ページの先頭行へ戻る
Interstage Big DataComplex Event Processing Server V1.1.0 開発リファレンス
FUJITSU Software

3.3.2 HTTPアダプター

HTTPアダプターの通信方式について説明します。

3.3.2.1 エンドポイント

HTTPアダプターは、CEPサービスのWebサーバ機能を使用してイベントデータを受信します。


エンドポイントのアドレス(URL)は以下のとおりです。

http://CEPサーバのホスト名/CEPエンジン名FrontServerService/HttpReceiver

CEPサーバのホスト名が“bdcep”、CEPエンジン名が“CepEngine1”の場合の例です。

http://bdcep/CepEngine1FrontServerService/HttpReceiver

3.3.2.2 送信メッセージ

HTTPリクエストでCEPサーバにイベントデータを送信します。

HTTPリクエスト

イベントデータを通知するCEPエンジンを指定します。

POST パス HTTP/バージョン
パス

エンドポイントアドレスのパス部

バージョン

HTTPプロトコルバージョン

ポイント

BDCEPがサポートしているHTTPプロトコルバージョンは、“1.0”および“1.1”です。

CEPエンジン名が“CepEngine1”の場合:

POST /CepEngine1FrontServerService/HttpReceiver HTTP/1.1
リクエストヘッダー

イベントデータの各情報を以下のとおり指定します。

送信情報

指定方法

指定例

イベントデータ形式

TYPEヘッダーに指定します。

イベントデータがCSV形式の場合:

TYPE: CSV

イベントタイプID

EVENT-TYPE-IDヘッダーに指定します。

イベントタイプ(イベントタイプ定義の開発資産ID)がEVENTTYPE_01の場合:

EVENT-TYPE-ID: EVENTTYPE_01

文字セット

Content-Typeヘッダーに指定します。

(UTF-8の場合は省略可)

イベントデータの文字エンコーディングがシフトJIS、かつCSV形式の場合:

Content-Type: text/plain; charset=Shift_JIS

イベントデータの文字エンコーディングが日本語EUC、かつXML形式の場合:

Content-Type: text/xml; charset=EUC-JP

注意

文字セットを指定しない場合、文字コード変換は行いません。そのため、送信するイベントデータの文字エンコーディングがUTF-8以外の場合、高速フィルターおよび複合イベント処理では入力イベントをUTF-8と解釈して動作します。

メッセージボディ

イベントデータ本体を指定します。

次の場合の送信メッセージを以下に示します。

  • CEPサーバのホスト名:bdcep

  • CEPエンジン名:CepEngine1

  • イベントデータ形式:CSV形式

  • イベントタイプID:EVENTTYPE_01

  • 文字セット:シフトJIS

    POST /CepEngine1FrontServerService/SoapReceiverService HTTP/1.1
    Host: bdcep
    TYPE: CSV
    EVENT-TYPE-ID: EVENTTYPE_01
    Content-Type: text/plain; charset=Shift_JIS
    Content-Length: nnnn

    MEM0001,1010,1

3.3.2.3 応答メッセージ

HTTPリクエストを送信後、CEPサーバから通知される応答メッセージを受信します。

HTTPレスポンスおよびメッセージボディに通知される情報は以下のとおりです。

HTTPレスポンス

HTTPの応答メッセージが通知されます。

HTTP/バージョン ステータスコード 補足メッセージ
バージョン

HTTPプロトコルバージョン

ステータスコード

HTTPリクエストの結果

補足メッセージ

ステータスコードに応じた補足メッセージ

イベントデータの送信が正常終了した場合:

HTTP/1.1 200 OK 
メッセージボディ

HTTPアダプターの処理結果を示すメッセージが通知されます。

イベントデータの送信が正常終了した場合:

Code=0 Message=Message sending is completed normally. 

ポイント

異常時にはシステムログおよびエンジンログにメッセージを出力します。異常時のエラー処理については、「3.4 エラー処理」を参照してください。

処理結果に応じた各種メッセージは以下のとおりです。

処理結果

メッセージ(*1)

正常終了

200 OK

Code=0 Message=Sending message completed normally.

