プロセス監視機能は、Systemwalker自身のプロセスの稼働状態を監視する機能です。
Systemwalkerのサービスまたはデーモン起動のプロセスが正常に稼働しているかを一定間隔で監視し、プロセスの稼働違反(起動されているべきプロセスが存在しない)を検出した場合、検出元サーバや上位サーバへ異常を通知します。
Systemwalker Centric Managerのプロセス名の一覧については以下で公開されている“Systemwalker Centric Manager/Systemwalker Event Agent トラブルシューティングガイド 監視編”を参照してください。
Systemwalker Centric Manager 技術情報 URL | http://software.fujitsu.com/jp/technical/systemwalker/centricmgr/ |
動作条件
プロセス監視機能を使用するには、以下の条件があります。
異常通知を受け取ることが可能な上位サーバ(運用管理サーバ、部門管理サーバ)は、以下のバージョンです。
Systemwalker CentricMGR V10.0L20以降
Systemwalker CentricMGR 10.1以降
異常通知を受け取る上位サーバ(運用管理サーバ、部門管理サーバ)のSNMPトラップ受信、イベント変換、およびシステム監視エージェントのサービスまたはプロセスが正常に稼働している必要があります。
上位サーバとは、インストール時に“イベントの通知先”に指定したサーバです。
【上位サーバがWindows版の場合】
Systemwalker MpWksttr(SNMPトラップ受信)
Systemwalker MpCNappl(イベント変換)
Systemwalker MpOpagt(システム監視エージェント)
【上位サーバがSolaris版またはLinux版の場合】
FJSVfwnm(SNMPトラップ受信)
FJSVfwntc(イベント変換)
FJSVsagt(システム監視エージェント)
SNMPトラップ通知機能がインストールされていない場合(購入ライセンスで資源配付エージェント選択時)やSNMPトラップ通知用のポート(162)がフィルタリングされている場合、トラップ通知による上位サーバへの異常通知は行いません。
異常通知が可能かどうかは、以下のSNMPトラップイベントトレースコマンドで確認することができます。
【Windows版】
Systemwalkerインストールディレクトリ\MPWALKER.DM\bin\mptrptrc |
【UNIX版】
/opt/systemwalker/bin/mptrptrc |
mptrptrc(トラップイベントトレースコマンド)の詳細については、“Systemwalker Centric Manager リファレンスマニュアル”を参照してください。
プロセスの稼働状況を調べる方法
プロセスの稼働状況を調べるサーバで、以下のプロセスの動作状況表示コマンドを実行します。
【Windows版】
Systemwalkerインストールディレクトリ\MPWALKER.DM\bin\mppviewc |
【UNIX版】
/opt/systemwalker/bin/mppviewc |
mppviewc(プロセスの動作状況表示コマンド)の詳細については、“Systemwalker Centric Manager リファレンスマニュアル”を参照してください。
プロセス名および動作状況に異常がある場合は、以下で公開されている“Systemwalker Centric Manager/Systemwalker Event Agent トラブルシューティングガイド 監視編”を参照し対処を行ってください。
Systemwalker Centric Manager 技術情報 URL | http://software.fujitsu.com/jp/technical/systemwalker/centricmgr/ |
出力されるイベントメッセージ
プロセス監視機能を使用すると異常検出時に以下のイベントメッセージが出力されます。
監視イベント種別:システム
重要度:重要
メッセージ:
Systemwalker Centric Managerから異常通知された場合※
【Windows版】
AP:MpPmonC: ERROR: 106: ‘Systemwalker Centric Manager’のプロセス‘XXXXXXX‘が正常に動作しているか確認してください。(※SNMPトラップ情報) |
【UNIX版】
UX:MpPmonC: ERROR: 106: ‘Systemwalker Centric Manager’のプロセス‘XXXXXXX‘が正常に動作しているか確認してください。(※SNMPトラップ情報) |
※異常通知をトラップ通知で行った場合のメッセージとなります。異常通知を自ノードのアプリケーションログやシステムログに出力する場合は、MpPmonC の 10002 のメッセージが出力されます。メッセージの詳細については、“Systemwalker Centric Manager メッセージ説明書”の“MpPmonCで始まるメッセージ”を参照してください。
また、異常通知を受け取る上位サーバ(運用管理サーバ、部門管理サーバ)が、SystemWalker/CentricMGR V10.0L10/10.0以前で下位サーバがSystemwalker CentricMGR V10.0L20/10.1以降の場合、以下のイベントメッセージが出力されます。
【Windows版】
AP:MpCNappl: ERROR: 106: ネットワークで事象が発生しました. (※SNMPトラップ情報) |
【UNIX版】
UX:MpCNappl: ERROR: 106: ネットワークで事象が発生しました. (※SNMPトラップ情報) |
※SNMPトラップ情報
(TRAP agent:IPアドレス community:public generic:6 enterprise:aplNetFunction.37 specific:1 timestamp:0 varbind:(application.48.1.1.0 [2 22 0] Systemwalker Centric Manager)(application.48.1.2.0 [2 4 0] プロセス名)) |
