アプリケーションを利用してデータベースアクセスの設計を行う場合、基本的な概念を理解する必要があります。ここでは、データベースアクセスを行うアプリケーションの設計に必要な概念として、セション、トランザクションおよびコネクションについて説明します。
Symfoware/RDBにアクセスする環境をセションと呼びます。
セションを意識する必要があるのは、埋込みSQL連携の場合のみです。
通常、アプリケーションで最初のSQL文が実行されると、Symfoware/RDBが自動的にセションを作成します。
データベースのアクセスにおいては、逐次的にデータベースを更新したり、いくつかのSQL文をまとめてからデータベースを更新したりすることが可能です。そのため、一連のデータ操作の途中で不慮のシステムダウンなどが発生すると、処理全体を有効にするか、無効にして再度やり直しができるようにデータベースをリカバリする必要があります。このように、一連のデータ操作の一貫性を保証する単位を“トランザクション”と呼びます。
詳細については、“1.1 トランザクションと排他制御”を参照してください。
また、データベース簡単運用の場合は、“付録I トランザクションと排他制御(データベース簡単運用の場合)”を参照してください。
コネクションとは、クライアントのアプリケーションがサーバのSymfoware/RDBデータベースにアクセスするために、クライアントとサーバの間を結んだ接続関係のことです。アプリケーションがデータベースシステムとコネクションをもつことによって、そのデータベースシステムの資源を操作することができます。
詳細については、“1.3 コネクション”を参照してください。
アプリケーションと、セション・トランザクション・コネクションの関係を以下に示します。
図1.1 アプリケーションと、セション・トランザクション・コネクションの関係
1つのアプリケーションプロセスには、1つまたは複数のセションを作成できます。
1つのセションでは、1つまたは複数のトランザクションを実行することができます。ただし、1つのセションで複数のトランザクションを同時に実行することはできません。