名前
pgx_dmpall -- データディレクトリ、テーブル空間および設定ファイルのバックアップ
概要
pgx_dmpall [option…]
説明
データディレクトリ、テーブル空間、および設定ファイルをバックアップします。バックアップデータの格納先は、postgresql.confのbackup_destinationパラメータで指定したバックアップ格納ディレクトリです。また、バックアップの正常終了時に不要なアーカイブ済みWALを削除します。
オプション
設定ファイルのみをバックアップします。設定ファイルは以下の3ファイルです。
postgresql.confファイル(postgresql.conf)
ホストベース認証用ファイル(pg_hba.conf)
ident認証用設定ファイル(pg_ident.conf)
なお、postgresql.confのincludeなど、外部参照が設定されている場合は、参照先のファイルもバックアップします。
チェックポイントをfastまたはspread(デフォルト)に設定します。fastを指定すると、バックアップ開始時のチェックポイント処理は高速になりますが、集中したI/Oのために動作中のアプリケーションへの性能の影響が大きくなります。spreadではチェックポイントはゆっくり実行されるためアプリケーションへの影響は小さいですが、バックアップに時間がかかります。
データディレクトリを指定します。省略時は、環境変数 PGDATA が有効となります。
設定ファイルpostgresql.confを指定します。postgresql.confファイルのdata_directoryパラメタに設定したデータディレクトリと設定ファイルを、異なるディレクトリで運用している場合に設定します。
データベースのスーパーユーザのユーザ名を指定します。 このコマンドを実行している実効ユーザの名前がデフォルトです。
パスワードの入力を促しません。サーバがパスワード認証を必要とし、かつ、.pgpassファイルなどの他の方法が利用できない場合、接続試行は失敗します。バッチジョブやパスワードを入力するユーザが存在しない場合にこのオプションは有用かもしれません。
データベースに接続する前に、pgx_dmpallは強制的にパスワード入力を促します。
サーバがパスワード認証を要求する場合pgx_dmpallは自動的にパスワード入力を促しますので、これが重要になることはありません。しかし、pgx_dmpallは、サーバにパスワードが必要かどうかを判断するための接続試行を無駄に行います。こうした余計な接続試行を防ぐために-Wの入力が有意となる場合もあります。
接続先となるデータベースの名前を指定します。 指定がなければ、postgresデータベースが使用されます。 もし存在しなければtemplate1が使用されます。
環境
データディレクトリを指定します。-Dオプションを使用して上書きすることができます。
診断
0: 正常終了
0以外: 異常終了
注釈
このコマンドは、データベースサーバの稼働中にのみ実行できます。
このコマンドは、PostgreSQLユーザアカウントで実行してください。
バックアップ格納ディレクトリ内のファイルを更新、および削除しないでください。データディレクトリを復旧できなくなる可能性があります。
バックアップ格納ディレクトリには、ほかのファイルを格納しないでください。
このコマンドはデータベースに接続するため、接続を1つ使用します。接続を確立するために、WindowsではIPv4のループバック・アドレス127.0.0.1を、それ以外のOSではUNIXドメイン・ソケットを使用します。そのため、pg_hba.confファイルでこれらの接続を許可してください。
例
以下は、データディレクトリ、テーブル空間および設定ファイルをバックアップする例です。このとき、バックアップにより不要になったアーカイブ済みWALも破棄されます。
$ pgx_dmpall
関連項目
pgx_rcvall