注意
イベントメッセージをフィルタリングする場合の注意事項
イベントメッセージをフィルタリングする場合には、上記のイベントメッセージが出力されるように設定してください。
プロセス監視機能の起動/停止方法
プロセス監視機能は、Systemwalker Centric Managerのインストール時に、自動的に導入されます。プロセス監視機能を使用しない場合は、プロセス監視機能を停止してください。停止した後、再びプロセス監視機能を使用する場合は、プロセス監視機能を起動してください。
【上位サーバがWindows版の場合】
異常通知を受け取る上位サーバ(運用管理サーバ、部門管理サーバ)で、[コントロールパネル]-[サービス]を選択します。
以下のサービスを開始/停止します。
Systemwalker MpPmonC |
【上位サーバがSolaris版/Linux版の場合】
プロセス監視機能の起動
異常通知を受け取る上位サーバ(運用管理サーバ、部門管理サーバ)で、以下の起動コマンドを実行し、プロセス監視のデーモンを起動します。
/opt/FJSVftlc/pmon/bin/strmppmon.sh |
プロセス監視機能の停止
異常通知を受け取る上位サーバ(運用管理サーバ、部門管理サーバ)で、以下の停止コマンドを実行し、プロセス監視のデーモンを停止します。
/opt/FJSVftlc/pmon/bin/stpmppmon.sh |
プロセス監視機能の起動抑止方法
プロセス監視機能は、Systemwalker Centric Managerの起動コマンド(scentricmgr)で、自動的に起動されます。プロセス監視機能の自動起動を抑止する場合は、以下の設定を行ってください。
【Windows版】
プロセス監視機能の起動を抑止したいコンピュータで、[コントロールパネル]-[サービス]を選択します。
以下のサービスを手動にします。
Systemwalker MpPmonC |
【UNIX版】
プロセス監視機能の起動を抑止したいコンピュータで、以下のデーモン起動・停止制御ファイルをエディタで開きます。
/etc/opt/FJSVftlc/daemon/custom/rc2.ini |
定義ファイルを編集します。
デーモン起動コマンドが記述されている行の先頭に、“#”を設定します。
DAEMONnn="/opt/FJSVftlc/pmon/strmppmon.sh" |
デーモン起動・停止制御ファイル【UNIX版】の詳細については、“Systemwalker Centric Manager リファレンスマニュアル”を参照してください。
注意
Systemwalkerのプロセス監視についての注意事項
Systemwalkerのプロセス監視についての注意事項を以下に示します。
環境/構成に関しての注意事項
業務サーバが多階層(運用管理サーバ-部門管理サーバ-業務サーバ-業務サーバ)の場合、プロセス監視によって検出した異常(プロセス稼働違反)を通知する上位サーバを、プロセス監視の動作環境定義ファイル(mppmon.ini)に指定する必要があります。
本機能をNAT環境でそのまま使用することはできません。NAT環境で使用するには、プロセス監視によって検出した異常(プロセス稼働違反)を通知する上位サーバや、プロセス状態の異常を通知する場合の検出元(自ノード)のIPアドレスを、プロセス監視の動作環境定義ファイル(mppmon.ini)に指定する必要があります。
設定に関しての注意事項
プロセス監視の動作環境定義ファイル(mppmon.ini)、またはシステム監視設定のイベント通知先の定義で、通知先が複数指定されていた場合、プロセス監視は、通知先として定義されているすべての通知先サーバに対して異常通知を行います。
プロセス監視の動作環境定義ファイル(mppmon.ini)については、“Systemwalker Centric Manager リファレンスマニュアル”を参照してください。
通知に失敗した場合の対処
現象
プロセス監視による異常通知で、通知先サーバの情報取得に失敗した場合は、運用管理クライアント上の[Systemwalkerコンソール]に、以下のメッセージが表示されます。以降、通知先サーバの情報を取得できるまでは、異常は通知されません。
【Windows版】
AP:MpPmon: ERROR: nnn: Systemwalker Centric Managerのプロセス監視(*1)において、上位サーバへの異常通知が正常に行われませんでした。通知先サーバが定義されていない可能性があります。 |
*1):“Cluster”または“Local”が入ります。
【UNIX版】
UX:MpPmon: ERROR: 10020: Systemwalker Centric Managerのプロセス監視(*1)において、上位サーバへの異常通知が正常に行われませんでした。通知先サーバが定義されていない可能性があります。[*2] |
*1):“Cluster”または“Local”が入ります。
*2): 詳細コード
対処
以下のどちらかの方法で通知先サーバの設定をしなおします。
プロセス監視の動作環境定義ファイル(mppmon.ini)の通知先ノード名を修正します。プロセス監視の動作環境定義ファイルの詳細については、“Systemwalker Centric Manager リファレンスマニュアル”を参照してください。
[通信環境定義]ダイアログボックスよりイベント通知先の修正をします。詳細については、“Systemwalker Centric Manager 使用手引書 監視機能編”を参照してください。
SNMPトラップ通知機能が利用できない環境の場合、プロセス監視の動作環境定義ファイル(mppmon.ini)の「MpTrap」を[OFF](無効)に設定してください。
自ノードのアプリケーションログに出力したい場合、プロセス監視の動作環境定義ファイル(mppmon.ini)の「MpEvlog」を[ON](有効)に設定してください。