なし

CEPサーバ未起動

200 OK

Code=-1000 Message=Server is not Running.

cep10300w: FrontServer is not running. Event is aborted. EngineId=CEPエンジン名

フォーマット異常

イベントデータ形式が存在しない

400 Bad Request

Code=-100 Message=Event type format is not defined.

cep10306e: Event Type Format is not defined. EngineId=CEPエンジン名

フォーマット異常

イベントタイプIDが存在しない

400 Bad Request

Code=-300 Message=Event type id is not defined.

cep10305e: Event Type ID is not defined. EngineId=CEPエンジン名

フォーマット異常

イベントデータ形式にCSVまたはXML以外が指定されている

400 Bad Request

Code=-400 Message=Unknown event format [イベント形式].

cep10114e: Unknown Event format. EngineId=CEPエンジン名, format=イベント形式

フォーマット異常

イベントデータサイズが32,000,000バイトを超過

400 Bad Request

Code=-900 Message=Bad Event data size [イベントデータサイズ].

cep10310e: Event Data Size is over. EngineId=CEPエンジン名, Size=イベントデータサイズ

設定内容の不一致

不明なイベントタイプID

400 Bad Request

Code=-500 Message=Unknown event type id [イベントタイプ].

cep10108e: Event type is not found. EngineId=CEPエンジン名, eventType=イベントタイプ

設定内容の不一致

イベントデータ形式が配備されているイベントタイプ定義と異なる

400 Bad Request

Code=-700 Message=It differs from the registered format [イベント形式].

cep10116e: It differs from the registered format. EngineId=CEPエンジン名, format=イベント形式

フォーマット異常

不明な文字セット

415 Unsupported Media Type

Code=-600 Message=Charset is Abnormal [文字セット名称].

cep10304e: Charset Name is abnormal. EngineId=CEPエンジン名,CharsetName=文字セット名称

処理結果異常

ログ出力処理が失敗

500 Internal Server Error

Code=-200 Message=Logging failed.

cep10401e: The Log was not able to be output. EngineId=CEPエンジン, EVENT=受信イベント, ERRORINFO=内部情報

注:受信イベント中の改行はに変換されて出力されます。システムログに出力可能な長さを超えるイベントの場合、システムログにはイベントの途中まで出力されます。

ビジー状態

CEPサーバが一時的または恒久的に過負荷状態

503 Service Unavailable

Code=-800 Message=Server is busy now.

cep10301w: FrontServer is busy. Event is aborted. EngineId=CEPエンジン名

または、

cep10302e: FrontServer is continuously busy. Event is aborted. EngineId=CEPエンジン名

(*1) 各段に記載している内容は以下のとおりです。

上段:HTTPステータスコード+補足メッセージ

中段:HTTPレスポンスのメッセージボディ(可変情報は斜体で示しています)

下段:システムログおよびエンジンログの出力メッセージ(可変情報は斜体で示しています)

3.3.2.4 留意点

HTTPアダプターを使用する上での留意点について説明します。

同時接続数について

HTTPアダプターに対して複数のイベント送信アプリケーションから同時に接続する場合、HTTPアダプターの最大同時接続数に達する場合があります。この場合、それ以降に接続するイベント送信アプリケーションからの接続要求が一時的に保留状態になります。

HTTPアダプターで受け付けたイベントデータが処理されしだい保留状態の接続要求に応答するため、イベント送信アプリケーションでは対処の必要はありません。

参考

HTTPアダプターの最大同時接続数は50です。

なお、HTTPアダプターとSOAPアダプターはCEPサービスのWebサーバ機能を共用しているため、実際はSOAPアダプターに対する接続を合わせた接続数となります。

通信プロトコルについて

HTTPアダプターの通信プロトコルでは、HTTPS(HTTP over SSL/TLS)はサポートされません。