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Interstage Application Server ディレクトリサービス運用ガイド
FUJITSU Software

10.8.3 アクセスログの見方

アクセスログのフォーマットと解析方法を以下に示します。

  

出力形式

フォーマット

アクセスログのフォーマットを以下に示します。

MM/DD  hh:mm:ss.nnnnnn  THREAD  CONN  OP  FD  REQ/RES  EVENT  DETAIL

  

フォーマット詳細

アクセスログのフォーマット詳細を以下の表に示します。

  

MM/DD
hh:mm:ss.nnnnnn

アクセスログを出力した日付、時間を示します。
  MM:月
  DD:日
  hh :時間(24時間制)
  mm :分
  ss :秒
  nnnnnn:マイクロ秒

THREAD

Interstage ディレクトリサービスがLDAP要求を受け付けたスレッドID(16進数)を示します(保守用)。

CONN

Interstage ディレクトリサービスがコネクションを受け付けた管理番号(コネクションID)を示します(保守用)。

OP

Interstage ディレクトリサービスが、1コネクション内でLDAP要求を受け付けた管理番号(オペレーションID)を示します(保守用)。

FD

接続socketのファイルディスクリプタ(fd)を示します。

REQ/RES

LDAP要求かLDAP応答かを示します。
  --->:各種クライアントからInterstage ディレクトリサービスへのLDAP要求
  <---:Interstage ディレクトリサービスから各種クライアントへのLDAP応答

EVENT

Interstage ディレクトリサービスに対するLDAP要求やLDAP要求に対する結果などの情報を示します。詳細については、別表を参照してください。

DETAIL

EVENTに対応した詳細情報を示します。詳細については、別表を参照してください。

  

アクセスログのEVENTおよびDETAILの詳細

アクセスログのEVENTおよびDETAILの詳細を以下の表に示します。

  

EVENT

DETAIL

意味

CONNECT

IPアドレス:ポート番号(ホスト名)

クライアントからの接続要求

CONNECTION
REJECTED

IPアドレス:ポート番号(ホスト名)

サーバからのエラー応答(接続失敗)

DISCONNECT

IPアドレス:ポート番号(ホスト名)

サーバからの正常応答(切断成功)

TIMEOUT

IPアドレス:ポート番号(ホスト名)

サーバからのエラー応答(タイムアウト)

BIND

バインド DN、
プロトコルバージョン

クライアントからの認証要求

  • バインド DN
      Interstage ディレクトリサービスへの接続に使用するバインド DNです。
      

  • プロトコルバージョン
      Interstage ディレクトリサービスへの接続に使用するLDAPのプロトコルバージョンです。

SEARCH

サーチベース、
サーチスコープ、
別名参照ルール、
サイズリミット、
タイムリミット、
属性取得方法、
検索フィルタ

クライアントからの検索要求

  • サーチベース
      検索開始位置のエントリです。「?」の場合はサーチベースが指定されていないことを示します。
      

  • サーチスコープ
      0:サーチベースで指定されたエントリを検索します。
      1:サーチベースで指定されたエントリの1階層下のエントリを検索します。
      2:サーチベースで指定されたエントリと、その配下の全エントリの中から検索します。
      

  • 別名参照ルール
      0:別名を参照しません。
      1:検索時だけ別名を参照します。
      2:サーチベースを探す時だけ別名を参照します。
      3:別名を参照します。
      

  • サイズリミット
      検索するエントリの最大数です。
      

  • タイムリミット
      検索のタイムアウト時間です。
      

  • 属性取得方法
      0:属性名と属性値を検索する。
      0以外:属性名を検索する。
      

  • 検索フィルタ
      検索フィルタです。「empty」の場合は検索フィルタが指定されていないことを示します。
      「*」、「\」、「(」、「)」、またはマルチバイト文字は、「\」でエスケープされたUTF-8のコードを出力します。

