形式
sfcadm -r [ -a ] special
sfcadm -N special,...
sfcadm -u host,... [ -g p_mds[,s_mds ] ] [ -p p_port[,s_port] ] [ -o keyword=value,... ] special,...
sfcadm -m host,... -g p_mds[,s_mds ] -p p_port[,s_port] [ -o keyword=value,... ] special,...
sfcadm -g p_mds[,s_mds ] special
sfcadm -o keyword=value,... special
sfcadm -p p_port[,s_port] special
sfcadm -h ohost nhost
sfcadm -D special,...
sfcadm special,...
機能説明
sfcadm は GFS 共用ファイルシステムのパーティション情報の設定変更を行います。
GFS 共用ファイルシステムはファイルシステムを構成するパーティション群に関する情報を各パーティション内に保持しています。
パーティション情報の設定変更を行う必要があるのは以下の場合です。
使用していたファイルシステムのデバイス情報 (パス名、デバイス番号) の変更を行う場合
ノード名の変更を行う場合
ファイルシステムを別のシステムに移行する場合
また、以下の場合に使用します。
スーパブロック、パーティション構成情報の復旧
パーティション構成情報の複製に相違ができた場合の復旧
管理パーティション内のファイルシステム構成情報の変更、および指定されたファイルシステムの削除
MDS (メタデータサーバ) を配置するノード数の変更
MDS (メタデータサーバ) をプライマリ MDS、またはセカンダリ MDS として配置するノードの優先順位の変更
sfcadm は、管理パーティション内のファイルシステム構成情報の更新を行います。それは、GFS 共用ファイルシステムのパーティション情報の設定変更、およびファイルシステムの環境情報の変更が行われる場合です。また、パーティション情報の設定変更時は、各パーティション内の情報変更が行われます。
なお、本コマンド使用時は、事前に全ノードでアンマウントされている必要があります。
オプション
以下のオプションが指定できます。
指定された代表パーティションを持つ GFS 共用ファイルシステムを、管理パーティション内のファイルシステム構成情報から削除します。複数指定の場合は、カンマで区切って指定します。
パーティション構成情報内すべてのノードに関するノード情報およびデバイス情報の更新を行います。使用していたファイルシステムの特殊ファイル名を変更またはパーティション間のコピーを行った場合で、かつ各ノード間で指定されたデバイスのマイナ番号が異なる場合に -N オプションを使用します。各ノード間で、マイナ番号が同じ場合は、-N オプションを指定しないで構成するデバイス情報だけを指定します。
また、管理パーティション内のファイルシステム構成情報の更新を行います。
MDS (メタデータサーバ) を配置可能にするノード名をカンマで区切って指定します。指定されたノード名の順に、プライマリ MDS、セカンダリ MDS を配置するように指定できます。ただし、プライマリ MDS、セカンダリ MDS のどちらかを変更する場合は、"p_mds,", ",s_mds" という形式で指定します。プライマリ MDS だけの構成に変更する場合は、"p_mds" だけを指定します (カンマは指定しません)。
また、管理パーティション内のファイルシステム構成情報の更新を行います。
指定するノード名は、ファイルシステムを共用しているノードである必要があります。-u または -m オプションを同時指定した場合は、-u または -m オプションで指定したノード名だけを指定できます。
ノード名を変更する際に本オプションを使用します。o_host n_host という形式で指定し、管理パーティション内のファイルシステム構成情報内の o_host というノード名をすべて n_host というノード名に変更します。また、該当するノード名が登録されたパーティション構成情報内ノード名を変更します。
パーティション構成情報内のノード情報、およびデバイス情報を指定されたノード情報、デバイス情報に変更します。ノード名を複数指定する場合は、カンマで区切って指定します。
-m オプションは、-g オプションと同時に指定する必要があります。
また、管理パーティション内のファイルシステム構成情報の更新を行います。使用していたファイルシステムを別のシステムに移行する際に本オプションを使用します。
GFS 共用ファイルシステム内でチューニング可能な変数の設定を、“変数名=値”という形式で指定します。複数指定の場合は、カンマで区切って指定します。登録された変数を削除する場合は、“変数名=”という形式で指定します。
また、管理パーティション内のファイルシステム構成情報の更新を行います。
GFS 共用ファイルシステムの通信タイムアウト時間の変更を行う場合には、以下のように指定します。例では、通信タイムアウト値として 180 秒を設定しています。
-o CON_TIMEOUT=180 |
CON_TIMEOUT の指定により、通信によるノードの生存監視において、通信の応答がなくなってから相手ノードを異常状態と判断するまでの時間を変更できます。システムの負荷が高くなることが予想される場合は、上記の値を大きく設定してください。
