ユーザログテーブルのエントリごとの状態を表示させるには、rdbinfコマンドを使用します。rdbinfコマンドの詳細は“Interstage Business Application Server リファレンス”を参照してください。
例
ユーザログDSIのエントリ情報を表示します。
rdbinf -i ユーザログDB.ユーザログDSI -c |
表示例は、“6.7.1 利用規定および障害状況の照会”を参照してください。
■エントリの状態
表示するエントリ情報として、エントリの状態があります。
エントリの状態は、以下の契機でシステムが自動的に切り替えます。EMPTYのエントリがなくなると業務が異常終了となるので注意してください。CYCLIC_MODEについては、“4.7.1 表のDSO定義”を参照してください。
DSI初期化後の最初のデータ格納を契機に、最初に利用するエントリのステータスを変更
現在使用中のエントリがFULL(エントリ内のページがすべて使用済み)になった場合に、次のエントリのステータスを変更
rdbcycswhコマンド(エントリの切替え)によって、現在使用中のエントリを切り替えた場合に、次のエントリのステータスを変更
現在使用中のエントリがFULL(エントリ内のページがすべて使用済み)になった場合に、現在使用中のエントリのステータスを変更
rdbcycswhコマンド(エントリの切替え)によって、現在使用中のエントリを切り替えた場合に、現在のエントリのステータスを変更
rdbcycexpコマンドでFULLのエントリのエクスポートが成功した場合に、該当エントリのステータスをPURGEに変更
rdbcycexpコマンドが成功した場合に、該当エントリのステータスをEMPTYに変更
現在使用中のエントリの異常(媒体破壊など)を検知したことを契機に、該当エントリのステータスを変更
このとき、次のエントリを使用中のステータスに変更
FULLのエントリのエクスポートが失敗(媒体破壊など)した場合に、エクスポートしたエントリのステータスを変更
もともとUSINGまたはFULLであったエントリは、どちらもFULLとなります。
異常(媒体破壊など)となったエントリをリカバリした場合に、該当エントリのステータスを変更
rdbfmtコマンドによって初期化したエントリのステータスをEMPTYに変更
rdbcycexpコマンドの再実行を契機に、エントリのステータスをEMPTYに変更
rdbrcvコマンドによってリカバリしたエントリのステータスをEMPTYに変更(rdbfmtコマンド、rdbcycexpコマンド実行後に、リカバリ対象エントリが更新されていない場合)
rdbcycexpコマンドでFULLのエントリのエクスポートが成功したあとに、コマンドが異常終了した場合(サーバダウンなど)
ポイント
エントリのエクスポート後には、エントリを自動的に初期化するため、CYCLIC構造の再編成は不要です。
エントリが割り付けられている資源(CYCLIC構造のDSIまたはデータベーススペース)がアクセス禁止状態になった場合、アプリケーションによるユーザログの書込みはエラーになります。このとき、エントリの状態はINHにはなりません。この場合は、“10.2 ユーザログテーブルのリカバリ”の手順にしたがって、メディアリカバリを実施してください。
運用コマンドとエントリの状態遷移の関係は、以下のとおりです。
| コマンド実行結果 | ||||
---|---|---|---|---|---|
コマンド | コマンド開始前のエントリ状態 | 正常終了 | エラー | I/Oエラー | 実行中ダウン |
rdbcycexp | EMPTY | 処理対象外 | |||
USING | 処理対象外 | ||||
FULL | EMPTY | PURGEまたは遷移しない | INH | PURGE (注1) | |
INH | 処理対象外 | ||||
PURGE | EMPTY | 遷移しない | INH | EMPTYまたは遷移しない (注2) | |
rdbcycswh | EMPTY (注3) | USING | 遷移しない | 関係なし (注4) | USINGまたは遷移しない (注5) |
USING | FULL | 遷移しない | 関係なし (注4) | FULLまたは遷移しない (注6) | |
FULL | 処理対象外 | ||||
INH | 処理対象外 | ||||
PURGE | 処理対象外 | ||||
rdbfmt | EMPTY | 遷移しない | EMPTYまたは遷移しない | ||
USING | EMPTY | ||||
FULL | EMPTY | ||||
INH | EMPTY | ||||
PURGE | EMPTY | ||||
rdbrcv | EMPTY | 指定不可(エラーとなります。) | |||
USING | |||||
FULL | |||||
INH | FULLまたはEMPTY (注7) | 遷移しない | 遷移しない | 遷移しない | |
PURGE | 指定不可(エラーとなります。) |
注1) ダウンのタイミングによっては、EMPTYまたは遷移しない場合があります。遷移しない場合は、rdbcycexpコマンドを再実行してください。
注2) ダウンのタイミングによって、PURGEのまま、遷移しない場合があります。遷移しない場合は、rdbcycexpコマンドを再実行してください
注3) USINGの次のエントリ番号をもつEMPTY状態のエントリを指します。
注4) rdbcycswhコマンドではI/Oを発行しないため、関係ありません。
注5) ダウンのタイミングによって、USINGあるいは遷移しない場合があります。遷移しない場合は、rdbcycswhコマンドを再実行してください。
注6) ダウンのタイミングによって、FULLあるいは遷移しない場合があります。遷移しない場合は、rdbcycswhコマンドを再実行してください。
注7) リカバリ対象のエントリ通番が、USING状態のエントリ通番と比較して以下のようになります。
大きい場合:EMPTY
小さい場合:FULL
また、リカバリ実行時にUSING状態のエントリが存在しない場合は、FULLとなります。
処理対象外の場合は、状態は遷移しません。また、エラーにはなりません。