クラスタシステムの目的と運用形態について説明します。
クラスタシステムの目的
クラスタシステムとは、サーバおよびサーバ上で稼働する業務の高可用性を目的として、複数のサーバを接続して構築する高信頼なシステム構成のことです。
運用中の障害に備え、冗長なノードを用意しておくことで、障害発生時に業務を引き継ぎます(以降、この遷移動作をフェールオーバと呼びます)。これにより、ノードダウンなどによる業務の停止を防止し、高信頼な業務システムを構築できます。
クラスタシステムでは、稼働しているノードを運用系、スタンバイしているノードを待機系と呼んでいます。
本書では、運用系として使用するノードをプライマリ、障害時に業務を引き継ぐためのノードをセカンダリと呼んでいます。
また、運用前などで、まだSystemwalker Centric Managerを導入していない場合、最初に運用系として構築するノードをプライマリ、待機系として構築するノードをセカンダリと呼びます。
クラスタシステムの運用形態
クラスタシステムには、以下の運用形態があります。
1:1 運用待機
1:N 運用待機
1:1 運用待機
1:1運用待機は、運用系と待機系の2つのノードでクラスタシステムを構成し、どちらか一方で業務を稼働することにより、高可用性を実現します。
1:1運用待機の構成図の例を以下に示します。
1:N 運用待機
1:N運用待機は、1つの運用系に対して、複数の待機系を持つことで、1つの運用系で障害が発生または保守などのために停止しても、残りのノードにより運用を継続することができ、可用性を保持できます。
1:N運用待機の構成図の例を以下に示します。