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SystemwalkerService Catalog Manager 運用ガイド技術サービス開発部門編
Systemwalker

付録B 技術サービス定義のXMLファイル要素

技術サービス定義とは、アプリケーションを技術サービスとしてSystemwalker Service Catalog Managerに登録するために必要な情報です。技術サービス定義は、XMLファイルを使って定義します。このファイルは、XMLスキーマTechnicalServices.xsdに準拠して作成します。

本章では、技術サービス定義に利用する要素と属性の意味を説明します。それぞれの構文はTechnicalServices.xsdを参照してください。

TechnicalServices

技術サービス定義ファイルにおいて最上層となる要素です。

TechnicalService

アプリケーションをSystemwalker Service Catalog Managerの技術サービスとして登録するために必要なすべての情報を記載します。

属性

<tns:TechnicalService
   accessType="LOGIN"
   baseUrl="http://myserver.example.com:7777/myservice"
   build="25.01.2010"
   id="SampleService"   
   loginPath="/login"
   provisioningType="SYNCHRONOUS"
   provisioningUrl=
       "http://myserver.example.com:8090/axis/services/MyProvisioningService?wsdl"
   onlyOneSubscriptionPerUser="false" >

AccessInfo

accessTypeがDIRECTもしくはUSERの場合はAccessInfoが必須です。

ユーザーがアクセスする方法を、localeに指定した言語で記述します。この情報が必要なのは、ダイレクトアクセスではユーザーがSystemwalker Service Catalog Manager経由でアプリケーションにアクセスするわけではないためです。

たとえばアプリケーションのWebユーザーインターフェースやログインページのURLなど、アクセスに必要な情報を提供するために使用します。

ここで定義したテキストは、Systemwalker Service Catalog Managerの管理ポータルに表示されます。また、サービスの利用者に配信されるメールにも記載されます。複数の言語を使って定義することが可能です。英語(locale=en)の記述はデフォルトとして利用され、定義していない言語は英語の記述が使用されます。このため英語の記述は必須です。

属性

LocalizedDescription

技術サービス定義ファイル内に定義した各要素の目的や説明を記述するテキストです。locale属性ごとに、複数のテキストを用意できます。

LocalizedDescriptionは、以下の要素の下層の要素として記述します。

属性

   <LocalizedDescription locale="en">
      Our Service supports you in ...
   </LocalizedDescription>

LocalizedLicense

サービス利用部門に表示するサービス利用規約を、localeに指定した言語で記述します。locale属性ごとに、複数のテキストを用意できます。

技術サービス開発部門、サービスを販売するサービス提供部門、サービス提供代行部門、サービス仲介部門、およびサービスを購入するサービス利用部門のSystemwalker Service Catalog Managerのユーザーインターフェース(管理ポータルおよびサービスポータル)に、サービス利用規約として表示されます。サービス提供部門およびサービス提供代行部門が変更することができます。

属性

   <LocalizedLicense locale="en">
      Please read this software license agreement ... The license terms
      are applied for the concession of the rights ...
   </LocalizedLicense>

LocalizedTag

技術サービスに関係した検索用のタグを、localeに指定した言語で記述します。locale属性ごとに、複数のテキストを用意できます。

タグは技術サービス開発部門の管理ポータルに表示されます。サービス利用部門のサービスポータルにて、検索用として技術サービスに基づいたタグを使用することができます。サービスポータル管理部門によって、タグの表示/非表示を選択できます。コンマを区切り文字として、5つまでのタグを並べることができます。タグは大文字・小文字を区別しません。20文字以上指定することはできません。

属性

   <LocalizedTag locale="en">
      Documentation
   </LocalizedTag>

LocalizedName

ユーザーロールまたは操作を、localeに指定した言語で記述します。locale属性ごとに、複数のテキストを用意できます。

ロール名は、技術サービス開発部門、サービスを販売するサービス提供部門、サービス提供代行部門、サービス仲介部門、およびサービス利用部門がユーザーをサービスに割り当てる際、Systemwalker Service Catalog Managerのユーザーインターフェースに表示されます。オペレーション名は、サービス利用部門がサービスの利用を開始する際、あるいは技術サービス開発部門が管理ポータルを使用して技術サービス定義を更新する際に表示されます。

属性

ParameterDefinition

インスタンスのプロビジョニング処理を実行する際、アプリケーションに渡すパラメーターを宣言します。

サービス提供部門はパラメーターを使用することで、機能構成やサービス内容の異なる複数のサービス仕様を提供できます。中でも、ENUMERATION型のパラメーターを利用すると、さまざまな選択肢を提供できるようになります。たとえば、MEMORY_STORAGEパラメーターを宣言し、1GB、2GB、4GBを用意し、これらを、最小記憶量、中間記憶量、最大記憶量という3つの選択肢に割り当てます。すると、サービス提供部門が料金設定を定義するとき、この3種類の選択肢を利用できます。また、サービス利用部門がサービスを購入する際にも、この3つの選択肢を利用できるようになります。

