本製品では、ターゲットデータベースごとに、以下の運用方式を選択することができます。
バックアップ・復旧の要件を元に、各運用の特長やメリット・デメリットを参考にして、運用方式を選択してください。
各運用の特長やメリット・デメリットは、以下のとおりです。
「オンライン系の運用」と「オフライン系の運用」
本製品の機能を使用して実施できる運用は、「オンライン系の運用」と「オフライン系の運用」の2つに分類できます。
オンライン系の運用の特長・メリット・デメリットは、以下のとおりです。
ターゲットデータベースを停止せずにオンラインバックアップを取得します。
ターゲットデータベース破損時はオンラインバックアップした資源とデータベースの更新ログ(オンラインREDOログ、アーカイブログ)を使用して復旧します。
ターゲットデータベースを停止せずにバックアップが取得できます。
複数世代(最大3世代まで)のバックアップが取得できます。
ターゲットデータベース破損時に、復元ポイントを指定しての復旧が可能です。
また、復旧対象のデータベース資源を指定しての復旧が可能です。
リカバリ・カタログ・データベースを使用するため、RMfO管理領域にリカバリ・カタログ・データベースの領域サイズが追加となります。
業務更新量が多い場合、ターゲットデータベースの復旧に時間がかかる場合があります。
オフライン系の運用の特長・メリット・デメリットは、以下のとおりです。
ターゲットデータベースを停止してオフラインバックアップを取得します。
ターゲットデータベース破損時は、オフラインバックアップした資源を使用して復旧します。
ターゲットデータベースの復旧にかかる時間は、オンライン運用方式に比べて少なくなります。
リカバリ・カタログ・データベースを使用しないため、必要となる領域サイズがオンライン運用方式に比べて少なくなります。
バックアップ時、および、復旧時ともに、ターゲットデータベースを停止します。
1世代のみのバックアップ取得となります。
ターゲットデータベース破損時、復元ポイントの指定ができません。
バックアップ時点への復旧のみとなります。
注意
1つのターゲットデータベースに対してオンライン運用方式とオフライン運用方式の両方を使用することもできます。使用できる運用の組合せについては、「5.1 運用の組合せ」を参照してください。
オンライン系の運用
オンライン系の運用を選択する場合、バックアップ時と復旧時に以下のような運用を実行できます。
分類 | 運用方式 | 運用で使用する本製品の機能 |
---|---|---|
オンライン | オンライン全体バックアップ運用 | ・オンラインバックアップ機能 |
オンライン | ・オンラインアーカイブログバックアップ機能 | |
オンライン | オンラインリカバリー運用 | ・オンラインDBチェック機能 |
オンラインリストア運用 | ・オンラインDBチェック機能 |
オンラインバックアップ系の運用について、以下の運用方式から選択してください。
オンライン全体バックアップ運用の特長は、以下のとおりです。
オンラインバックアップ運用方式の基本となる運用方式です。
ターゲットデータベースの全体バックアップを取得します。
バックアップ済みのアーカイブログを削除します。
バックアップ管理世代を超えた古いバックアップセットを自動的に削除します。
注意
表領域単位のバックアップはできません。
オンラインアーカイブログバックアップ運用の特長は、以下のとおりです。
オンライン全体バックアップ運用と併用して実施する運用方式です。
ターゲットデータベースのアーカイブログバックアップを取得します。
バックアップ済みのアーカイブログを削除します。
以下の場合などに運用を検討してください。
定常の運用で、毎回、オンライン全体バックアップ運用を実施する時間が確保できず、バックアップ時間を短くしたい場合
アーカイブログ領域の破損時などで、アーカイブログの損失範囲を極力抑えたい場合
注意
データベースを初めてバックアップする場合や、オンラインバックアップ初期化後にバックアップする場合は、オンライン全体バックアップ運用を実施して、データベースの全体バックアップを取得してください。オンラインアーカイブログバックアップ運用のみでは、データベースの復旧ができません。
オンライン全体バックアップ運用のみ実施する場合に比べて、復旧時に適用するアーカイブログ量が多くなるため、復旧に時間がかかる場合があります。
オンライン系の運用を選択する場合、オンライン復旧系の運用について、以下の運用方式から選択してください。
オンラインリカバリー運用の特長は、以下のとおりです。
ターゲットデータベースの破損状態を確認して、ターゲットデータベースを破損直前に戻せる場合に実施する運用方式です。ターゲットデータベースの破損状態に応じたリカバリー方法を自動的に判断して、ターゲットデータベースを破損直前の状態に復旧します。
オンラインリストア運用の特長は、以下のとおりです。
ターゲットデータベースの破損状態を確認して、ターゲットデータベースを任意の過去の時点までにしか復旧できない場合、または、任意の過去の時点に復旧したい場合に実施する運用方式です。どの時点までデータベースを復旧するかを、バックアップ世代や時刻、ログ順序番号で指定することができます。
参照
オンライン運用方式の詳細については、以下を参照してください。
バックアップ方式 : 「3.3 運用方式設計(オンラインバックアップ)」
復旧方式 : 「3.4 運用方式設計(オンライン復旧)」
オフライン系の運用
オフライン系の運用を選択する場合、バックアップ時と復旧時に以下のような運用を実行できます。
分類 | 運用方式 | 使用する本製品の機能 |
---|---|---|
オフライン | オフラインバックアップ運用 | ・オフラインバックアップ機能 |
オフライン手動バックアップ運用 | ・オフラインバックアップ機能(コピーモード) | |
オフライン | オフラインリストア運用 | ・オフラインDBチェック機能 |
オフライン手動リストア運用 | ・オフラインDBチェック機能 |
オフライン系の運用を選択する場合、オフラインバックアップ系の運用について、以下の運用方式から選択してください。
オフラインバックアップ運用の特長は、以下のとおりです。
オフラインバックアップ運用で通常使用する運用方式です。
この運用では、内部的に、ターゲットデータベースの停止/起動を行います。
また、ASM構成時は、内部的に、ASMディスク・グループのディスマウント/マウントを行います。
オフライン手動バックアップ運用の特長は、以下のとおりです。
バックアップ対象資源のコピーのみ行う運用方式です。
この運用では、内部的に、ターゲットデータベースの停止/起動、および、ASM構成時はASMディスク・グループのディスマウント/マウントは行いません。利用者が手動で行う必要があります。
以下の場合など、ターゲットデータベースがOPEN状態でない場合に使用できます。
Oracle Data Guardのスタンバイ側のデータベースをバックアップしたい場合
オフライン系の運用を選択する場合、オフライン復旧系の運用について、以下の運用方式から選択してください。
オフラインリストア運用の特長は、以下のとおりです。
オフライン復旧運用で通常使用する運用方式です。
この運用では、内部的に、ターゲットデータベースの停止/起動を行います。
また、ASM構成時は、内部的に、ASMディスク・グループのディスマウント/マウントを行います。
オフライン手動リストア運用の特長は、以下のとおりです。
バックアップ対象資源へのコピーのみ行う運用方式です。
この運用では、内部的に、ターゲットデータベースの停止/起動、および、ASM構成時はASMディスク・グループのディスマウント/マウントは行いません。利用者が手動で行う必要があります。
以下の場合など、ターゲットデータベースがOPEN状態でない場合に使用します。
Oracle Data Guardのスタンバイ側のデータベースを復旧したい場合
Flashback Database機能と併用したい場合
参照
オフライン運用方式の詳細については、以下を参照してください。
バックアップ方式 : 「3.5 運用方式設計(オフラインバックアップ)」
復旧方式 : 「3.6 運用方式設計(オフライン復旧)」