COMPARE

比較対象DN

クライアントからの比較要求

MODIFY

更新DN

クライアントからの更新要求

MODRDN

更新DN、
新RDN、
旧DN削除フラグ

クライアントからの識別名変更要求

  • 更新DN
      更新前のDN(旧DN)です。
      

  • 新RDN
      新しいRDNです。
      

  • 旧DN削除フラグ
      0:旧DNを削除しません。
      0以外:旧DNを削除します。

ADD

追加DN

クライアントからの追加要求

DELETE

削除DN

クライアントからの削除要求

BIND OK

なし

サーバからの正常応答(認証成功)

COMPARE OK

なし

サーバからの正常応答(比較成功)

MODIFY OK

なし

サーバからの正常応答(変更成功)

MODRDN OK

なし

サーバからの正常応答(識別名変更成功)

ADD OK

なし

サーバからの正常応答(追加成功)

DELETE OK

なし

サーバからの正常応答(削除成功)

BIND NG

エラーコード

サーバからのエラー応答(認証失敗)

COMPARE NG

エラーコード

サーバからのエラー応答(比較失敗)

MODIFY NG

エラーコード

サーバからのエラー応答(変更失敗)

MODRDN NG

エラーコード

サーバからのエラー応答(識別名変更失敗)

ADD NG

エラーコード

サーバからのエラー応答(追加失敗)

DELETE NG

エラーコード

サーバからのエラー応答(削除失敗)

SEARCH OK

見つかったエントリ数

サーバからの正常応答(検索成功)

SEARCH NG

エラーコード

サーバからのエラー応答(検索失敗)

SEARCH ENT

検索結果のエントリDN

サーバからの検索結果応答

UNBIND

なし

クライアントからの解放要求

  

DETAILのエラーコードには、LDAPエラーコードが出力されます。LDAPエラーコードの詳細については、“メッセージ集”の“LDAPエラーコード”を参照してください。

  

アクセスログの解析方法

以下のアクセスログを例に解析方法を説明します。

08/01 13:40:22.436320    0020    0    0    6    --->    CONNECT IP=127.0.0.1:40199(localhost)  ・・・  (1)
08/01 13:40:22.440007    0004    0    0    6    --->    BIND    "cn=manager,ou=interstage,o=fujitsu,dc=com" 3  ・・・  (2)
08/01 13:40:22.443245    0005    0    1    6    --->    ADD     "ou=interstage,o=fujitsu,dc=com"  ・・・  (3)
08/01 13:40:37.837376    0006    0    2    6    --->    ADD     "cn=ssoUser1,o=Fujitsu,c=jp"  ・・・  (4)
08/01 13:40:37.838490    0007    0    2    6    <---    ADD     NG    53  ・・・  (5)
08/01 13:41:22.493324    0008    0    3    6    --->    UNBIND  ・・・  (6)
(1)1行目

8/1の13:40:22.436320に処理されたLDAP要求です。
Interstage ディレクトリサービスが、IPアドレス「127.0.0.1(localhost)」のポート番号「40199」のアプリケーションからの接続要求(CONNECT)を受け付けたことを示しています。

(2)2行目

8/1の13:40:22.440007に処理されたLDAP要求です。
認証要求(BIND)を受け付けたことを示しています。CONN(コネクションID)の値が (1)と同じ「0」なので、(1)と同じアプリケーションからのLDAP要求であることがわかります。

(3)3行目

8/1の13:40:22.443245に処理されたLDAP要求です。
エントリツリー「ou=interstage,o=fujitsu,dc=com」に対する追加要求(ADD)を受け付けました。

(4)4行目

8/1の13:40:37.837376に処理されたLDAP要求です。
エントリツリー「cn=ssoUser1,o=Fujitsu,c=jp」に対する追加要求(ADD)を受け付けました。

(5)5行目

8/1の13:40:37.838490に処理されたLDAP要求です。
追加要求(ADD)に失敗(NG)し、エラーコード「53」で応答を返しました。エラーコード「53」はLDAPのエラーコードです(エラーコードの意味は、“メッセージ集”の“LDAPエラーコード”を参照してください)。
CONN(コネクションID)が「0」、OP(オペレーションID)が「2」の応答ですので、同じCONN、OPを持つLDAP要求をアクセスログより調べると(4)のLDAP要求に対する応答であることがわかります。

(6)6行目

8/1の13:41:22.493324に処理されたLDAP要求です。
解放要求(UNBIND)を受け付けました。