Symfoware/RDB運用中にアーカイブログファイルをリカバリする場合のリカバリ操作の手順とリカバリ操作例を以下に示します。
Symfoware/RDB運用中のリカバリは、Symfoware Server Enterprise Extended Editionで利用できます。
(1) 業務中にアーカイブログファイルのアクセスエラーが発生した場合、システムメッセー ジを出力して、アーカイブログファイルを閉塞します。同時に、空きアーカイブログファ イルがある場合は、自動的に切り替わります。 スケーラブルログ運用を行っている場合は、システムメッセージにより、リカバリすべき アーカイブログファイルのロググループを特定します。 (2) アーカイブログファイルの状態を表示します。 ――― rdblogコマンド (Vオプションかつ aオプション [かつgオプション]) 同一のボリュームに別のアーカイブログファイルを配置している場合 → (3)へ 同一のボリュームに別のアーカイブログファイルを配置していない場合 → (5)へ (3) 別のアーカイブログファイルを閉塞します。 ――― rdblogコマンド (Hオプションかつ aオプション [かつgオプション]) (4) アーカイブログファイルの状態を表示します。 ――― rdblogコマンド (Vオプションかつ aオプション [かつgオプション]) (5) 障害ボリュームを取り換えます。 ――― CE作業 (6) ボリュームの構成情報をリカバリします。 ――― partedコマンド (7) アーカイブログファイルをリカバリし閉塞を解除します。 ――― rdblogコマンド (Pオプションかつ aオプション [かつgオプション]) (8) アーカイブログファイルの状態を表示します。 ――― rdblogコマンド スケーラブルログ運用を行っていない場合または システムロググループの場合 → (9)へ ユーザロググループの場合 → (10)へ (9) RDBディクショナリの退避データを取得します。 ――― rdbdmpdicコマンド (10) すべての資源の退避データを取得します。 ――― rdbdmpコマンド スケーラブルログ運用の場合はリカバリ対象のロググループに属する資源のみ退避 データが必要です。
ここでは、以下の場合を想定しています。
同一のボリュームに別のアーカイブログファイルを配置している
ユーザロググループ
スケーラブルログ運用を行っていない場合およびシステムロググループの場合は、rdblogコマンドのgオプション(ロググループ名の指定)を省略して実行してください。
rdb: WARNING: qdg12275w: アーカイブログファイル/dev_symfoware/raw4(通番:125)への 書き込み時にwriteシステムコールでエラーが発生しました errno=5 (システム名=rdbsys1) rdb: INFO : qdg13239i: ロググループ"grp1"において事象"qdg12275w"が発生しました (システム名=rdbsys1) $ rdblog -V -a -g grp1 serial# status total used avail capacity backup-date path 4 full 10M 10M 0 100% ----- /dev_symfoware/raw2 5 switch 10M 5419520 26037760 17% ----- /dev_symfoware/raw3 6 inh 10M 974336 30482944 3% ----- /dev_symfoware/raw4 $ rdblog -H -a /dev_symfoware/raw2 -g grp1 $ rdblog -H -a /dev_symfoware/raw3 -g grp1 $ rdblog -V -a -g grp1 serial# status total used avail capacity backup-date path 4 inh(CMD) 10M 10M 0 100% ----- /dev_symfoware/raw2 5 inh(CMD) 10M 419520 26037760 17% ----- /dev_symfoware/raw3 6 inh 10M 974336 30482944 3% ----- /dev_symfoware/raw4 CE作業 … 障害ボリュームの交換およびボリューム構成情報のリカバリ $ rdblog -P -a /dev_symfoware/raw2 -g grp1 $ rdblog -P -a /dev_symfoware/raw3 -g grp1 $ rdblog -P -a /dev_symfoware/raw4 -g grp1 $ rdblog -V -a -g grp1 serial# status total used avail capacity backup-date path 7 using 10M 974336 30482944 3% ----- /dev_symfoware/raw2 0 empty 10M 0 10M 0% ----- /dev_symfoware/raw3 0 empty 10M 0 10M 0% ----- /dev_symfoware/raw4 $ rdbdmp -i 在庫管理DB.在庫表DSI -f stock@/backup/rdb -e -y
注意
閉塞状態のアーカイブログファイルをリカバリして閉塞状態を解除するには、メモリ上の情報を使用します。そのため、アーカイブログファイルが閉塞状態のままSymfoware/RDBを停止すると、Pオプションによるリカバリを行うことはできません。必ず、Symfoware/RDBを停止する前にPオプションによりアーカイブログファイルをリカバリしてください。なお、Pオプションによりアーカイブログファイルをリカバリする前にSymfoware/RDBを停止してしまった場合は、“11.6.2 Symfoware/RDB停止中のリカバリ”に従ってリカバリしてください。
アーカイブログファイルの入出力障害以外の理由でボリューム交換を行う場合は、ボリュームの交換を行う前に、アーカイブログファイルを閉塞状態にしてください。アーカイブログファイルの閉塞は、rdblogコマンドのHオプションおよびaオプションで行います。
アーカイブログファイルが閉塞することによって、使用可能なアーカイブログファイルが無くなる場合があります。使用可能なアーカイブログファイルができるまで、Symfoware/RDBは無応答状態となり、運用が停止してしまいます。この場合は、アーカイブログファイルをリカバリすることによって、空きのアーカイブログファイルが作成され、Symfoware/RDBの運用を再開することができます。
アーカイブログファイルの閉塞状態を解除後は、DSIおよびRDBディクショナリの退避データを採取しなおしてください。アーカイブログファイルが閉塞された場合、アーカイブログファイルが閉塞される以前に採取された退避データを使用したメディアリカバリができなくなります。
アーカイブログファイルが異常状態になり、DSI、RDBディクショナリの両方、または、いずれかが異常状態となった場合は、アーカイブログファイルの閉塞状態を解除し、DSI、RDBディクショナリを復元後にDSIおよびRDBディクショナリの退避データを採取しなおしてください。