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PRIMECLUSTER Wizard for Oracle 4.2 導入運用手引書

3.2 Oracle のメンテナンスについて

ここでは、Oracle の設定変更、Oracle のパッチ適用、Oracle データベースのバックアップ・リカバリなど、メンテナンス時の操作について説明します。

クラスタシステムにおいては、Oracle の起動・停止と Oracle のデータが格納されている共用ディスク装置の活性/非活性制御が連動して行われます。

そのため、Oracle コールドバックアップなどメンテナンス作業のために Oracle を手動で制御する必要がある場合は、事前に PRIMECLUSTER の保守モードを使用するか、または Oracle インスタンス、リスナーの監視を一時的に中断する必要があります。

Oracle のメンテナンス時の基本的な手順を以下に示します。メンテナンスを行うノードにて実施してください。

  1. userApplication の起動
    設定変更を行う Oracle インスタンスリソースが含まれている userApplication が停止している場合は、起動してください。

  2. 保守モード/監視中断
    userApplication を保守モードにするか、または hvoradisable コマンドで Oracle インスタンスリソース、リスナーリソースの監視を中断してください。これは、Oracle を手動停止してもリソース異常が発生しないようにするためです。
    次の手順へ進む前に、保守モードへの移行や監視中断が正常に行われたことを確認してください。

  3. Oracle に依存するリソースの停止
    Oracle に依存するリソースがある場合は、Oracle を停止するよりも前に手動停止する必要があります。
    userApplication の保守モードを使用している場合、そのまま手動停止してください。
    hvoradisable コマンドで監視中断している場合、RMS コマンド hvdisable でこれらのリソースを監視中断状態にした後に、手動停止してください。

  4. Oracle の停止
    Oracle を手動停止してください。

  5. Oracle のメンテナンス
    Oracle の設定変更、Oracle のパッチ適用、Oracle データベースのバックアップ・リカバリなどの操作を行ってください。

  6. Oracle の起動
    メンテナンス完了後、Oracle を手動起動してください。リスナーも停止していた場合は再起動してください。
    次の手順へ進む前に、Oracle インスタンス、リスナーが正常に動作していることを確認してください。Oracle インスタンスは OPEN 状態で起動している必要があります。

  7. Oracle に依存するリソースの起動
    Oracle に依存するリソースを停止していた場合は、監視再開を行うよりも前に手動起動する必要があります。
    userApplication の保守モードを使用している場合、そのまま手動起動してください。
    hvoradisable コマンドで監視中断している場合、手動起動した後に RMS コマンド hvenableでこれらのリソースの監視を再開してください。

  8. 保守モード解除/監視再開
    userApplication の保守モードを解除するか、または hvoraenable コマンドで Oracle インスタンスリソース、リスナーリソースの監視を再開してください。これにて運用再開となります。

参考

  • 保守モードと監視中断・再開について

    userApplication を起動したまま Oracle を停止するには、PRIMECLUSTER の ”保守モード” または、PRIMECLUSTER Wizard for Oracle の “監視中断” 機能を使用します。

    “保守モード” では、userApplication に登録されているすべてのリソース監視が停止します。そのため Oracle を含めた全てのリソースのメンテナンスが可能になります。メンテナンスの際は、特に問題がない限り “保守モード” を使用してください。

    “監視中断” 機能では、Oracle リソース監視のみが停止されます。そのため Oracle 以外のリソース故障が発生するとフェイルオーバが発生しますので注意してください。

  • Oracle RAC 10g以降について

    Oracle RAC 10g以降 のリソースを制御する場合は、srvctl コマンドや shutdown コマンドなどを使用せず、RMS の userApplication に対して操作を行ってください。これらのコマンドを使用すると、PRIMECLUSTER にて異常と判断してリカバリが実行される場合があります。これらのコマンドを実行したい場合は、userApplication を保守モードにして実行してください。

  • userApplication の保守モードについて

    userApplication の保守モードについては、「PRIMECLUSTER RMS 導入運用手引書」 の「5.4.11 Maintenance (保守) モードの使用」 を参照してください。

  • Oracle インスタンス、リスナーの監視中断・再開について

    Oracle インスタンス、リスナーの監視中断・再開については、"4.1 hvoradisable - リソース監視の中断", "4.2 hvoraenable - リソース監視の再開" を参照してください。

注意

  • 監視の再開

    リソースの監視を中断した後、Oracle インスタンス、リスナーを手動停止した場合、監視を再開する前に、Oracle インスタンス、リスナーの手動起動を行ってください。起動されないまま監視を再開すると、リソース異常が発生します。

  • メンテナンス中の userApplication の状態遷移について

    hvoradisable コマンドによる Oracle 監視の中断中は、Oracle に異常が発生、または手動停止しても状態遷移は発生しませんが、ディスク障害等 Oracle 以外の要因で状態遷移が発生する場合がありますので注意してください。

  • 監視中断中のリソースの状態について

    hvoradisable コマンドによりリソースの監視が正しく中断された場合、リソースの状態は Warning になります。