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Interstage Application Server 高信頼性システム運用ガイド
FUJITSU Software

1.2 クラスタサービス機能

業務運用中にハードウェア障害やソフトウェア障害など不測の事態が発生して、システムダウンなどに陥った場合に備え、クラスタサービス機能を使用することでシステムの高信頼化を実現できます。
クラスタサービス機能での引き継ぎ処理は、回線を引き継ぐこと(IPアドレス引き継ぎ)ができます。さらに、システムを構成する様々なハードウェアやソフトウェアにも対応しています。

Interstageでは、1台または複数台の運用中のサーバマシン(運用ノード)とは別に、万一の場合に備えて運用待機しているサーバ(待機ノードと呼びます)を用意します。また、運用ノードと待機ノードの共用ディスク上にデータを配置します。
ハード異常などで運用ノードがダウンした場合には、待機ノードに業務を引き継ぎます。この際、IPアドレスも引き継がれます。また、待機ノードから共用ディスクへアクセスすることで運用ノードからのデータの引継ぎが行えます。これにより、業務全体を停止させることなく運用を継続できるようにする機能をクラスタサービス機能といいます。


業務を運用するサーバ以外に、マルチサーバ管理機能の管理サーバにおいてもクラスタサービス機能による高信頼化が可能です。


クラスタシステム

クラスタサービス機能は、Interstage Application Server Enterprise Editionで提供されるものであり、下記のクラスタシステム上で動作します。


クラスタサービス機能を活用するためには、上記に対する知識が必要となります。詳細はクラスタシステムのマニュアルを参照してください。


Microsoft(R) Windows Server(R) 2008以降の場合、本書では「MSCS」を「フェールオーバー クラスタリング」と読み替えてください。


運用形態

運用マシンと待機マシンについて、以下の形態を用意しています。


1:1運用待機


運用ノードが障害時に待機ノードで業務を自動的に引き継ぎます。


相互待機


2台のノードがそれぞれ業務を行い、片側のノードに異常が発生した場合、残りの1台で業務を引き継ぎます。
なお、本運用形態は、旧バージョン製品で本機能を利用していた環境を、まったく同一条件で再構築するような場合にのみ使用する互換性維持のための機能です。本条件に該当しない場合には使用しないでください。


注意

相互待機は、旧バージョン製品で本機能を利用していた環境を、まったく同一条件で再構築するような場合にのみ使用します。本条件に該当しない場合には使用しないでください。


適用対象サーバ

クラスタサービス機能は、Interstage Application Serverのアプリケーションサーバ機能を導入しているサーバに対して使用できます。


注意


マルチサーバ管理機能を導入している環境では、管理サーバおよび単体運用の管理対象サーバに対してクラスタサービス機能を使用できます。共存サーバ、サーバグループに所属する管理対象サーバ、およびリザーブサーバでは、使用できません。


クラスタシステム上で使用できるサービス

Interstageが提供するサービス群のうち、クラスタシステム上で使用できるサービス/使用できないサービスを以下の一覧表に示します。


サービス名

サービスの利用可否

Interstage HTTP Server

(注1)

Interstage HTTP Server 2.2

(注1)

Servletサービス

(注2)

EJBサービス

Interstage JMS

CORBAサービス(ObjectDirector)

イベントサービス

(注1)

コンポーネントトランザクションサービス(TransactionDirector)

データベース連携サービス(ObjectTransactionService)

MessageQueueDirector

MQ連携サービス

Interstage シングル・サインオン

(注1)

Interstage ディレクトリサービス

(注1)

Java EE

(注1)


  ○:使用できます。
  ×:使用できません。
  -:機能を提供していません。
  注1) ただし、相互待機では使用できません。
  2) ただし、Session Registry Serverは、相互待機では使用できません。


注意


管理サーバ/管理対象サーバをクラスタシステムで運用する場合は、運用待機の形態で使用してください。相互待機の形態では使用できません。