アプリケーション安定稼働機能はJ2EEのIJServerワークユニットにおいてプロセス多重で実行されるJavaVMを運用JavaVMと待機JavaVMに分けて扱い、それらを自動的に切り替えることでJavaアプリケーションの安全かつ安定した業務継続を実現します。例えば、Javaアプリケーションが無応答になった場合、Javaヒープ領域のメモリ不足の予兆を検出した場合、またはガーベジコレクションの予兆を検出した場合に、予兆を検出した運用中のJavaVM(運用JavaVM)の代わりに業務継続するために待機しているJavaVM(待機JavaVM)に自動的に切り替えることで、トラブルとなりうる事象を回避し安定的な業務運用を実現することができます。
以下にアプリケーション安定稼働機能の概要を示します。
JavaVMヒープ領域の管理によるスループットの保証
Javaヒープ領域の不足やガーベジコレクションが発生した場合に、待機しているJavaVMにリクエストを振り分けることで、Javaアプリケーション実行中のガーベジコレクションを防止し、Javaアプリケーションのスループットを保証します。
アプリケーションタイムアウト監視による異常の局所化
アプリケーション処理時間の長期化やデッドロックにより、Javaアプリケーションのタイムアウトの事象を素早く検知して、待機しているJavaVMにリクエストを振り分けたあと、アプリケーションタイムアウトが発生したJavaVMを再起動することで、部分的な不具合がシステム全体に影響しないよう異常を局所化します。
運用コマンド
IJServerワークユニットを停止せずに、ガーベジコレクションを実施する運用コマンドを提供します。例えば、夜間などの業務量が少ない時間帯に運用コマンドを実行し、事前にガーベジコレクションを実施することで業務量が多い時間帯に備えます。また、アプリケーション安定稼働機能の稼働状況を確認する機能も提供します。
ポイント
アプリケーション安定稼働機能を使用する場合、以下の仕様となります。
システム全体でクッキーは使用できません。
ログアウトやセションタイムアウト時のログイン画面への遷移時にクライアントにセションIDを返却できません。