Agentは、被監視サーバの性能情報を収集するコンポーネントです。
Agentには、以下の2つの形式があります。
インストール型Agent
被監視サーバ上にAgentをインストールし、管理対象製品が提供しているコマンドやAPIを定期的に発行して、性能情報を収集しています。
インストールレス型Agent
インストールレス型Agentでは、監視サーバ(Manager/Proxy Manager)からリモートで接続し、被監視サーバのOSまたは仮想化ソフトウェアが提供しているコマンドやAPIを定期的に発行して、性能情報を収集します。被監視サーバには、Agentはインストールされません。
なお、本マニュアルでは、単に“Agent”と表現している場合、インストール型Agentを指しています。
インストール型Agentとインストールレス型Agentの機能の違いは以下のとおりです。
機能 | インストール型 Agent | インストールレス型 Agent | |
---|---|---|---|
性能情報収集 |
|
| |
サーバのスペック情報収集 | 収集しない。 |
| |
しきい値監視 | Centric Manager連携 |
|
|
イベントログ/ |
| ||
メール | |||
トラップ | |||
ユーザー任意のコマンド実行 | |||
Troubleshootログ | 出力する。 | 出力しない。 |
注)収集できる項目は、インストール種別によって異なります。
使用手引書「インストール型Agentとインストールレス型Agentの違いについて」についても参照してください。
インストール型Agentでは、管理対象製品が提供しているコマンドやAPIを定期的に発行して、性能情報を収集しています。
Agent上で収集された情報は、サマリデータとリソースデータに加工されて、Managerに送信されます。
サマリデータは、システムの状況を大まかに把握するためのサマライズされたデータです。たとえば、システム全体のCPU使用率やメモリ量などがこれに該当します。
リソースデータは、リソース単位に収集された詳細データです。たとえば、プロセッサごとのCPU使用率やプロセスごとのデータなどがこれに該当します。リソースデータは、さらに、表示の目的別に、3種類のデータに加工されて、Managerに送信されます。
次に、Agentが動作する上で使用する、ディレクトリの役割について説明します。
■DsaForwarder/DsaForwarder_sumディレクトリ
Managerに送信するデータを、一時的に保持しておくための可変ファイル格納ディレクトリ配下のディレクトリです。
DsaForwarderディレクトリにはリソースデータが、DsaForwarder_sumディレクトリにはサマリデータがそれぞれ保持されます。なお、Managerが二重化運用されている場合には、DsaForwarder2、DsaForwarder2_sumのディレクトリも使用されます。
Managerとの通信が途絶えた場合、通信が再開されるまでは、このディレクトリ配下にデータが蓄積されることになります。
注意
データ送信の不通の状態が長く続くと、未送信データでディスクが圧迫されます。可変ファイル格納ディレクトリのディスクの空き容量が50MB(デフォルトの場合)を下回ると警告メッセージ、10MB(デフォルトの場合)を下回るとエラーメッセージを出力してAgentのSystemwalker SQC DCMサービスまたはdcmdプロセスが停止します。
ただし、ディスクの空き容量が十分あっても未送信データのファイル数が一定量(約30000ファイル)を超えた場合には、ディスクの使用量を抑えるために、60分間隔で日付の古いファイルから自動的に削除します。ファイルが削除された場合、削除した期間の性能データに抜けが発生します。
蓄積されたファイルが不要となり、手動で削除したい場合は、導入手引書「Agent/Proxy Managerの未送信データの削除」を参照してください。
なお、本ディレクトリの具体的な位置は以下のとおりです。
【Windows版】
<可変ファイル格納ディレクトリ>\transfer\DsaForwarder <可変ファイル格納ディレクトリ>\transfer\DsaForwarder_sum |
【UNIX版】
/var/opt/FJSVssqc/temp/DsaForwarder /var/opt/FJSVssqc/temp/DsaForwarder_sum |
■Troubleshootディレクトリ
Agentが収集したサーバ性能情報を、CSVファイルの形に加工したログデータが格納されます。Managerのデータベースに格納されている情報より、さらに詳細な情報が記録されています。より詳細なトラブルシューティングを行うことを目的に保存しています。
なお、本ディレクトリの具体的な位置は以下のとおりです。
【Windows版】
<可変ファイル格納ディレクトリ>\spool\Troubleshoot1 |
【UNIX版】
/var/opt/FJSVssqc/Troubleshoot1 |
過去のログファイル
Troubleshootディレクトリ配下に、以下のファイルが出力されます。
troubleshoot1_%SYSTEM%_%N%.txt |
%SYSTEM% : システム名
%N% : ファイル番号
本ログファイルは、24時間間隔で新たに生成されます。ただし、ファイル番号(%N%)が1~<Troubleshootの保持期間>の間で、サイクリックに使用されます。
当日格納中のログファイル
Troubleshootディレクトリ配下に、以下のファイルが出力されます。
troubleshoot1.wrt |
注意
troubleshoot1.wrtファイルは、現在格納中のファイルのため、当日格納中のログデータを表示する場合は、troubleshoot1.wrtファイルを別のファイル名でコピーし、コピーしたファイルの内容を表示してください。
ポイント
本ログファイルは、CSV形式のファイルになっています。データ形式は、リファレンスマニュアル「ログデータ(Troubleshoot)情報」を参照してください。
インストールレス型Agentでは、監視サーバ(Manager/Proxy Manager)からリモートで接続し、被監視サーバのOSまたは仮想化ソフトウェアが提供しているコマンドやAPIを定期的に発行して、性能情報を収集します。被監視サーバには、Agentはインストールされません。
収集された情報は、Managerでサマリデータとリソースデータに加工されて、PDBに格納されます。
リモートで性能情報を収集するときの、監視サーバと被監視サーバ(インストールレス型Agent)の通信方式は、WMI、TELNET、SSH、HTTPSのいずれかになります。条件や設定方法については、使用手引書「インストールレス型Agent管理」を参照してください。