グローバルトランザクション運用を行うためには、CORBAのクライアントアプリケーションの処理に加えて、CosTransactions::Current::commitメソッドなどのCurrentインタフェースを呼び出して、データベース連携サービスにトランザクション処理を依頼します。
これらの処理を考慮したクライアントアプリケーションの構成について以下に示します。

■初期化処理部
クライアントアプリケーションをCORBAサービスに登録、およびトランザクションサービスの初期化を行います。
■アプリケーション固有部
アプリケーション固有の処理部です。トランザクションの開始から終了までの流れを記述します。
■トランザクション用ライブラリ
データベース連携サービスが提供するクライアントアプリケーション用ライブラリです。
クライアントアプリケーションの基本形を以下に示します。
:
static CORBA::ORB_ptr orb;
static CosTransactions::Current_ptr Current;
static CosNaming::NamingContext_ptr obj;
static CosNaming::NamingContext_ptr naming_obj;
:
/* 初期化処理 */
orb = CORBA::ORB_init(argc, argv, FJ_OM_ORBid, *env);
:
naming_obj = NamingContext_obj->resolve(*name, *env); … (1)
:
/* トランザクション依頼処理 */
obj = orb->resolve_initial_references
(CORBA_ORB_ObjectId_TransactionCurrent, *env); … (2)
Current = CosTransactions::Current::narrow(obj);
Current->begin(*env); … (3)
:
srvobj->ope1(para, *env … (4)
:
if (env->exception()) … (5)
Current->rollback(*env);
else
Current->commit(CORBA_TRUE, *env);ネーミングサービスからサーバアプリケーションのオブジェクトリファレンスを獲得します。
Currentインタフェースのオブジェクトリファレンスを獲得します。
CosTransactions::Current::beginメソッドでトランザクションの開始を宣言します。
サーバアプリケーションを呼び出します。
サーバアプリケーションの復帰状態を確認して、トランザクションの状態を決定します。
トランザクションを正常終了する場合は、CosTransactions::Current::commitメソッドでトランザクションをコミットします。
トランザクションを異常終了する場合は、CosTransactions::Current::rollbackメソッドでトランザクションをロールバックします。