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Linkexpress Replication optionV5.0L17 システム設計ガイド
FUJITSU Software

2.4.1 ログファイルの容量見積り

ここでは、Symfoware抽出レプリケーション(V11以前およびNativeインタフェース)で使用するトランザクションログファイルと差分ログファイルの容量の見積り方法について説明します。

2.4.1.1 トランザクションログファイルの容量見積り

トランザクションログファイルのデータ部のサイズは、以下の見積り式に基づいて決定してください。

なお、ここで算出される値は、理想的な状態でデータが格納された場合の理論値です。実際には削除などの処理により理想的な状態で格納されません。この計算値を最低限必要な値と考えて見積もってください。

また、作成後は、お客様システムのピーク時におけるトランザクション数および最大ログ量のモデルで、トランザクションログファイルの使用率が80%を超過しないよう十分検証してください。

見積り式

トランザクションログファイルのデータ部のサイズ = H × T × L × G × S

H:最大トランザクション時間(単位:秒)

T:単位時間(単位:秒)あたりに発生するトランザクション数

L:トランザクションごとに発生するログ量(単位:バイト)

G:バックグラウンド処理係数(1~5)

バックグラウンド処理とは、トランザクションログファイルから差分ログファイルへ差分データを転送する処理です。
この処理は、データベースを更新するトランザクションとは非同期に動作します。
バックグラウンド処理係数とは、この転送処理とトランザクションログファイルへの差分データの出力との処理の割合を考慮する値です。

特に以下の点に影響を受けます。

S:安全係数(1.5~6)

安全係数は、トランザクションログファイルへの差分データの格納効率を考慮する値です。1.5を目安とし、トランザクションログファイルの使用率が80%を超過しないことを検証してください。

最大トランザクション時間(H) = お客様業務においてもっとも処理時間の長い更新系トランザクションの時間
トランザクションごとに発生する最大ログ量(L) = ΣINSERT文のログ量 + ΣDELETE文のログ量 + ΣUPDATE文のログ量
ΣINSERT文のログ量 =トランザクション内で実行するINSERT文のログ量(M)の合計
ΣDELETE文のログ量 =トランザクション内で実行するDELETE文のログ量(M)の合計
ΣUPDATE文のログ量 =トランザクション内で実行するUPDATE文のログ量(M)の合計
M:INSERT文、DELETE文およびUPDATE文単位のログ量
ログ量(M) =(B × N × 1トランザクションあたりのSQL件数 + 1 )× 512

N:UPDATE文の場合 2、INSERT文またはDELETE文の場合 1

B:ブロック数

ブロック数(B) = (レコード長 + R)÷ 512 + 1

R:固有情報

INSERT文の場合の固有情報(R) = 38 + 4 × 可変長属性列数 + n
DELETE文の場合の固有情報(R) = INSERT文の場合と同じ計算式
UPDATE文の場合の固有情報(R) = 34 + 4 × 可変長属性列数 + (4×平均更新列数)+ n

n:レプリケーション対象表のNOT NULL制約の付いていない列の数

注意

  • 上記見積り式の結果が、10Mバイトに満たない場合は、10Mバイト以上のサイズとし、使用率が80%を超えないよう十分検証をしてください。

  • レコード長については、“Symfoware Server セットアップガイド”を参照してください。

  • トランザクションログファイルのインデックス部のサイズは、4096バイト固定です。

  • トランザクションログファイルの管理部のサイズは、2048バイト固定です。

  • 1Gバイトを超過する差分ログファイルを使用する場合、お客様システムのメモリサイズによっては、差分ログファイルの書込み保証が遅延する場合があります。トランザクションログファイルの使用率が80%を超えないよう、トランザクションログファイルのサイズを拡張することを推奨します。

2.4.1.2 差分ログファイルの容量見積り

差分ログファイルのサイズは、以下の見積り式に基づいて決定してください。

見積り式

差分ログファイルのサイズ = L × H

L:単位時間当たりの平均ログ量

H:一括差分複写業務のスケジュール間隔の時間

例) Hが5分間隔の場合には、Lは1分当たりの平均ログ量、Hは5で算出します。

単位時間当たりの平均ログ量(L) = R × ( 1 + U ) × 更新件数

R:差分ログのレコード長(単位はバイト)

U:結合キー、クラスタキーまたは分割キーの値を更新するSQL文の比率 (0~1)

差分ログのレコード長(R) = G + 2 + ( N1 + D1 ) + ( N2 + D2 ) + … ( Ni + Di )

G:グループ単位のレプリケーションの場合の制御情報の長さ(単位はバイト)

グループ単位のレプリケーションの場合で、抽出する項目にナル表示域を指定した場合は8となります。ナル表示域を指定しない場合は6となります。
表単位のレプリケーションの場合は、0となります。

N1、N2…Ni:ナル表示域の長さ

抽出する項目にナル表示域を指定した場合は2となります。指定しない場合は0となります。(単位はバイト)

D1、D2…Di:抽出する各項目の長さ

可変長の場合は、最大長で見積りを行ってください。

また、グループ単位のレプリケーションの場合は、当該グループに属するすべての表の項目の長さを含めてください。(単位はバイト)

注意

  • 差分ログファイルは、自動的に容量が拡張されます。拡張された領域は、抽出処理によって差分データが抽出されるときに自動的に返却されます。拡張サイズを以下に示します。

    初期量

    拡張サイズ

    20メガバイト未満

    初期量の25%

    20メガバイト以上、2ギガバイト未満

    5メガバイト

    2ギガバイト以上

    50メガバイト

  • クラスタキー、分割キー、および項目の長さについては、“Symfoware Server RDB運用ガイド(データベース定義編)”および“付録A 抽出データ項目の形式”を参照してください。