SQL Serverのデータベースは、以下の物理ファイル(データベースファイル)から構成されます。
プライマリデータファイル(1つのデータベースに1つ必要です)
セカンダリデータファイル(ない場合と複数ある場合があります)
トランザクションログファイル(1つのデータベースに少なくとも1つ必要です)
データベースファイルすべてをバックアップすることを「データベースバックアップ」または「完全バックアップ」と呼びます。また、ログだけをバックアップすることを「ログバックアップ」と呼びます。
SQL Serverバックアップ実行コマンドでは、データベースバックアップを高速に実施します。
データベースファイル(プライマリデータファイル、セカンダリデータファイル、トランザクションログファイル)をバックアップボリュームにコピーします。
アドバンスト・コピー機能によって、サーバCPUに負担をかけず、瞬時にデータコピーを実施します。
SQL ServerのVDI(Virtual Device Interface)機構と連携することによって、オンラインバックアップを実現します。
なお、SQL Serverのバックアップ運用では、一般的に「データベースバックアップ」と「ログバックアップ」を併用します。
以下は、AdvancedCopy ManagerによるデータベースバックアップとSQL Serverによるログバックアップを併用するバックアップ運用例です。この運用例では、運用サイクルを1週間とし、日曜日にデータベースバックアップ、平日にログバックアップを実施しています。
AdvancedCopy Managerは、「データベースのバックアップ」機能を提供します。トランザクションログのバックアップ/リストア(リカバリー)は、SQL ServerのEnterprise Manager、Transact-SQLなどを用いて実施する必要があります。
また、AdvancedCopy Managerでバックアップ可能なデータベースはユーザーデータベースだけです。システムデータベース(master、msdb、model、distribution)は、AdvancedCopy Managerでバックアップできません。システムデータベースのバックアップ運用は、SQL Serverで実施する必要があります。
データベース種別 | バックアップ方法 | ||
---|---|---|---|
SQL Server | AdvancedCopy Manager | ||
システムデータベース | ○ | × | |
ユーザーデータベース | データベースバックアップ | ○ | ○ |
ログバックアップ | ○ | × |
○:機能を提供します。
×:機能を提供しません。
注意
本章では、データベースを、データベースバックアップ時点の状態に戻すことを「データベースリストア」と呼び、データベースリストアされたデータベースにログを適用することによって、データベースバックアップ後の特定時点または最新時点へ復元することを「データベースリカバリー」と呼びます。