証跡ログ(テキストファイル)は、CSV形式です。1行が1つのレコードとなっており、1つのイベントを表します。1つのレコードには次の情報が含まれ、1行で出力されます。
<イベント発生日時>,FNA Server,0,<FNA Server名>,<ログシーケンス番号>, <イベント種別>,<端末識別情報>,<接続情報名>,<PLU名>, [<理由>,] [<FNAシーケンス番号>,<分割識別>,<ユーザデータ長>, <ユーザデータ(文字ダンプ)>, <ユーザデータ(16進数ダンプ)>]
イベントの発生日時を表します。
FNA Serverの設定ユーティリティで設定したFNA Server名が出力されます。FNA Server名を設定していない場合は、Windowsで設定したコンピュータ名が出力されます。
▲ 注 意
FNA Server名は、証跡ログファイル作成時に記録されます。このため、同一証跡ログファイル内のレコードは、FNA Server名がすべて同じになります。証跡ログの記録中にFNA Server名を変更した場合、変更後のFNA Server名は、新しい証跡ログファイルの作成時から記録されます。
ログを識別する番号が次の形式で出力されます。
nnnnnnnn.mmmm
nnnnnnnn : 16進数8桁の数値。出力元を表します。
mmmm: 16進数4桁の数値。出力元で一意のシーケンス番号を表します。
次に示すイベントの種別が出力されます。
種別 | 意味 |
---|---|
ホストコンピュータへSSCP-LUデータを送信した。 | |
ホストコンピュータからSSCP-LUデータを受信した。 | |
ホストコンピュータとLU-LUセションを確立した(BIND +RSP送信)。 | |
ホストコンピュータとのLU-LUセションの確立に失敗した(BIND -RSP送信)。 | |
ホストコンピュータとのLU-LUセションが解放された(UNBIND受信)。 |
種別 | 意味 |
---|---|
端末がFNA Serverと接続した。 | |
端末からの接続を拒否した。 | |
端末との切断。 | |
ホストコンピュータへのLU-LUデータ送信。 |
端末を識別する情報が出力されます。なお、イベント種別が「証跡ログ機能ログ」の場合は"*"が出力されます。
FNAonTCP/IP接続の場合
TI;<端末IPアドレス>;<端末側ポート番号>;<端末ホスト名>;<PU番号>
端末IPアドレス: 端末のIPアドレス(実際のIPアドレス)
端末側ポート番号: 端末側のポート番号
端末ホスト名: XIDに格納されているホスト名
PU番号: XIDに格納されているPU番号
TN接続の場合
TN;<端末IPアドレス>;<端末側ポート番号>;<LU名>
端末IPアドレス: 端末のIPアドレス[リモート端末のIPアドレス] *1
端末側ポート番号: 端末側のポート番号
LU名: 端末側で設定したLU名
*1:リモート端末のIPアドレスを識別する機能が有効になった場合、かつ、リモート端末のIPアドレスが正しく取得された場合、[リモート端末のIPアドレス]が出力されます。
通信制御サービスのセットアップユーティリティ(CsConfig)のFNA情報で設定した名前が表示されます。接続情報名は、接続先ホストコンピュータのPU、LUを表します。
なお、ホストコンピュータとの接続前や端末切断時(TDisconn)は"-"が、イベント種別が「証跡ログ機能ログ」の場合は"*"が出力されます。
参 考
証跡ログにおいて、ホストコンピュータのPU、LUを特定する情報は、接続情報名のみです。このため、証跡ログを参照する場合、PU、LUを容易に特定できるよう、接続情報名を工夫(接続情報名をVTAMの論理ユニット名と同一にするなど)することを推奨します。
BINDコマンドで受信したホストコンピュータのPLU名が表示されます。PLU名は、VTAMにおけるAPPL定義文の名札に該当し、ホストコンピュータのアプリケーションを表します。PLU名受信前や端末切断時(TDisconn)は"-"が、イベント種別が「証跡ログ機能ログ」の場合は"*"が出力されます。
イベント種別がTReject または TDisconnの場合に、それぞれのイベントの発生理由が表示されます。その他のイベント種別の場合は、本情報は表示されません。
種別 | 意味 | ||
---|---|---|---|
TReject | 拒否理由 | License over | クライアントライセンス不足 |
Unknown terminal | 未定義端末 | ||
Invalid XID | XID不正 | ||
Negotiation failed | ネゴシエーション失敗 | ||
Invalid data | 不正データ受信 | ||
Device over | デバイス数オーバ | ||
Unknown server | 接続を許可しないサーバ | ||
TDisconn | 切断理由 | Terminal | 端末からの切断 |
Server | FNA Serverからの切断 |
FNAプロトコルのシーケンス番号が4桁16進数で表示されます。本情報以降の情報(FNAシーケンス番号、分割識別、ユーザデータ長、ユーザデータ(文字ダンプ)、ユーザデータ(16進数ダンプ))は、イベント種別がHLogon、HMessage、HSendの場合に表示されます。
チェイン分割の状態が表示されます。
表示 | 意味 |
---|---|
O | チェイン分割なし |
F | チェイン分割の先頭 |
M | チェイン分割の中間 |
L | チェイン分割の最後 |
実際に送受信されたデータの長さが表示されます。
ユーザデータの内容をEBCDICカナ有りコードとして文字表示します。なお、JEFコードには対応していません。また、ダブルクォーテーション(")や文字として表示できないコードの場合は、ドット(.)が表示されます。
ユーザデータの内容を16進数8桁単位で表示します。