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ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 15.2 運用ガイド
ETERNUS

10.4.1 事前準備

SQL Serverのバックアップ運用を開始する前に以下の事前準備を行ってください。

なお、以降の章では、以下の例を使用して説明を行います。

図10.10 SQL Serverのバックアップ運用の環境例

表10.8 サーバ構成

サーバ種別

サーバ名

備考

運用管理サーバ(Storage管理サーバ)

MGR-SVR

管理対象サーバ(Storageサーバ)

DB-SVR

  • 業務サーバ

  • MSCS運用(AdvancedCopy Manager論理ノード名=nodeAGT、SQL Server仮想サーバ名=VSERVER)

管理対象サーバ

BKUP-SVR

バックアップサーバ

表10.9 データベース構成

データベース名

データベースファイル名

データベースファイル種別

DB01

D:\SQLSVR\DB01.mdf

プライマリデータファイル

E:\SQLSVR\DB01.ndf

セカンダリデータファイル

F:\SQLSVR\DB01.ldf

トランザクションログファイル

DB02

D:\SQLSVR\DB02.mdf

プライマリデータファイル

E:\SQLSVR\DB02.ndf

セカンダリデータファイル

F:\SQLSVR\DB02.ldf

トランザクションログファイル

DB03

D:\SQLSVR\DB03.mdf

プライマリデータファイル

E:\SQLSVR\DB03.ndf

セカンダリデータファイル

F:\SQLSVR\DB03.ldf

トランザクションログファイル

表10.10 データベースボリューム構成

ドライブ名

AdvancedCopy Managerデバイス名

D:

g1d1p1@DB-SVR

E:

g1d2p1@DB-SVR

F:

g1d3p1@DB-SVR

10.4.1.1 SQL Serverの環境設定

データベースのバックアップ運用設計の結果に基づいて、SQL Serverの設定を行ってください。特に、リストアにおいて、ログの適用を行う場合は、データベースの「復旧モデル」を「フル」または「一括ログ記録」に設定してください。詳細は、『SQL Server Books Online』の「バックアップと復元の計画の立案」を参照してください。

10.4.1.2 一般的な事前準備の実施

以下の点に留意して、「7.4 事前準備」に記載されている作業を行ってください。

■実行例

対象データベースボリュームすべてに対して、複製ボリューム情報を設定します。業務サーバ(DB-SVR)からコマンドを実行します。

C:\>set SWSTGNODE=nodeAGT
C:\>C:\Win32App\AdvancedCopyManager\bin\swsrpsetvol  -o  ORG  g1d1p1  g1d11p1@BKUP-SVR
swsrpsetvol completed
C:\>C:\Win32App\AdvancedCopyManager\bin\swsrpsetvol  -o  ORG  g1d2p1  g1d12p1@BKUP-SVR
swsrpsetvol completed
C:\>C:\Win32App\AdvancedCopyManager\bin\swsrpsetvol  -o  ORG  g1d3p1  g1d13p1@BKUP-SVR
swsrpsetvol completed
C:\>

10.4.1.3 デバイスマップファイルの準備

SQL Serverバックアップ実行コマンドで使用されるデータベースボリュームとバックアップボリュームの対応関係を記述したファイル(デバイスマップファイル)を作成します。SQL Serverバックアップ実行コマンドは、デバイスマップファイルに指定されたバックアップボリュームに、データをコピーします。

デバイスマップファイルは、データベースを運用するサーバ(複製元サーバ)上の任意の場所に配置します。このファイルをバックアップ実行時に指定することで、データベースボリュームのバックアップ先が決まります。

デバイスマップファイルの記述方法

デバイスマップファイルの記述例を以下に示します。

■デバイスマップファイルの記述例

デバイスマップファイル作成時の規則を以下に示します。

10.4.1.4 メタデータファイルの出力パスの記録

バックアップ実行時に、SQL Serverからバックアップ対象データベースのデータベースファイルのパス名、サイズ、ファイル種別などの情報を含んだ「メタデータ」が出力されます。AdvancedCopy Managerは、メタデータファイルをバックアップボリュームに保存します。

メタデータファイルはデータベースファイルの復元時にデータベースボリュームに復元されます。メタデータファイルは「12.6.2.2 swsrprestore_sql(SQL Serverリストア実行コマンド)」を実行する際に必須となりますので、事前にメタデータファイルの絶対パスを記録しておく必要があります。

メタデータファイルは、ファイル識別番号(FILE_ID)が1のデータベースファイルが存在するフォルダに「“DB名”.swsrp-dmp」という名前で保存されます。たとえば、データベースDB01のファイル識別番号1のデータベースファイルの絶対パスが「D:\SQLSVR\DB01_data.mdf」だとすると、メタデータファイルの絶対パスは「D:\SQLSVR\DB01.swsrp-dmp」となります。通常、ファイル識別番号1のデータベースファイルはプライマリデータファイルですが、念のため以下の手順で確認してください。

  1. Transact-SQL「USE データベース名 EXEC SP_HELPFILE」を実行してください。

  2. 実行結果から、列「fileid」が1となっているレコードを探してください。そのレコードの列「filename」の内容がファイル識別番号1のデータベースファイルの絶対パスになります。

ポイント

業務ボリュームにメタデータファイルを保存するための容量を確保しておくことが厳密には必要ですが、メタデータファイルのサイズは小さいので、考慮の必要はほとんどありません。メタデータファイルのサイズは、データベースのファイル数に依存し、10ファイル構成のデータベースで約20KBです。

10.4.1.5 バックアップの自動運用の準備

AdvancedCopy Managerのバックアップ運用は、SQL Serverのジョブ作成ウィザードやSystemwalker Operation Managerを利用して自動化できます。自動化には、AdvancedCopy Managerが提供する各種コマンドを利用します。