Systemwalker Service Catalog Managerは、インスタンスのプロビジョニング処理を呼び出すとき、技術サービス定義に宣言されている全パラメーターを渡します。それ以降の処理は、アプリケーションに委ねられます。

たとえば、ユーザーの作成可能な最大ファイル数を制限するMAX_FILE_NUMBERパラメーターを宣言した場合、アプリケーションはファイルの最大数を超えないよう正確に追跡する必要があります。

以下の事前定義パラメーターが用意されています。

パラメーター

内容

NAMED_USER

このパラメーターは1つのサービス購入ごとに指定できる最大ユーザー数を制限する際に使用します。ログインアクセスおよびユーザーアクセスの場合に有効です。

CONCURRENT_USER

このパラメーターは同時アクセス数の最大値を制限する場合に使用します。ログインアクセスおよびユーザーアクセスの場合に有効です。

PERIOD

このパラメーターはサービスの購入後の使用可能期間を限定する場合に使用します。この期限が過ぎると購入していたサービスは解約されます。accessTypeがEXTERNAL以外の場合に関連します。

事前定義パラメーターはSystemwalker Service Catalog Managerによって制御され、どのサービスにも設定することができます。アプリケーション側での作りこみは不要です。


属性

   <ParameterDefinition 
      configurable="true"
      default="2"
      id="MEMORY_STORAGE"
      mandatory="false"
      valueType="ENUMERATION">

      <Options>
         <Option id="1">
            <LocalizedOption locale="en">Minimum Storage (1GB)
            </LocalizedOption>
         </Option>
         <Option id="2">
            <LocalizedOption locale="en">Medium Storage (2GB)
            </LocalizedOption>
         </Option>
         <Option id="3"> 
            <LocalizedOption locale="en">Maximum Storage (4GB)
            </LocalizedOption>
         </Option>
      </Options>
   </ParameterDefinition>

   <ParameterDefinition 
       configurable="true" 
       default="200" 
       id="MAX_FOLDER_NUMBER2" 
       mandatory="true" 
       maxValue="500" 
       minValue="12" 
       valueType="INTEGER">
    <LocalizedDescription locale="en">
       Number of folders that can be created.</LocalizedDescription>
   </ParameterDefinition>

Event

イベントを宣言します。Systemwalker Service Catalog Managerはイベント発生の通知を受け取れるようになります。Systemwalker Service Catalog ManagerのパブリックWebサービスAPIでイベント通知を実装した場合のみ必要です。

詳細は“3.3 イベント管理との統合”を参照してください。

属性

   <Event id="FILE_DOWNLOAD">
      <LocalizedDescription locale="en">
         File Download
      </LocalizedDescription>
   </Event>

Role

サービスのロールを宣言します。ロールに応じて異なるアクセス権をサービスが提供する場合に使用します。ロールは、サービスとして提供するアプリケーションのアクセス権に対応づけるために使用します。

属性

   <Role id="ADMIN">
      <LocalizedName locale="en">Administrator</LocalizedName> 
      <LocalizedDescription locale="en">
        Administrators have full access to all data entities 
        and can execute administrative tasks such as 
        role assignments and user creation.
      </LocalizedDescription>
   </Role>

   <Role id="GUEST">
      <LocalizedName locale="en">Guest</LocalizedName> 
      <LocalizedDescription locale="en">
         Guests only have limited read access.
      </LocalizedDescription>
   </Role>

Operation

技術サービスが提供する操作を宣言します。

技術サービスによっては、アプリケーションに直接アクセスすることなしに、Systemwalker Service Catalog Manager経由でアクセス可能な追加の操作や機能を提供した場合があります。SaaSの環境では、アプリケーションはローカル環境にはインストールされておらず、サービスとして提供されます。このため、利用者は、システムのバックアップやシャットダウンのような管理作業を行いたい場合などでも、アプリケーションが利用しているシステム資源にはアクセスすることはできません。このような操作を技術サービスで提供すれば、Webでアクセス可能な別のインターフェースをアプリケーションに追加しなくても、統合が簡単に行えるようになります。

属性

   <Operation id="BACKUP" type="SYNCHRONOUS" 
              actionURL="http://myserver.example.com:7777/myOperation.wsdl">
      <LocalizedName locale="en">Backup</LocalizedName>
      <LocalizedDescription locale="en">
         Performs a backup of the subscription data.
      </LocalizedDescription>
   </Operation>