事前に“2.4 カーネル資源の見積もり”で見積もった値をもとに、カーネル資源の設定を行います。
カーネル資源の設定とは、システムの資源制御機能を使用して、プロセス間通信機能(共有メモリ、セマフォ、メッセージキュー)の動作を定義することです。
参照
資源制御および関連コマンドの詳細はシステムのドキュメントを参照してください。
以下に、変更する資源制御名を示します。
資源制御名 | 備考 |
---|---|
project.max-shm-memory | 加算値 |
project.max-shm-ids | 加算値 |
project.max-sem-ids | 加算値 |
process.max-sem-nsems | 最大値 |
process.max-sem-ops | 最大値 |
process.max-msg-qbytes | 最大値 |
project.max-msg-ids | 加算値 |
process.max-msg-messages | 加算値 |
資源制御を変更する場合は、projectデータベースおよびprctlコマンドを使用してください。
以下に変更手順を示します。
Interstageの停止
Interstageが起動している場合は、Interstageを停止します。
isstop -f |
isstopコマンドの詳細は、“Interstage Application Server/Interstage Web Server Express リファレンスマニュアル(コマンド編)”を参照してください。
user.rootプロジェクトのパラメタ値の変更
projmodコマンドでuser.rootプロジェクトのパラメタの値を変更します。
projmod -s -K 'project.max-sem-ids=(privileged,155,deny)' user.root |
ポイント
変更の特権レベルをprivileged、設定したしきい値を超える要求があった場合のアクションをdenyとします。
systemプロジェクトのパラメタ値の変更
projmodコマンドでsystemプロジェクトのパラメタの値を変更します。
projmod -s -K 'project.max-sem-ids=(privileged,155,deny)' system |
ポイント
パラメタに設定する値はuser.rootプロジェクトと同じ値を設定してください。
値の反映
newtaskコマンドで変更した値をシステムに反映します。
newtask -p user.root -c $$ |
Interstageの起動
Interstageを起動します。Interstageを起動する場合、システム管理者(スーパーユーザ)でisstartコマンドを実行し、Interstageを起動します。実行例を以下に示します。
isstart |
isstartコマンドの詳細は、“Interstage Application Server/Interstage Web Server Express リファレンスマニュアル(コマンド編)”を参照してください。
カーネル資源の設定とは、システムパラメタを変更して、プロセス間通信機能(共有メモリ、セマフォ、メッセージキュー)の動作を定義することです。
システムパラメタの変更方法を以下に示します。
システムパラメタの変更方法
以下のファイルを編集してパラメタ値を変更します。
/etc/sysctl.conf |
変更後は“sysctl -p /etc/sysctl.conf”を実行するか、システムを再起動してください。
参照
変更方法の詳細は、OSのドキュメントを参照してください。
バッチ実行基盤を使用するうえで設定が必要なシステムパラメタを以下に示します。
共用メモリ
セマフォ
メッセージキュー
それぞれのシステムパラメタについて説明します。
注意
システムパラメタに値が設定されている場合は、値を確認し、追加や変更を行ってください。
値が設定されていない場合は、OSの省略値が使用されています。
この場合には、OSの省略値を基準にして追加や変更を行ってください。
OSが使用している値は、sysctlコマンドの-aオプションにより表示できます。
sysctlコマンドの詳細は、OSのmanコマンドで確認してください。
各パラメタの説明の備考で、“最大値”とあるパラメタについては、すでに設定されている値または省略値と比較して大きい方の値を設定し、“加算値”とあるパラメタについては、すでに設定されている値または省略値に加算した値を設定してください。
共用メモリ資源
共用メモリ資源の設定について説明します。
システムパラメタのkernel.shmmax、kernel.shmmniに、見積もった値を設定してください。
パラメタ名 | 備考 |
---|---|
kernel.shmmax | 最大値 |
kernel.shmmni | 加算値 |
セマフォ資源
セマフォ資源の設定について説明します。
システムパラメタのkernel.semに、以下の形式で設定します。
記述形式
kernel.sem=para1 para2 para3 para4 |
para1、para2、para3、およびpara4には、見積もった値を設定してください。
パラメタ名 | 備考 |
---|---|
para1 | 最大値 |
para2 | 加算値 |
para3 | 最大値 |
para4 | 加算値 |
メッセージキュー資源
メッセージキュー資源の設定について説明します。
システムパラメタのkernel.msgmax、kernel.msgmnb、kernel.msgmniに、見積もった値を設定してください。
パラメタ名 | 備考 |
---|---|
kernel.msgmax | 最大値 |
kernel.msgmnb | 最大値 |
kernel.msgmni | 加算値 |