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Symfoware Server V11.1.0 RDB運用ガイド
FUJITSU Software

2.4.2 データベースのリカバリ

メディアリカバリは、rdbdmpコマンドによりDSI単位にバックアップしたデータを利用し、rdbrcvコマンドによって、DSI単位またはデータベーススペース単位にデータベースをリカバリします。

リカバリ方法は、アーカイブログ運用を行うか行わないかによって異なります。

2.4.2.1 アーカイブログファイル

データベース破壊などの障害が発生した場合、障害が発生する前の状態にリカバリするためのログを蓄積します。また、このファイルは、RDBディクショナリに対するログも蓄積しているため、RDBディクショナリ破壊などの障害が発生した場合のリカバリにも利用します。

アーカイブログファイルの設置は、アーカイブログ運用を行う場合は必須ですが、アーカイブログ運用を行わない場合には必要ありません。

アーカイブログファイルは、以下の2つから構成されます。

アーカイブログ域

過去の任意の時点で取得したデータベースの退避データから、最新の内容にデータベースをリカバリするために、データベースの退避データの取得以降の更新の内容を履歴ログとして記録するために用います。

アーカイブログ域は、次に述べるアーカイブログ退避データを取得することで再利用できます。これにより、アーカイブログ域は、有限容量を循環使用します。

アーカイブログ域は、同一のサイズで複数個用意できます。また、Symfoware/RDBの起動後でも、追加することができます。

Symfoware/RDBでは、2個以上のアーカイブログ域を用意することを推奨しています。

アーカイブログ退避データ

アーカイブログ域を循環使用するために、アーカイブログ域に取得された履歴ログをバックアップしたファイルです。

2.4.2.2 アーカイブログ適用によるリカバリ

rdbrcvコマンドのFWモードにより、退避データ取得時点の状態にデータベースをリカバリしたあと、アーカイブログを順次適用して、最新状態までデータベースをリカバリすることができます。

アーカイブログ運用には、アーカイブログをバックアップしない運用とバックアップする運用の2つがあります。

それぞれの運用のバックアップからリカバリの流れを、以下に示します。

アーカイブログをバックアップしない運用

アーカイブログをバックアップしない運用方法の例を以下に示します。

リカバリ操作の手順とリカバリ操作例については、“5.3.1 アーカイブログをバックアップしない運用でのリカバリ”を参照してください。

図2.1 アーカイブログをバックアップしない運用の流れ

アーカイブログをバックアップする運用

アーカイブログをバックアップする運用方法の例を以下に示します。

リカバリ操作の手順とリカバリ操作例については、“5.3.2 アーカイブログをバックアップする運用でのリカバリ”を参照してください。

図2.2 アーカイブログをバックアップする運用の流れ

また、データベースのリカバリは、退避データの取得方法により、DSI全体をリカバリする方法と局所的にリカバリする方法があります。

退避データをデータベーススペースごとに取得した場合は、ディスク破壊が発生したボリュームに配置されているデータベーススペースのみを局所的にリカバリすることが可能なため、リカバリ時間を短縮することができます。バックアップとリカバリの単位を“エクステント”と呼びます。エクステントとは、DSIを割り当てているデータベーススペースごとの領域のことをいいます。

DSI全体をリカバリする方法と局所的にリカバリする方法の、バックアップとリカバリの流れを、以下に示します。

図2.3 DSI全体をリカバリする方法

DBS: データベーススペース

注)退避データ取得時にNオプションを指定しないでください。Nオプションを指定した退避データではリカバリできません。

図2.4 局所的にリカバリする方法

DBS: データベーススペース

注)退避データ取得時にNオプションを指定しないでください。Nオプションを指定した退避データではリカバリできません。

2.4.2.3 アプリケーションの再実行との協調によるリカバリ

rdbrcvコマンドのLOADモードにより、退避データ取得時点の状態にデータベースをリカバリします。そのあと、アプリケーションを再実行することにより、最新状態までデータベースをリカバリすることができます。

以下のような場合は、アプリケーションの再実行との協調によるリカバリを行ってください。

バックアップとリカバリの流れを、以下に示します。

図2.5 アプリケーションの再実行との協調によるリカバリの流れ

DBS: データベーススペース

注)退避データ取得時にNオプションを指定してください。また、rdbdmpコマンドの前後で、更新抑止の設定と解除を行ってください。

リカバリ操作の手順とリカバリ操作例については、“5.4 アプリケーションの再実行との協調によるリカバリ”を参照してください。