に帳票出力(prprintコマンドの場合は-gpdfmailconffileオプション)でPDFメール配信情報ファイルを指定すると、PDFメール配信が行えます。

      ユーザアプリケーションの詳細については、オンラインマニュアル“アプリケーション作成ガイド”を参照してください。

    • COBOLアプリケーション連携機能を使用する場合

      SecurePackageを使用したPDFメール配信は、PDF変換する指定に加え、3で作成したPDF文書情報ファイルを指定することで行えます。

      PDF変換の指定方法の詳細については、オンラインマニュアル“COBOLアプリケーション連携機能編”を参照してください。

      例)
      prprint
      -assetsdir "C:\data\sample".........................................1)
      -atdirect file......................................................2)
      -f "C:\data\sample\LC.dat"..........................................3)
      "LC"................................................................4)
      -keeppdf "C:\tmp\LC.pdf"............................................5)
      -gpdfmailconffile "C:\tmp\LCmail.conf"..............................6)
      1):帳票格納ディレクトリを指定
      2):出力方法を指定
      3):入力データファイルを指定
      4):帳票名を指定
      5):PDFファイルの格納先を指定
      6):PDFメール配信情報ファイルを指定