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Interstage Application Server/Interstage Web Server Express Java EE運用ガイド
FUJITSU Software

4.10.4 セッションリカバリ機能のチューニング

セッションリカバリ機能に関する設定のチューニングについて説明します。

4.10.4.1 各タイムアウト値の設定について

セッションリカバリ機能で行う、通信のタイムアウト値の設定について説明します。
セッションリカバリ機能に関係して、以下のタイムアウト値を設定します。

設定箇所
[項目名]

値域/デフォルト値

内容

Session Registry Serverでの例

(1)

IJServerクラスタ:
HTTPサービスの定義項目
[HTTPリスナーの追加プロパティ]の[タイムアウト時間(connectionUploadTimeout)]

1~2147483647 / 30000(ミリ秒)

クライアントとの通信が途絶えた場合に通信を切断するまでの時間(ミリ秒)を指定します。Webコンテナは指定した値を使用して、タイムアウトのチェックを2回行うため、必要とする値を2回に分けた値で指定する必要があります。

30000(ミリ秒)

(2)

IJServerクラスタ:
プロセス制御の定義項目
[アプリケーション最大処理時間(maximum-processing-time)]

0~86400 / 480(秒)

アプリケーションの最大処理時間の監視時間を指定します。

480(秒)

(3)

Session Registry Clientの設定
[Session Registry Serverからの応答待ち時間(responseWaitTime)]

1~86400 / 440(秒)

Session Registry Serverからの応答待ち時間を設定します。

440(秒)

(4)

Session Registry Server:
HTTPサービスの定義項目
[HTTPリスナーの追加プロパティ]の[タイムアウト時間(connectionUploadTimeout)]

1~2147483647 / 30000(ミリ秒)

このSession Registry Serverが対象とするWebコンテナからの通信が途絶えた場合に通信を切断するまでの時間(ミリ秒)を指定します。Webコンテナは指定した値を使用して、タイムアウトのチェックを2回行うため、必要とする値を2回に分けた値で指定する必要があります。

30000(ミリ秒)

(5)

Session Registry Server:
プロセス制御の定義項目
[アプリケーション最大処理時間(maximum-processing-time)]

0~86400 / 480(秒)

Session Registry Serverの最大処理時間の監視時間を指定します。

400(秒)

(6)

Session Registry Server:
Session Registry Serverの環境設定
[最新セッション取得待ち時間(com.fujitsu.interstage.jservlet.sessionrecovery.pop.timeout)]

1~86400 / 360(秒)

セッションのリカバリ時、もともとセッションを保持していたコンテナから最新のセッションの取得を行いますが、このときの最大待ち時間を設定します。
セッションがリクエスト処理中で使用されている場合の待ち時間です。
セッション使用中のまま待ち時間をオーバーすると、該当のセッションはリカバリされません。

360(秒)


各値は、以下の関係を満たすように設定してください。

(2)  >  (3)  >  (5)  >  (6)
(1)  <=  (2)
(4)  <=  (5)


4.10.4.2 同時処理数の設定について

Session Registry Serverの同時処理数には、そのSession Registry Serverをセッションのバックアップ先とするIJServerクラスタの以下の値の合計値を、Session Registry Serverの同時処理数の上限値2048以内で指定してください。

Webコンテナの同時処理数 × IJServerクラスタのサーバーインスタンス数

以下の例では、Webコンテナの同時処理数64、サーバーインスタンス数2のIJServerクラスタ3つがSession Registry Serverをバックアップ先としていますので、
64×2 + 64×2 + 64×2 = 384を設定します。



4.10.4.3 IPアドレスとポート番号の設定例

以下のような運用を行う場合について、IPアドレスとポート番号の設定例を説明します。

例1: Session Registry ServerをWebアプリケーションの動作するIJServerクラスタと別マシンで運用する場合

Session Registry Server(マシンC:192.0.2.1)の環境設定

  

項目

設定値例

備考

(1)

HTTPサービスの定義項目

HTTPリスナー
(default)

ネットワークアドレス(注1)

192.0.2.1

マシンのIPアドレスまたは0.0.0.0を指定します。省略値は0.0.0.0です。

(2)

リスナーポート

5678

(3)

仮想サーバー
(server)

要求を受け付けるクライアントのアドレス

192\.0\.2\.2,
192\.0\.2\.3

Webアプリケーションの動作するIJServerクラスタを運用するマシンA、BのIPアドレスを正規表現で指定します。複数ある場合はすべて設定します。


Session Registry Client側のIJServerクラスタ(マシンA:192.0.2.2)の環境設定

  

項目

設定値例

備考

(4)

ライフサイクルモジュールの定義項目

ライフサイクルモジュールのプロパティ

セッションのバックアップ先Session Registry Serverのアドレス(srsAddress)

192.0.2.1

Session Registry ServerのIPアドレスを指定します。

(5)

セッションのバックアップ先Session Registry Serverのポート(srsPort)

5678

Session Registry Serverのポートを指定します。

(6)

システムプロパティの定義項目

SESSIONRECOVERY_PORTの設定

制御用HTTPリスナーのポート番号
(IJServerクラスタの設定のデフォルト値)

