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Symfoware Server V11.1.0 RDB運用ガイド
FUJITSU Software

11.6.1 Symfoware/RDB運用中のリカバリ

Symfoware/RDB運用中にアーカイブログファイルをリカバリする場合のリカバリ操作の手順とリカバリ操作例を以下に示します。

Symfoware/RDB運用中のリカバリは、Symfoware Server Enterprise Extended Editionで利用できます。

リカバリ操作の手順

(1) 業務中にアーカイブログファイルのアクセスエラーが発生した場合、システムメッセー
  ジを出力して、アーカイブログファイルを閉塞します。同時に、空きアーカイブログファ
  イルがある場合は、自動的に切り替わります。
    スケーラブルログ運用を行っている場合は、システムメッセージにより、リカバリすべき
  アーカイブログファイルのロググループを特定します。 
(2) アーカイブログファイルの状態を表示します。           ――― rdblogコマンド 
                                                                (Vオプションかつ
                                                                 aオプション
                                                                 [かつgオプション]) 
     同一のボリュームに別のアーカイブログファイルを配置している場合     → (3)へ
     同一のボリュームに別のアーカイブログファイルを配置していない場合   → (5)へ 
(3) 別のアーカイブログファイルを閉塞します。             ――― rdblogコマンド 
                                                                (Hオプションかつ
                                                                 aオプション
                                                                 [かつgオプション]) 
(4) アーカイブログファイルの状態を表示します。           ――― rdblogコマンド 
                                                                (Vオプションかつ
                                                                 aオプション
                                                                 [かつgオプション])
(5) 障害ボリュームを取り換えます。                       ――― CE作業 
(6) ボリュームの構成情報をリカバリします。               ――― partedコマンド
(7) アーカイブログファイルをリカバリし閉塞を解除します。 ――― rdblogコマンド 
                                                                (Pオプションかつ
                                                                 aオプション
                                                                 [かつgオプション]) 
(8) アーカイブログファイルの状態を表示します。           ――― rdblogコマンド 
      スケーラブルログ運用を行っていない場合または
                            システムロググループの場合    → (9)へ 
      ユーザロググループの場合                            → (10)へ 
(9) RDBディクショナリの退避データを取得します。          ――― rdbdmpdicコマンド 
(10) すべての資源の退避データを取得します。              ――― rdbdmpコマンド 
     スケーラブルログ運用の場合はリカバリ対象のロググループに属する資源のみ退避
     データが必要です。 
リカバリ操作例

ここでは、以下の場合を想定しています。

  • 同一のボリュームに別のアーカイブログファイルを配置している

  • ユーザロググループ

スケーラブルログ運用を行っていない場合およびシステムロググループの場合は、rdblogコマンドのgオプション(ロググループ名の指定)を省略して実行してください。

rdb: WARNING: qdg12275w: アーカイブログファイル/dev_symfoware/raw4(通番:125)への 
     書き込み時にwriteシステムコールでエラーが発生しました errno=5 
     (システム名=rdbsys1) 
rdb: INFO : qdg13239i: ロググループ"grp1"において事象"qdg12275w"が発生しました 
     (システム名=rdbsys1) 

$ rdblog -V -a -g grp1 
serial#  status  total  used     avail   capacity  backup-date  path 
     4   full    10M    10M      0         100%    -----        /dev_symfoware/raw2
     5   switch  10M    5419520  26037760   17%    -----        /dev_symfoware/raw3
     6   inh     10M    974336   30482944    3%    -----        /dev_symfoware/raw4

$ rdblog -H -a /dev_symfoware/raw2 -g grp1 
$ rdblog -H -a /dev_symfoware/raw3 -g grp1 

$ rdblog -V -a -g grp1 
serial#  status   total  used   avail    capacity  backup-date  path
     4   inh(CMD) 10M    10M    0        100%      -----        /dev_symfoware/raw2
     5   inh(CMD) 10M   419520  26037760 17%       -----        /dev_symfoware/raw3
     6   inh      10M   974336  30482944 3%        -----        /dev_symfoware/raw4

CE作業 … 障害ボリュームの交換およびボリューム構成情報のリカバリ

$ rdblog -P -a /dev_symfoware/raw2 -g grp1 
$ rdblog -P -a /dev_symfoware/raw3 -g grp1 
$ rdblog -P -a /dev_symfoware/raw4 -g grp1 

$ rdblog -V -a -g grp1 
serial#  status  total  used   avail     capacity  backup-date  path 
     7   using   10M   974336  30482944  3%        -----        /dev_symfoware/raw2
     0   empty   10M   0       10M       0%        -----        /dev_symfoware/raw3
     0   empty   10M   0       10M       0%        -----        /dev_symfoware/raw4

$ rdbdmp -i 在庫管理DB.在庫表DSI -f stock@/backup/rdb -e -y 

注意

  • 閉塞状態のアーカイブログファイルをリカバリして閉塞状態を解除するには、メモリ上の情報を使用します。そのため、アーカイブログファイルが閉塞状態のままSymfoware/RDBを停止すると、Pオプションによるリカバリを行うことはできません。必ず、Symfoware/RDBを停止する前にPオプションによりアーカイブログファイルをリカバリしてください。なお、Pオプションによりアーカイブログファイルをリカバリする前にSymfoware/RDBを停止してしまった場合は、“11.6.2 Symfoware/RDB停止中のリカバリ”に従ってリカバリしてください。

  • アーカイブログファイルの入出力障害以外の理由でボリューム交換を行う場合は、ボリュームの交換を行う前に、アーカイブログファイルを閉塞状態にしてください。アーカイブログファイルの閉塞は、rdblogコマンドのHオプションおよびaオプションで行います。

  • アーカイブログファイルが閉塞することによって、使用可能なアーカイブログファイルが無くなる場合があります。使用可能なアーカイブログファイルができるまで、Symfoware/RDBは無応答状態となり、運用が停止してしまいます。この場合は、アーカイブログファイルをリカバリすることによって、空きのアーカイブログファイルが作成され、Symfoware/RDBの運用を再開することができます。

  • アーカイブログファイルの閉塞状態を解除後は、DSIおよびRDBディクショナリの退避データを採取しなおしてください。アーカイブログファイルが閉塞された場合、アーカイブログファイルが閉塞される以前に採取された退避データを使用したメディアリカバリができなくなります。

  • アーカイブログファイルが異常状態になり、DSI、RDBディクショナリの両方、または、いずれかが異常状態となった場合は、アーカイブログファイルの閉塞状態を解除し、DSI、RDBディクショナリを復元後にDSIおよびRDBディクショナリの退避データを採取しなおしてください。