CEPエンジンに対してイベントを送信する方式について検討します。
ここでは、入力イベントの通信方式と、通信方式に合わせてイベントを送信するアプリケーションの検討が必要です。
入力イベントの通信方式
入力イベントの特性に合わせて、CEPエンジンがイベントを受信する時の通信方式について検討します。
イベントの発生元となる既存のシステムが、イベントの送信機能を備えているなら、既存システムが利用可能な通信方式について確認します。
BDCEPでは、以下の3種類の通信方法が選択できます。
SOAP
HTTP
Socket
通信方法は、イベント送信元となるシステムまたは端末の特性や、求められる処理性能に合わせて選択します。それぞれの通信方法の特長は以下の通りです。
通信方法 | 特徴 |
---|---|
SOAP | 汎用的な通信プロトコルです。XML、またはCSV形式のイベントデータを、SOAPのメッセージでCEPエンジンに送信します。WSDLでインターフェースを定義でき、既存のWebサービス開発ツールを利用したイベント送信アプリケーション開発が可能です。 |
HTTP | 汎用的な通信プロトコルです。XML、またはCSV形式のイベントデータを、HTTPで接続したCEPエンジンにそのまま送信します。余計なヘッダー情報が無い分、SOAPよりも通信量が減らすことが可能で、より大量のイベント送信に向いているほか、RESTでの通信に対応した端末からもイベント送信が可能です。 |
Socket | TCP/IPのソケット通信上で行う、BDCEP独自の通信プロトコルです。XMLまたはCSV形式のイベントデータを、一度に複数送信できます。HTTPのヘッダーすら無い分、HTTPよりも通信量を減らすことが可能で、最も大量のイベント送信に向いています。 |
イベント送信アプリケーション
CEPサーバにイベントを送信するシステムあるいはアプリケーションについて検討します。
イベント送信アプリケーションには、本番運用時にイベントを送信するシステムと、ルールのテスト時に任意のタイミングでイベントを送信するものの、2種類が考えられます。後者のテスト用のイベント送信について、少量のイベントデータの場合はBDCEP付属サンプルの「5.11.6 イベント送信サンプルプログラム」の利用を検討します。
イベント発生元のシステムが、BDCEPがサポートする通信方式によるイベント送信が可能なら、その機能を利用してCEPエンジンはイベントを受信できないか確認します。
イベントの発生元が、イベントの送信機能を持たない場合、あるいは、BDCEPの入力アダプターの通信方式に対応していない場合、CEPサーバにイベントを送信するアプリケーション(イベント送信アプリケーション)の開発を検討します。
イベント送信アプリケーションは、イベント送信元となるサーバ、端末の仕様にあわせた設計、開発が必要です。各通信方式の詳細な仕様や、イベント送信アプリケーションのサンプルについては、「開発リファレンス」の「第3章 入力アダプター機能リファレンス」を参照してください。