15000

(7)

HTTPサービスの定義項目

制御用HTTPリスナー
(__sr-listener)

ネットワークアドレス

192.0.2.2

マシンのIPアドレスまたは0.0.0.0を指定します。

(8)

制御用仮想サーバー
(__sessionrecovery)

要求を受け付けるクライアントのアドレス

192\.0\.2\.1

Session Registry ServerのIPアドレスを正規表現で指定します。Session Registry Serverを運用するマシンに複数のIPアドレスが設定されている場合はすべて設定します。


Session Registry Client側のIJServerクラスタ(マシンB:192.0.2.3)の環境設定

  

項目

設定値例

備考

(9)

ライフサイクルモジュールの定義項目

ライフサイクルモジュールのプロパティ

セッションのバックアップ先Session Registry Serverのアドレス(srsAddress)

192.0.2.1

Session Registry ServerのIPアドレスを指定します。

(10)

セッションのバックアップ先Session Registry Serverのポート(srsPort)

5678

Session Registry Serverのポートを指定します。

(11)

システムプロパティの定義項目

SESSIONRECOVERY_PORTの設定

制御用HTTPリスナーのポート番号
(IJServerクラスタの設定のデフォルト値)

15000

(12)

HTTPサービスの定義項目

制御用HTTPリスナー
(__sr-listener)

ネットワークアドレス

192.0.2.2

マシンのIPアドレスまたは0.0.0.0を指定します。省略値は0.0.0.0です。

(13)

制御用仮想サーバー
(__sessionrecovery)

要求を受け付けるクライアントのアドレス

192\.0\.2\.1

Session Registry ServerのIPアドレスを正規表現で指定します。Session Registry Serverを運用するマシンに複数のIPアドレスが設定されている場合はすべて設定します。

注1) サーバで有効なすべてのIPアドレスを使用する場合は、0.0.0.0を指定します。マシンに複数のIPアドレスが設定されていて、本機能で使用するIPアドレスを制限したい場合は、許可するIPアドレスを設定し、その他の定義項目のSession Registry ServerのIPアドレス(4)、(8)、(9)、(13)も統一して設定します。なお、ネットワークアドレスを0.0.0.0とした場合でも、その他の定義項目のIPアドレスは、実際のマシンのIPアドレスで統一してください。


2: Session Registry ServerをWebアプリケーションの動作するIJServerクラスタ同一のマシンで運用する場合

Session Registry Serverの環境設定

  

項目

設定値例

備考

(1)

HTTPサービスの定義項目

HTTPリスナー
(default)

ネットワークアドレス(注1)

127.0.0.1

IPアドレスは127.0.0.1(注2)または0.0.0.0とします。省略値は0.0.0.0です。

(2)

リスナーポート

5678

(3)

仮想サーバー
(server)

要求を受け付けるクライアントのアドレス

127\.0\.0\.1

127.0.0.1(注2)とします。


Session Registry Client側のIJServerクラスタの環境設定

  

項目

設定値例

備考

(4)

ライフサイクルモジュールの定義項目

ライフサイクルモジュールのプロパティ

セッションのバックアップ先Session Registry Serverのアドレス(srsAddress)

127.0.0.1

IPアドレスは127.0.0.1(注2)とします。

(5)

セッションのバックアップ先Session Registry Serverのポート(srsPort)

5678

ポートは(2)と同じとします。

(6)

システムプロパティの定義項目

SESSIONRECOVERY_PORTの設定

制御用HTTPリスナーのポート番号
(IJServerクラスタの設定のデフォルト値)

15000

Webアプリケーションを運用するIJServerクラスタのサーバーインスタンス数が2のとき

(7)

SESSIONRECOVERY_PORTの設定

制御用HTTPリスナーのポート番号
(サーバーインスタンスのオーバーライド値)

15001

(8)

HTTPサービスの定義項目

制御用HTTPリスナー
(__sr-listener)

ネットワークアドレス

127.0.0.1

IPアドレスは、127.0.0.1(注2)または0.0.0.0とします。省略値は0.0.0.0です。

(9)

制御用仮想サーバー
(__sessionrecovery)

要求を受け付けるクライアントのアドレス

127\.0\.0\.1

アクセス制限を行う場合、127.0.0.1(注2)を正規表現で指定します。

注1) サーバで有効なすべてのIPアドレスを使用する場合は、0.0.0.0を指定します。マシンに複数のIPアドレスが設定されていて、本機能で使用するIPアドレスを制限したい場合は、許可するIPアドレスを設定し、その他の定義項目のIPアドレス(3)、(4)、(8)も統一して設定します。なお、ネットワークアドレスを0.0.0.0とした場合でも、その他の定義項目のIPアドレスは、127.0.0.1または実際のマシンのIPアドレスで統一してください。

注2) 各IPアドレスは、127.0.0.1の代わりに実際のマシンのIPアドレス(192.0.2.1など)を指定することも可能です。ただし、127.0.0.1との混在はできません。いずれかで統一してください。