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Interstage Application Server/Interstage Web Server Express Java EE運用ガイド(Java EE 6編)
FUJITSU Software

2.6.1 Servlet

ここでは、WebコンテナでServletを実行する際に、考慮すべきことを簡単に説明します。

Servletを利用したアプリケーションの作り方や詳しい説明については、Servletの仕様を参照してください。

2.6.1.1 HTTPセッション

HTTPセッションとは、同一のWebブラウザからの複数回のリクエストを、同一のWebブラウザからのアクセスとして処理するための機能です。この機能を利用することで、サーブレットで前回の処理結果を引き継ぐことができ、継続的な処理が可能となります。

アプリケーションでセッションタイムアウトを指定しない場合、セッションは30分でタイムアウトします。

Servlet 3.0では、HTTPセッションに関して、web.xmlやServlet APIで設定可能な項目が増えました。セキュリティ強化のために、セッションCookieにHttpOnly属性を付与すること、トラッキングモードを指定することをお勧めします。詳細は、「5.1 Java EE 6に関するセキュリティ対策」の以下を参照してください。

注意

  • Servlet 3.0では、セッションCookie名を「JSESSIONID」から変更することができるようになりました。Webサーバ連携する場合は、セッションCookie名を「JSESSIONID」から変更しないようにしてください。また、SSLアクセラレータ、負荷分散装置と連携する場合は、振り分け制御に使用するセッションCookie名に注意するようにしてください。

  • その他のセッションに関する注意事項は、「1.3.2 Webアプリケーションの注意事項」の以下も参照してください。

    • セッション使用時の注意

2.6.1.2 エラーページ

エラーページとは、何らかのエラーが発生した場合にクライアントに返されるコンテンツです。ブラウザに表示されるエラーページは、以下の3種類です。

上記のうちカスタマイズ可能なエラーページは、WebサーバのエラーページとWebアプリケーションのエラーページです。設定方法については、以下を参照してください。

次に各エラーページが使用される契機について説明します。

Webサーバのエラーページ

以下の場合にエラーページが使用されます。

  • 要求されたリクエストURLに誤りがある場合

  • Webサーバコネクタが、Webコンテナに対する通信で、送受信タイムアウトを検知した場合や、Webコンテナのダウンを検知した場合

  • Webサーバコネクタでエラーが発生した場合

リクエストがWebコンテナで処理された場合は、このエラーページは表示されません。

Webコンテナのデフォルトエラーページ

以下の場合にエラーページが使用されます。

  • WebアプリケーションでExceptionやErrorが発生する、またはjavax.servlet.http.HttpServletResponse#sendError(int)メソッドを実行し、かつ対応するエラーページが設定されていない場合

  • リクエストに不備があり、Webアプリケーションでの処理が開始される前にWebコンテナがクライアントにレスポンスを送信する場合

  • Webアプリケーションに不備があり、Webアプリケーションの初期化や実行に失敗した場合

詳細は、Servletの仕様を参照してください。

Webアプリケーションのエラーページ

以下の場合にエラーページが使用されます。

  • WebアプリケーションでExceptionやErrorが発生する、またはjavax.servlet.http.HttpServletResponse#sendError(int)メソッドを実行し、かつ対応するエラーページが設定されている場合

詳細は、Servletの仕様を参照してください。

注意

エラーページに関する注意事項については、「1.3.2 Webアプリケーションの注意事項」の以下を参照してください。

  • ErrorやExceptionについて

  • エラーページについて

2.6.1.3 welcome file

welcome fileとは、リクエストされたURIがファイル名でない場合に表示するファイルのことです。welcome fileがない場合は、Webコンテナはステータスコード404(Not Found)を返却します。

Java EE 6のWebコンテナは、デフォルトで以下の3種類のwelcome fileが設定されており、上から順番に適用されます。

welcome fileは、web.xmlで変更することができます。詳細は、Servlet/JSPの仕様を参照してください。

注意

welcome fileをweb.xmlでカスタマイズする際、引き続き上記3つのファイルをwelcome fileとして利用する場合は、web.xmlで明に上記ファイルを指定してください。

2.6.1.4 ファイルアップロード機能

Servlet 3.0で、ファイルアップロード機能が追加されました。ここでは、ファイルアップロード機能を使用する上での注意事項を記載します。

注意

  • 送信するファイルのサイズのバイト数の上限は、max-post-size-bytesプロパティでは有効になりません。サーブレットの@MultipartConfigアノテーションでmaxFileSizeを指定、またはweb.xmlで<servlet> - <multipart-config> - <max-file-size>を指定してください。

  • @MultipartConfigアノテーションのfileSizeThresholdや、web.xmlの<servlet> - <multipart-config> - <file-size-threshold>で指定した値よりもサイズが大きいファイルのアップロードが行われる場合、locationに指定した場所に一時ファイルが作成されます。

  • ファイルのアップロード中にブラウザを閉じるなどしてファイルのアップロードを中断した場合、一時ファイルが残存する場合があります。このファイルは後に自動的に削除されますが、自動的に削除される前にプロセスが停止した場合には、ファイルが削除されず残存します。この場合は、手動で以下の一時ファイルを削除するようにしてください。

    • プレフィックス「upload」、拡張子「.tmp」のファイル