プライマリノードまたはセカンダリノードで、以下のサーバ環境を変更した場合の設定手順を説明します。
IPアドレスを変更する(論理IPアドレス、物理IPアドレス)
ホスト名を変更する(論理ホスト名、物理ホスト名)
別コンピュータへ移設する(ホスト名、IPアドレスの変更)
IPアドレスやホスト名を変更する場合は、クラスタ環境を一度削除してから、再構築する必要があります。
部門管理サーバがクラスタ環境の場合は、部門管理サーバ(待機系)のノードを再起動してください。
ポイント
運用管理サーバ以外の種別も同時に変更する場合は、上位サーバから順にIPアドレス、ホスト名の変更手順を実施してください。
変更手順については、“Systemwalker Centric Manager 導入手引書”を参照してください。
業務サーバのIPアドレス、ホスト名を変更する
プライマリノード、およびセカンダリノードで、それぞれのIPアドレス/ホスト名を変更します。変更方法は、通常のシングル環境の場合と同じ手順です。変更方法については、“Systemwalker Centric Manager 導入手引書”を参照してください。
注意
PRIMECLUSTERを使用する場合の注意事項
ホスト名、IPアドレスを変更した場合は、PRIMECLUSTER側の作業も必要です。PRIMECLUSTERのマニュアルを参照して、必要な設定を実施してください。
通信用IPアドレスの変更(物理ノード変更時)
UNIX版を使用し、クラスタ管理画面と同一IPアドレスでの通信ができない時(通信状態の確認は、下記の“通信状態の確認方法”を参照)、または複数インタフェースを持つシステムを運用管理サーバ上で、1つのIPアドレスしか持たないシステムとして見せる時は、以下の設定を実施してください。
プライマリノード、およびセカンダリノードで、以下のコマンドを実行し、それぞれのノードの物理IPアドレスをSystemwalker Centric Managerに定義します。opasetip(通信用IPアドレス定義コマンド)の詳細については、“Systemwalker Centric Manager リファレンスマニュアル”を参照してください。
/opt/systemwalker/bin/opasetip -n 送信先ホスト名 -i 物理IPアドレス(IPv4) -i6 物理IPアドレス(IPv6) |
通信状態の確認方法【PRIMECLUSTER】
運用管理サーバからPRIMECLUSTERへの通信の状態を、以下の手順により確認できます。
クラスタシステム上で、以下のコマンドを実行し、インタフェース名を獲得します。
/etc/opt/FJSVwvbs/etc/bin/wvGetparam acsif |
※インタフェース名は、コマンド結果の“sys:acsif XXXX”の“XXXX”です。
クラスタシステム上で、以下のコマンドを実行し、IPアドレスを獲得します。
/usr/sbin/ifconfig インタフェース名 |
/usr/sbin/ifconfig インタフェース名 inet6 |
/sbin/ifconfig インタフェース名 |
※ IPアドレスは下記になります。
IPv4アドレス:
コマンド結果の“inet XXX.XXX.XXX.XXX”の“XXX.XXX.XXX.XXX”です。
IPv6アドレス:
コマンド結果の“inet6 XXXX:XXXX:XXXX:XXXX:XXXX:XXXX:XXXX:XXXX”の“XXXX:XXXX:XXXX:XXXX:XXXX:XXXX:XXXX:XXXX”です。
※ IPv6アドレスでは、同じインタフェース名に複数のIPアドレスが割り振られる場合があります。また、引き継ぎIPアドレスが表示される場合があります。
この場合、引き継ぎIPアドレスを除く、グローバルユニキャストアドレス、ユニークローカルユニキャストアドレスのうち、一番最初に見つかったIPアドレスが、通信用IPアドレスです。
※ 条件に当てはまるIPアドレスが無い場合は、通信用IPアドレスは自動設定されていません。
クラスタシステム上で、以下のコマンドを実行し、引き継ぎIPアドレス(IPv6アドレス)を確認します。
/opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig print |
※[IPv6]行の後に表示される以下の行の“Hostname/prefix”の下に表示されるIPアドレスが、引き継ぎIPアドレス(IPv6アドレス)です。
Name Hostname/prefix Mode Interface List
運用管理サーバ上で、以下のコマンドを実行します。
ping XXX.XXX.XXX.XXX |
ping XXXX:XXXX:XXXX:XXXX:XXXX:XXXX:XXXX:XXXX |
ping6 XXXX:XXXX:XXXX:XXXX:XXXX:XXXX:XXXX:XXXX |
上記操作例
クラスタシステム上で、インタフェース名とIPアドレスを獲得し、運用管理サーバからクラスタシステムへの通信の状態を確認する例を示します。
下記の場合の例です。
IPv4アドレス | IPv6アドレス | |
---|---|---|
自動設定されている通信用IPアドレス | 123.123.123.1 | 1000:1000::1 |
引き継ぎIPアドレス | 123.123.123.100 | 1000:1000::100 |
クラスタシステム上で、以下のコマンドを実行し、インタフェース名を獲得します。
# /etc/opt/FJSVwvbs/etc/bin/wvGetparam acsif sys:acsif hme1
クラスタシステム上で、以下のコマンドを実行し、IPアドレスを獲得します。
【Solarisの場合】