プライマリのポート名、およびセカンダリのポート名をカンマで区切って指定します。ただし、プライマリ、セカンダリのどちらかを変更する場合は、"p_port,", ",s_port" という形式で指定します。プライマリ、セカンダリともに同じポート名を登録する場合は、"p_port" だけを指定します (カンマは指定しません)。
-p オプションは、-g オプションと同時に指定する必要があります。
また、管理パーティション内のファイルシステム構成情報の更新を行います。
スーパブロック、パーティション構成情報の復旧を行う際に復旧元となるキャラクタ特殊ファイルまたはブロック特殊ファイルを指定します。なお -a オプション指定時は、指定された復旧元パーティション内の冗長ブロックを使用して復旧を行います。
パーティション構成情報内のノード情報、およびデバイス情報を指定されたノード情報、デバイス情報に変更します。ノード名を複数指定する場合は、カンマで区切って指定します。
-u オプションは、-g または -p オプションと同時に指定する必要があります。
また、管理パーティション内のファイルシステム構成情報の更新を行います。使用していたファイルシステムの特殊ファイル名の変更またはパーティション間でコピーを行った場合で、かつノード情報、およびデバイス情報を書き換える際に本オプションを使用します。
オペランド
以下のオペランドが指定できます。
GFS 共用ファイルシステムを構成するすべてのパーティションのキャラクタ特殊ファイルまたはブロック特殊ファイルのパス名を、カンマで区切って指定します。
GFS 共用ファイルシステムの代表パーティションのキャラクタ特殊ファイルまたはブロック特殊ファイルのパス名を指定します。ただし、-r オプション指定時は、代表パーティション以外も指定可能です。
使用例
復旧元のパーティション情報により、他パーティションの復旧を行う場合
sfcadm -r /dev/sfdsk/gfs01/rdsk/volume01 <Enter> |
復旧元のパーティション内の複製情報により、他パーティションの復旧を行う場合
# sfcadm -r -a /dev/sfdsk/gfs01/rdsk/volume01 <Enter> |
パーティション情報内の全ノードに関するノード情報およびデバイス情報を更新する場合
# sfcadm /dev/sfdsk/gfs01/rdsk/volume01,/dev/sfdsk/gfs01/rdsk/volume02 <Enter> |
パーティション情報内のノード情報およびデバイス情報の書き換えを行う場合
# sfcadm -u host1,host2 -g host1,host2 -p sfcfs-1,sfcfs-1 /dev/sfdsk/gfs01/rdsk/volume01 <Enter> |
指定のファイルシステムを他のシステムへ移行する場合
# sfcadm -m host1,host2 -g host1,host2 -p sfcfs-1,sfcfs-1 /dev/sfdsk/gfs01/rdsk/volume01 <Enter> |
MDS を配置するノードの優先順位を変更する場合
プライマリ MDS を host1 に変更する場合
# sfcadm -g host1, /dev/sfdsk/gfs01/rdsk/volume01 <Enter> |
セカンダリ MDS を host2 に変更する場合
# sfcadm -g ,host2 /dev/sfdsk/gfs01/rdsk/volume01 <Enter> |
MDS を配置するノードの優先順位を変更する場合
# sfcadm -g host1,host2 /dev/sfdsk/gfs01/rdsk/volume01 <Enter> |
プライマリ、セカンダリとも同一のポート名を使用する場合
# sfcadm -p sfcfs-1 /dev/sfdsk/gfs01/rdsk/volume01 <Enter> |
XXX=60 という変数名を登録する場合
# sfcadm -o XXX=60 /dev/sfdsk/gfs01/rdsk/volume01 <Enter> |
host1 という名前を host2 へ変更する場合
# sfcadm -h host1 host2 <Enter> |
指定のファイルシステムを削除する場合
# sfcadm -D /dev/sfdsk/gfs01/rdsk/volume01 <Enter> |
関連項目
注意事項
共用する各ノードでの情報が必要なため、ファイルシステムを共用するすべてのノードが起動している、かつ GFS 共用ファイルシステムが導入済みの状態でしかファイルシステムの変更は行えません。
host は、事前に sfcsetup(1M) で管理パーティションに登録した GFS 共用ファイルシステムを構成するノードのノード名である必要があります。
-u オプションを使用するときに、新規のノード名、またはデバイス名を指定した場合は、-g オプションも指定する必要があります。
sfcadm によって、GFS 共用ファイルシステムの代表パーティション名の変更を行った場合、または他のファイルシステムへの移行を行う場合は、/etc/vfstab の設定が必要です。
-g オプションで MDS を配置するノードを 1つに設定した場合、MDS を配置しないノードだけでファイルシステムをマウントすることはできません。MDS 配置ノードが 1つの場合は、sfcmntgl(1M) を使用して、共用しているすべてのノードを同時にマウントする必要があります。また、この設定では、共用しているすべてのノードからファイルシステムをマウントした後、MDS を配置するノードでアンマウント、ノード停止やノードダウンが発生した場合、MDS を配置しないノードではファイルシステムが閉塞します。