PRIMECLUSTER Wizard for NASは、PRIMECLUSTER 上で NAS 装置のクラスタ運用を行うためのソフトウェア製品です。PRIMECLUSTER 上で NetApp Filer (ETERNUS NR1000F series) を用いたスタンバイ運用 (コールドスタンバイ) や、スケーラブル運用を行うことができます。
以後、NetApp Filer (ETERNUS NR1000F series) をNAS 装置と記載いたします。
本製品は以下の機能を提供します。
機能 | 概要 |
---|---|
環境設定 | クラスタ運用のための環境設定インターフェース |
起動・停止制御 | NAS 装置の export 制御を行う |
ファイルロックの解除 | NAS 装置のファイルロックの解除を行う |
NASクラスタの監視 | NAS装置のコントローラーが二重化されたNASクラスタ構成におけるNAS装置のtakeoverを行うための監視を行う (オプション) |
運用・設定コマンド | 運用時に使用するコマンド類 |
環境設定
NAS装置のクラスタ運用を行うには、userApplication (クラスタアプリケーション) に NAS装置の制御を「リソース」として登録する必要があります。本製品は、それを行うための環境設定インターフェースを提供します。詳細は、"第2章 環境設定" を参照してください。
起動・停止制御
NAS 装置のボリュームを userApplication の状態遷移に従って、自動的に export/unexport 制御します。また、スタンバイ運用時には、起動時に旧運用ノードが保持していた NFS ファイルロックを解除します。
ファイルロック解除
userApplication切り替え時やノード異常時にファイルロックを解除します。
スタンバイ運用時、userApplication起動時にNAS装置のNFSファイルロックを解除します。
スケーラブル運用時、他ノードのアプリケーション異常やノードダウンを検出すると、使用されていた NFS ファイルロックを解除します。
NAS クラスタの監視(NAS クラスタの自動 takeover 機能)
2台の NAS 装置のコントローラーが二重化された NAS クラスタ構成において、クラスタノード - NAS 装置間の通信経路異常などによりデータアクセスができない場合でも、NAS クラスタのフェイルオーバを行い、業務を継続することができます。
(NAS クラスタは NAS 装置内のコントローラー故障時にはフェイルオーバしますが、NAS 装置への通信経路の異常ではフェイルオーバしません。)
以後、"NAS クラスタの監視" を "NAS クラスタの自動 takeover 機能" と記載いたします。
運用・設定コマンド
Netapp リソースの監視を中断、再開するコマンドを提供します。詳細は、"第4章 コマンド" を参照してください。
参照
NAS クラスタの自動 takeover 機能による takeover 発生後の復旧手順は、"3.4 自動 takeover 発生後の復旧手順" を参照してください。