業務運用中にハードウェア障害やソフトウェア障害など不測の事態が発生して、システムダウンなどに陥った場合に備えて、システムの高信頼化が必要です。
不測の事態に備えて、1つまたは複数の運用中のサーバコンピュータ(運用サーバ)とは別に、万一の場合に備えて運用待機しているサーバ(待機サーバと呼びます)を用意し、この運用サーバと待機サーバ間でディスクを共用させます。運用サーバと待機サーバで共用されるディスク上にデータを配置し、ハード障害などで運用サーバがシステムダウンした場合には、待機サーバに業務を引き継ぎ、待機サーバからディスクにアクセスします。これにより、業務全体を停止させることなく運用を継続できます。この機能をクラスタサービス機能といいます。
クラスタサービス機能での引継ぎ処理は、回線を引き継ぐこと(IPアドレス引継ぎ)ができます。さらに、システムを構成するさまざまなハードウェアやソフトウェアにも対応しています。
■高信頼化の方式
業務運用中のサーバに対して、同様の環境を備えたサーバを待機として準備し、業務運用中のサーバが故障時に待機していたサーバで業務を引き継ぎます。
■高信頼化の目的
システム全体を堅牢にすることを目的とします。
■特徴
サーバコンピュータの異常以外に、システムループやInterstageダウンなどの監視が可能で、システム全体の高信頼化を行うことができます。ただし、クラスタシステムの環境が必要になるため、通常よりも設備費が多くかかります。
■業務復旧までの時間
クラスタサービス機能を利用しない場合、システムに何らかの異常(ハードウェアの故障など)が発生した場合、一般的には業務復旧まで2~3時間ぐらいの時間が必要ですが、クラスタサービス機能を利用した場合、約10~15分で業務を復旧することができます。
■運用方法
Interstage Application Serverが提供するクラスタサービス機能を使用する場合、クラスタシステムが必要です。クラスタシステムとは、システムを構成するノードを監視して、異常を検出すると他のノードに引き継ぐ仕組みを提供するシステムです。Interstage Application Serverが提供するクラスタサービス機能では、クラスタシステムの機能を利用し、高信頼化システムを構築します。
■システム構築における選択肢
Interstage Application Serverが提供するクラスタサービス機能を利用した高信頼化システムを構築する場合、以下の選択肢があります。
使用クラスタシステム
使用するクラスタシステムは、MSCSです。
使用するクラスタシステムは、PRIMECLUSTERです。
PRIMECLUSTERでは、クラスタサービスはクラスタアプリケーションの位置付けになり、PRIMECLUSTERの用語でuserApplicationと呼ばれます。
クラスタ形態
1:1運用待機が選択できます。
構成 | 説明 | 特徴 |
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1:1運用待機 | 1台のサーバで業務を行い、障害時はもう1台のサーバに業務を自動的に引き継ぎます。 | 処理能力保証 |
使用データベース製品(DBMS製品)
データベース製品を使用する場合は、クラスタシステムに対応したデータベース製品を選択します。
■必須製品
必須製品を以下に示します。
必須製品 |
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使用するクラスタシステム製品と、クラスタシステム製品が必要とする製品 |
クラスタシステムに対応したデータベース製品 |
■1:1運用待機の構成図
1:1運用待機の構成図を以下に示します。