■現象
Oracleの性能情報は、各種設定作業を行わないと取得できません。
■確認ポイント
Oracleの性能情報を取得するための定義を確認してください。
■原因
Oracleの性能情報の取得は自動的には行われません。性能情報を取得するために各種設定作業を行う必要があります。
■対処方法
Oracleの性能情報を収集するための設定が正しく行われているか、次の順にチェックを行います。
template.datファイルの設定
ポリシーの作成と適用
Oracleの動作状態
Oracle 10g R2の場合に必要な処置
以降で、それぞれの項目について、詳細に説明します。
template.datファイルの設定
Oracleの性能情報を収集する場合には、template.datファイルに次の項目を設定する必要があります。
SID
ユーザーID
パスワード
Oracleのバージョン
ORACLE_HOME
template.datファイルで、固定項目を含め次のように設定します。
項目 | 定義内容 | 定義例 |
---|---|---|
[ORA] | セクション名です。1つのインスタンスを監視する場合には変更できません。 2つ以上のインスタンスを監視する場合には、1つ目のセクション名は[ORA]、2つ目以降のセクション名は[ORAn]としてください。(nは数字です) | [ORA] |
DCAID | Oracleを監視するための固有のIDです。変更できません。 | DCAID=”ORA” |
INTERVAL | 収集間隔です。単位は分です。変更できません。 | INTERVAL=5 |
SID | 「Oracleインスタンス名」を設定します。 大文字、小文字も正確に合わせて設定します。 | SID=”ORCL” |
USERNAME | Oracleにアクセスし、動的パフォーマンスビューから情報を取得するためのユーザー(DBAロールを付与した管理者ユーザー)のIDを入力します。 大文字、小文字も正確に合わせて設定します。 | USERNAME=”system” |
PASS | Oracleにアクセスし、動的パフォーマンスビューから情報を取得するためのユーザー(DBAロールを付与した管理者ユーザー)のパスワードを入力します。 大文字、小文字も正確に合わせて設定します。 | PASS=”manager” |
VER | 監視するOracleインスタンスのバージョンを記述します。「X.X.X」という3桁の形式で記述してください。 | VER=”10.2.0” |
ORAHOME | 監視するOracleのORACLE_HOMEの内容を設定します。 ※次のように最後に”/”を付けると正しく動作しないため、パスの最後に"/"は付けないでください。 ORAHOME=”/opt/oracle/product/10.2.0/” | ORAHOME=”/opt/oracle/product/10.2.0” |
注)ダブルクオーテーション(“)はなくても構いません。
template.datファイルは、以下の場所に格納されています。
【Windows版】
<可変ファイル格納ディレクトリ>\control\template.dat |
【UNIX版】
/etc/opt/FJSVssqc/template.dat |
ポリシーの作成と適用
template.datファイルの設定後、ポリシーの作成と適用を行う必要があります。ポリシーの適用後、マネージャーに構成情報が送信されますので、運用管理クライアントで構成情報を管理コンソールに反映するために「構成情報の取得」を実施してください。
Oracleの動作状態
Oracleの性能情報を収集するためには、Oracleのインスタンスが起動されてアクセス可能な状態となっている必要があります。Oracleが起動されていて、アクセス可能かどうかは、SQL*Plus等を使用して確認してください。
Oracle 10g R2の場合に必要な処置
Oracle 10g R2では、セキュリティが強化されているため、以下のメッセージが出力されて性能情報の収集ができない場合があります。
DSA_Cmd: DSA0543E: Bad data received from command 'sqlplus': ORA-12546: TNS:permission denied |
SQL*Plusを実行し、template.datファイルに設定したユーザー・パスワードでログインできる場合には、Oracleのバグ 4516865 が報告されていますので、その情報に従って対処を行ってください。