ボリュームグループの構成がボリュームグループ単位での運用条件を満たしていない場合は、物理ディスク単位で操作することでバックアップ運用できます。
物理ディスク単位で運用する場合は、ボリュームグループとしての整合性を保つ必要があるため、ボリュームグループ内のすべての物理ディスクで同期をとって操作する必要があります。
ポイント
同期を取る必要のある物理ボリュームは、Webコンソールおよび「8.3.9 stgxfwcmdispdev(デバイス情報表示コマンド)」で確認できます。
注意
クラスタ構成で運用する場合、クラスタを構成するすべてのサーバにおいて、ボリュームグループを構成する物理ディスクのデバイス名(/dev/(r)hdisk#)が同じであり、デバイス名が指すETERNUS ディスクアレイのディスクも同じである必要があります。
図3.15 物理ディスク単位に運用する構成の例
複製元ボリュームがボリュームグループの場合、複製作成後に複製先ボリュームを使用するには、複製先ボリュームが、複製元ボリュームと同一の論理ボリューム構成かつ同一の物理ディスクサイズのボリュームグループである必要があります
図3.16 業務ボリュームとバックアップボリューム
業務ボリューム/バックアップボリュームを設定する際は、ボリュームグループ内のすべての物理ディスクを設定します。
[例]
# /opt/FJSVswsts/bin/swstdevinfoset -t /dev/hdisk10 swstdevinfoset completed # /opt/FJSVswsts/bin/swstdevinfoset -t /dev/hdisk11 swstdevinfoset completed # /opt/FJSVswsts/bin/swstdevinfoset -b /dev/hdisk20 swstdevinfoset completed # /opt/FJSVswsts/bin/swstdevinfoset -b /dev/hdisk21 swstdevinfoset completed # |
LVMボリュームのバックアップ運用では、業務ボリュームと同一のボリューム構成をもつバックアップボリュームを指定する必要があるため、デバイスマップファイルの作成が必要です。
[デバイスマップファイルの例]
# 業務ボリューム名 出力先バックアップボリューム名 /dev/hdisk10 /dev/hdisk20 /dev/hdisk11 /dev/hdisk21 |
デバイスマップファイルの詳細は、「3.4.9 デバイスマップファイルの準備」を参照してください。
ボリュームグループ内のすべての物理ディスクで、同期をとって操作します。
必要な前後処理は、バックアップの操作を行う前後にボリュームグループ単位で実施し、各物理ディスクを操作する際は、前後処理が動作しないようにします。
[スナップショット型バックアップの例]
(業務ボリューム/バックアップボリュームに対する前処理を行う) # /opt/FJSVswsts/bin/swstbackup /dev/hdisk10 -Xdvemap /acm/devmap.txt /dev/hdisk10 swstbackup completed # /opt/FJSVswsts/bin/swstbackup /dev/hdisk11 -Xdvemap /acm/devmap.txt /dev/hdisk11 swstbackup completed # (業務ボリューム/バックアップボリュームに対する後処理を行う) |
[同期型バックアップの例]
(バックアップボリュームに対する前処理を行う) # /opt/FJSVswsts/bin/swststartsync /dev/hdisk10 -Xdvemap /acm/devmap.txt /dev/hdisk10 swststartsync completed # /opt/FJSVswsts/bin/swststartsync /dev/hdisk11 -Xdvemap /acm/devmap.txt /dev/hdisk11 swststartsync completed (等価性維持状態後) (業務ボリュームに対する前処理を行う) # /opt/FJSVswsts/bin/swstbackup /dev/hdisk10 /dev/hdisk10 swstbackup completed # /opt/FJSVswsts/bin/swstbackup /dev/hdisk11 /dev/hdisk11 swstbackup completed # (業務ボリューム/バックアップボリュームに対する後処理を行う) |
バックアップの前後で実施する前後処理は、以下のとおりです。
ボリューム種別 | 前処理 | 後処理 |
---|---|---|
業務ボリューム |
| ファイルシステムが含まれる場合、前処理でアンマウントしたボリュームをマウントします。 |
バックアップボリューム |
| 後処理は不要です。 |
ボリュームグループの非活性化
ボリュームグループを非活性化するには、varyoffvgコマンドを実行します。
# /usr/sbin/varyoffvg vg02 # |
ボリュームグループ内のすべての物理ディスクで、同期をとって操作します。
必要な前後処理は、リストアの操作を行う前後にボリュームグループ単位で実施し、各物理ディスクを操作する際は、前後処理が動作しないようにします。
[リストアの例]
(業務ボリューム/バックアップボリュームに対する前処理を行う) # /opt/FJSVswsts/bin/swstrestore /dev/hdisk10 /dev/hdisk10 swstrestore completed # /opt/FJSVswsts/bin/swstrestore /dev/hdisk11 /dev/hdisk11 swstrestore completed # (業務ボリューム/バックアップボリュームに対する後処理を行う) |
リストアの前後で実施する前後処理は、以下のとおりです。
ボリューム種別 | 前処理 | 後処理 |
---|---|---|
バックアップボリューム | ボリュームグループ内のすべての論理ボリュームへのアクセスを停止し、データの整合性を確保します。 | 後処理は不要です。 |
リストア先ボリューム |
|
|
ボリュームグループの非活性化
ボリュームグループを非活性化するには、varyoffvgコマンドを実行します。
# /usr/sbin/varyoffvg vg01 # |
ボリュームグループの活性化
ボリュームグループを活性化するには、varyonvgコマンドを実行します。
# /usr/sbin/varyonvg vg01 # |