ここでは、バックアップウィザード(for SQL Server)またはリストアウィザード(for SQL Server)操作時にエラーが発生した場合の対処方法を説明します。
リストア元ボリュームおよびリストア先ボリュームの状態に異常がないことを、ETERNUS Web GUIを使用して確認してください。
ボリュームに異常が見られる場合は、障害調査に必要な資料を採取して、当社技術員に連絡してください。調査資料の採取方法は、「12.2.1 調査資料の採取」を参照してください。
バックアップウィザード(for SQL Server)の実行が何らかの原因により失敗した場合、途中まで行われたバックアップ設定を解除し、バックアップウィザード実行前の状態に復元します。この復元を、以降、“バックアップウィザードのロールバック”と記述します。
バックアップウィザードのロールバックに失敗した場合の復旧方法を、以下に説明します。
バックアップウィザードのロールバックに失敗しているかの判別方法
バックアップウィザード(for SQL Server)の実行中にエラーが発生したあと、エラー原因にすべて対処してもバックアップウィザードの実行に失敗する場合は、バックアップウィザードのロールバックに失敗している可能性があります。以下の手順で復旧してください。
復旧方法
運用管理サーバ、データベースサーバ、バックアップサーバのうち、起動していないサーバがあれば起動します。
データベースサーバの以下フォルダに、今回操作対象としたデータベースの完全バックアップ実行スクリプト、ログバックアップ実行スクリプトおよびバックアップ解除スクリプトが作成されているか確認します。作成されている場合は削除します。
非クラスタ運用の場合
<AdvancedCopy Managerエージェントインストール時のプログラムディレクトリ>\Wizard\bat
クラスタ運用の場合
<AdvancedCopy Manager共有データ用共有ディスク>:\var\opt\swstorage\Wizard\bat
注意
以前のバックアップウィザードの実行が正常終了し、正しく作成されたバックアップ実行スクリプトおよびバックアップ削除スクリプトの可能性もあります。削除しようとしているファイルが、スクリプト作成時のレプリケーショングループ名を含んでいるかを確認してください。
例えば、レプリケーショングループ名をデフォルトにして、2014年7月29日の20時49分にバックアップウィザードを実行し、バックアップウィザードのロールバックに失敗した場合は、以下のファイルを削除します。以下のファイル以外を削除しないでください。
execute_backup_ApplinkForSQLGroup_20140729204931.bat execute_logbackup_ApplinkForSQLGroup_20140729204931.bat delete_backup_ApplinkForSQLGroup_20140729204931.bat
バックアップウィザードで選択したデータベースに対してAdvancedCopy Managerのバックアップ定義を削除します。
ボリュームペア定義を取得して、取得した情報に基づいてボリュームペア定義を削除します。
ボリュームペア定義の取得
データベースサーバがクラスタ環境の場合、swsrpvolinfoコマンドを実行する前に、以下の手順を実施し、環境変数SWSTGNODEを設定する必要があります。
以下のコマンドを実行してAdvancedCopy Managerの論理ノード名を表示します。
<AdvancedCopy Managerプログラムディレクトリ>\bin\stgenvdisp
以下のコマンドを実行して環境変数SWSTGNODEに論理ノード名を設定します。
設定する論理ノード名は、手順aで表示した論理ノード名のうち、ウィザードで選択したデータベースが稼働している論理ノード名です。
SET SWSTGNODE=<AdvancedCopy Managerの論理ノード名>
データベースサーバで以下のコマンドを実行してボリュームペア定義を取得します。
<AdvancedCopy Managerプログラムディレクトリ>\bin\swsrpvolinfo -L
以下はコマンド実行例です。
C:\>C:\Win32app\AdvancedCopyManager\bin\swsrpvolinfo -L Server Original-Volume Size Replica-Volume Size Copy Op-Server Group E14EMB01WR2DE64 g1d102p1@E14EMB01WR2DE64 1021.0 Mbyte g1d217p1@E14BKS01WR2DE64 1021.0 Mbyte bi-direction original ApplinkForSQLGroup_20130927153045 E14EMB01WR2DE64 g1d199p1@E14EMB01WR2DE64 1021.0 Mbyte g1d218p1@E14BKS01WR2DE64 1021.0 Mbyte bi-direction original ---- C:\>
上記で表示されたペアのうち、グループ名とバックアップウィザード実行時に指定したレプリケーショングループ名が一致したボリュームペアを抽出し、ボリュームペア定義の削除を行います。
上記の実行例では、g1d102p1@E14EMB01WR2DE64がバックアップ元ボリューム、g1d217p1@E14BKS01WR2DE64がバックアップ先ボリュームとなっています。
ボリュームペア定義の削除
データベースサーバで以下のコマンドを実行します。
<AdvancedCopy Managerプログラムディレクトリ>\bin\swsrpdelvol <バックアップ元ボリューム> <バックアップ先ボリューム>
<バックアップ元ボリューム>および<バックアップ先ボリューム>には、ボリュームペア定義の取得で取得したボリュームペアを指定します。以下は、コマンド実行例です。
C:\>C:\Win32app\AdvancedCopyManager\bin\swsrpdelvol g1d102p1@E14EMB01WR2DE64 g1d217p1@E14BKS01WR2DE64 swsrpdelvol completed C:\>