# /usr/sbin/ifconfig hme1 hme1: flags=1000863<UP,BROADCAST,NOTRAILERS,RUNNING,MULTICAST,IPv4> mtu 1500 index 1 inet 123.123.123.1 netmask ffffff00 broadcast 123.123.123.255 ether 1:1:1:1:1:1 # /usr/sbin/ifconfig hme1 inet6 hme1: flags=2000861<UP,NOTRAILERS,RUNNING,MULTICAST,IPv6> mtu 1500 index 4 inet6 1000:1000::1/64
【Linuxの場合】
# /sbin/ifconfig hme1 hme1: Link encap:Ethernet HWaddr 11:11:11:11:11:11 inet addr:123.123.123.1 Bcast:123.123.123.255 Mask:255.255.255.0 inet6 addr: 1000:1000::100/64 Scope:Global inet6 addr: 1000:1000::1/64 Scope:Global inet6 addr: fe80::250:1:1:1/64 Scope:Link UP BROADCAST RUNNING MULTICAST MTU:1500 Metric:1 RX pcakets:728146 errors:0 dropped:0 overruns:0 frame:0 TX pcakets:45232 errors:0 dropped:0 overruns:0 frame:0 collisions:0 txqueulen:1000 RX bytes:44820594 (42.7 MiB) TX bytes:17565658(16.7 MiB) Interrupt:11 Base address:0x1400
クラスタシステム上で、以下のコマンドを実行し、引き継ぎIPアドレス(IPv6アドレス)を確認します。
# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig print [IPv4,Patrol / Virtual NIC] Name Hostname Mode Physical ipaddr Interface List +-----------+---------------+----+-----------------+---------------------------+ sha0 123.123.123.100 d 123.123.123.1 hme0,hme1 sha1 - p - sha0 sha2 hostC d hostC1 hme2,hme3 sha3 - p - sha2 sha4 v hme4,hme5 [IPv6] Name Hostname/prefix Mode Interface List +-----------+---------------------------------+----+---------------------------+ sha0 1000:1000::100/64 d hme0,hme1
運用管理サーバ上で、以下のコマンドを実行します。
# ping 123.123.123.1 # ping 1000:1000::1
# ping 123.123.123.1 # ping6 1000:1000::1
資源配付の設定の変更(論理ノード変更時)
資源配付をクラスタサービス運用しているときに、論理ノードを変更した場合は、以下の設定を実施します。
ポイント
資源配付をクラスタサービス以外で運用している場合は、本設定は必要ありません。
資源配付のクラスタ設定を解除します。
解除方法については、“資源配付の設定の解除”を参照してください。
資源配付を再設定します。
新しい論理ノードに対して、資源配付の設定をします。設定方法については、“資源配付機能をクラスタサービスとして使用する場合”を参照してください。
システム定義の登録内容を変更します。
すべての上位サーバで、以下のコマンドを実行し、システム定義の登録内容を変更します。コマンドの詳細は、“Systemwalker Centric Manager リファレンスマニュアル”を参照してください。
/opt/systemwalker/bin/drmsdfy -a sys -k serv -s システム名 -n [論理IPアドレス|論理ホスト名] -m [新しいシステム名] |
[システム名]
資源配付で定義しているシステム名を指定します。
[論理IPアドレス|論理ホスト名]
DRMS編集ファイルのnametypeオプションの値が“IP”の場合は、論理IPアドレスを、“HOST”の場合は、論理ホスト名を指定します。
DRMS編集ファイルについては、“Systemwalker Centric Manager リファレンスマニュアル”を参照してください
論理ホスト名に対し、IPv4/IPv6両方のアドレスが設定されている場合は、swsetuseip(IPバージョン設定/表示コマンド)で表示されるアドレスファミリと同じアドレスファミリのアドレスを指定してください。
swsetuseip(IPバージョン設定/表示コマンド)の詳細については、“Systemwalker Centric Manager リファレンスマニュアル”を参照してください。
[新しいシステム名]
システム名を変更する場合に、新しいシステム名を指定します。
ポイント
ここでは、配付経路にある上位サーバすべてで、上記コマンドを実行します。
例:
3階層(運用管理サーバ-部門管理サーバ-業務サーバ)では、運用管理サーバと部門管理サーバで、上記コマンドを実行します。