アプリケーション連携実行基盤は、下図に示す機能および資源により構成されています。本章では、これらの構成要素について説明します。
■アプリケーション連携実行基盤の構成要素
開発環境(フロー定義ツール、COBOL開発支援ツール)
アプリケーション連携実行基盤で用いるCOBOL・Javaアプリケーションの開発、フロー定義の作成および更新をシームレスに行うInterstage Studio上の統合開発環境です。
実行環境
アプリケーション連携実行基盤が実現する信頼性の高いアプリケーション連携環境の基盤となる実行制御プログラムです。この実行環境により、トランザクション制御によるメッセージとデータベースの一貫性保証、多重度制御、異常監視機能を備えたアプリケーション実行機能、およびフロー定義に従ったアプリケーション連携などの処理を行います。
運用ユーティリティ
アプリケーション連携のために使用されるメッセージの経路情報を画面から参照可能にするメッセージトラッキング機能およびフローの環境設定などシステム運用を容易にする機能です。
業務処理開始アプリケーション
アプリケーション連携を開始するアプリケーションです。業務内容の情報をメッセージに設定し、フローを開始します。本アプリケーションは、開発環境を使用して作成します。
業務処理実行アプリケーション
業務処理を行うアプリケーションです。入力したメッセージをもとにデータベースの更新などを行います。本アプリケーションは、開発環境を使用して作成します。
業務用データベース
利用者の業務で使用するデータを格納するデータベースです。
フロー定義DB
開発環境で作成したアプリケーション連携を指定したフロー定義を格納するデータベースです。
メッセージトラッキングDB
アプリケーション連携の処理中に発生したエラー情報を格納するデータベースです。
メッセージ格納DB
メッセージとDBの整合性保証機能を使用する場合にアプリケーションで使用するメッセージを格納するデータベースです。
JMX
Java Management Extension(JMX)仕様をベースとしたInterstage Application Serverの運用操作を行う機能です。
非同期基盤
Interstage Application ServerのイベントサービスおよびJMS機能です。
■アプリケーション連携実行基盤におけるサーバ配置
アプリケーション連携実行基盤で利用するサーバの種類を示します。これらのサーバは、スケーラブルに拡張することが可能です。
アプリケーションサーバ
アプリケーションサーバは、ユーザアプリケーションである業務処理開始アプリケーションや業務処理実行アプリケーションをはじめ、アプリケーション連携実行基盤の実行環境、ワークユニットおよびキューなどを運用するサーバです。
データベースサーバ
データベースサーバは、ユーザの業務データおよびアプリケーション連携実行基盤が使用する資源(フロー定義DB、メッセージトラッキングDBおよびメッセージ格納DB)を格納するサーバです。データベースサーバには、以下のいずれかのデータベースが必要です。
同梱のSymfoware/RDB
本製品に同梱されるデータベース機能です。本データベースには、フロー定義DBおよびメッセージトラッキングDBを配置することができます。業務用のデータベースとして使用できませんので、業務用のデータを格納する場合は、製品版のSymfoware ServerまたはOracleを使用してください。
製品版のSymfoware ServerまたはOracle
ユーザの業務データを格納するデータベース製品です。本製品には同梱されていませんので別途購入してください。なお、製品版のSymfoware ServerまたはOracleには、フロー定義DB、メッセージトラッキングDB、メッセージ格納DBおよび業務用データベースのすべてを配置できます。
Webサーバ
Webブラウザからの要求を契機に業務処理を開始するシステムを構築する場合、Webサーバを利用する必要があります。なお、アプリケーション連携実行基盤での使用は必須ではありません。