本節では、同期アプリケーション連携実行基盤の構成要素について説明します。
同期アプリケーション連携実行基盤で提供するオンライン処理(即時応答型)は、クライアントからの処理要求に対して、リアルタイムに処理結果を応答する処理形態です。
同期アプリケーション連携実行基盤は、以下のように、処理の実行を要求するクライアントアプリケーションと要求された処理を実行する業務から構成します。クライアントアプリケーションには以下の2つの形態があります。
クライアントアプリケーション(java)からの呼出し
Webサービスクライアントからの呼出し
これらは、同一のサーバ上で動作します。以下に、同期アプリケーション連携実行基盤で提供する機能について説明します。
クライアントアプリケーション(java)からの呼出しの構成例を以下の図に示します。
Webサービスクライアントからの呼出しの構成例を以下の図に示します。
■同期アプリケーション連携実行基盤の構成
同期アプリケーション連携実行基盤
同期アプリケーション連携実行基盤では、アプリケーションの呼び出しを制御する機能とアプリケーションの開発、運用をサポートする以下の機能を提供します。これにより、アプリケーションのコンポーネント化を実現し、柔軟性、拡張性に富む業務構築を実現します。また、プログラミングの標準化が行え、多数の開発者での、一定品質のアプリケーションの並行開発が可能となります。サーバアプリケーションの開発は、COBOLおよびC言語に対応します。同期アプリケーション連携実行基盤のアプリケーション実行制御では、次の制御を行います。
初期処理/終了処理/前処理/後処理/エラー処理/トランザクション後メッセージ編集処理
トランザクションとリトライ制御
COBOLまたはC言語のアプリケーション呼出し
業務共通制御の呼出し
COBOL実行環境の開設・閉鎖
ライブラリのロード
クライアントAPI
クライアントをWebアプリケーションとして作成するためのJava言語用のクライアントAPIと、サーバアプリケーションからさらに別のサーバアプリケーションを呼び出すためのC言語用のクライアントAPIを提供します。クライアントアプリケーション(Java)の形態は、サーブレット、JavaServer Pages(JSP)ベースのアプリケーションなどです。クライアントアプリケーション(C言語)の形態は、C言語のサーバアプリケーションとの連携、COBOLのサーバアプリケーションとの連携などです。各アプリケーションから同期アプリケーション連携実行基盤を呼出すAPIとして、次のAPIを用意します。
一般的なJavaアプリケーションからの呼び出し
Apcoordinatorのリモート共通インタフェースによる呼び出し
J2EE Connector ArchitectureのCommon Client Interface(CCI)による呼び出し
C言語アプリケーションからの呼び出し
ログ機能
アプリケーションの処理状況や、万一の異常発生時のトラブル状況を出力します。また、アプリケーション呼び出しから応答までの性能情報を業務単位で出力します。これらアプリケーション連携実行基盤が自動で出力するログを用いることにより、状況を正確に把握し、問題の検証やボトルネックの早期検出および改善に利用することができます。ログの出力内容などログの詳細は、“解説書”の“ログ機能”を参照してください。
システムログ
性能ログ
ワークユニット
同期アプリケーション連携実行基盤は、CORBAワークユニット上で動作します。その為、CORBAワークユニットで提供される高信頼な各サービスをそのまま利用することが可能です。
複数クライアントからのプロセス共有機能
アプリケーションの非常駐化(アプリケーション連携実行基盤の非常駐化)
プロセスの多重化
実行時のスナップショット
性能情報の測定(性能監視ツール)
Webサービスインタフェース
同期アプリケーション連携実行基盤をWebサービスクライアントから呼出す機能として、Webサービスインタフェース生成機能を提供します。Webサービスインタフェースは、COBOLのサーバアプリケーションを呼出し可能なWebサービスのサーバアプリケーションで、IJServerワークユニット上で動作します。
Webサービスクライアントは、IJ Serverワークユニット上で動作するWebサービスのサーバアプリケーションからWSDLファイルをダウンロードし、同期アプリケーション連携実行基盤を呼出すことができます。
■同期アプリケーション連携実行基盤におけるサーバ配置
アプリケーション連携実行基盤で利用するサーバの種類を示します。これらのサーバは、スケーラブルに拡張することが可能です。
アプリケーションサーバ
アプリケーションサーバは、クライアントアプリケーションおよびサーバアプリケーションといった利用者のアプリケーション、アプリケーション連携実行基盤の実行環境およびワークユニットを運用するサーバです。Webサービスインタフェース生成機能が生成するWebサービスインタフェースもアプリケーションサーバを使用します。
データベースサーバ
データベースサーバは、ユーザの業務データを格納するサーバです。データベースサーバには、以下のいずれかのデータベースが必要です。
Symfoware ServerまたはOracle
ユーザの業務データを格納するデータベース製品です。本製品には同梱されていませんので別途購入が必要です。
Webサーバ
Webブラウザからの要求を契機に業務処理を開始するシステムを構築する場合、Webサーバを利用する必要があります。