Webサイトをどのような利用者が利用しているかに着目して分析する方法について説明します。
利用者に着目して分析することにより、以下のような情報を把握することができ、Webサイトの運用に活用していくことができます。
会員制サイトの場合、どの利用者の利用が多いか
どの企業からの利用が多いか
Systemwalker Service Quality Coordinatorでは、利用者の特定方法として以下があります。
Webサーバで認証した利用者名で特定する
Webサーバで認証を行っている場合には、その認証ユーザ名をキーに分析することができます。
Cookieに設定したIDで利用者を特定する
WebサーバでCGIを利用して認証を行っている場合には、Webサーバのログには認証ユーザに関する情報は出力されません。CGIで認証したユーザ名をCookieに設定することで、利用者を特定した分析を行うことができます。
また、CGIでの認証は行っていない場合でも、Webサービスの各ページでユーザーを特定できる識別名をCookieに設定することで、利用者を特定した分析を行うことができます。
クライアントホストで利用者を特定する
情報公開サービスなどWebサーバでの認証を行わず、Cookieによる情報設定も行わない場合には、クライアントホストで利用者を特定することができます。
クライアントホストでの利用者の特定は、クライアントのIPアドレスおよびホスト名で行うことができます。
注意
利用者を特定した分析を行うには、分析対象とするWebサービスの利用時に、確実に認証またはCookieの設定が行われるようにコンテンツを作成する必要があります。認証およびCookieの設定がされない状態で、Webサービス内のページに直接アクセスされた場合には、利用者を特定した分析は行うことができません。
Cookieに設定したIDで利用者を特定した分析を行う場合、利用者がブラウザの設定でCookieの使用を禁止している場合には、利用者を特定した分析を行うことはできません。この場合には、クライアントホストで利用者を特定した分析を行うことになります。
クライアントホストで利用者を特定した分析では、以下の場合には、異なる利用者でも同じクライアントホストとして扱われることがありますので注意してください。
DHCPにより動的にIPアドレスを割り当てている場合(ISPを利用して接続している場合など)
Proxy経由でアクセスしている場合(企業ユーザーのようにファイアウォール内から接続している場合など)
利用者に着目した分析を行うためには、以下の環境設定が必要です。
Webサーバのログ出力の設定
Systemwalker Service Quality Coordinatorの利用状況DB環境定義ファイルの設定
利用者に着目した分析を行うには、Webサーバのログに利用者に関する情報が出力されるように、Webサーバを設定する必要があります。
Webサーバで認証した利用者名で特定する
通常は、Webサーバで認証した利用者名に関する情報はWebサーバのログに出力されています。
Webサーバのログに出力されていない場合には、出力するようにWebサーバを設定してください。
Cookieに設定したIDで利用者を特定する
WebサーバでCGIを利用して認証を行い、CGIで認証したユーザ名をCookieに設定している場合には、Cookie情報がWebサーバのログに出力されるように、Webサーバを設定します。
Webサーバの設定例を示します。
Microsoft(R) Internet Information Services 6.0の場合
[スタート]メニューから以下のように選択し、インターネットサービスマネージャを起動します。
[スタート]
→ [プログラム]
→ [管理ツール]
→ [インターネット サービス マネージャ]
注意
環境が上記と異なる場合は、環境にあわせて操作してください。
拡張ログのプロパティを設定します。
拡張ログのプロパティを設定するWebサイトにマウスをあわせて、拡張ログのプロパティ設定画面を表示します。
以下をチェックし、[完了]ボタンを押下します。
Cookie ( cs(Cookie) )
Webサーバのログを退避します。
拡張ログのプロパティ設定画面で、ログに出力される情報を変更すると、ログの出力形式が変更されます。
注意
Systemwalker Service Quality Coordinatorに対しては新しいログの出力形式を定義するため、変更前のログは出力形式が異なり、分析エラーとなりますので、設定変更前のログは退避し、削除してください。
Apacheの場合
【Windows版】
[スタート]メニューから以下のように選択し、コンフィギュレーションファイルを開きます。
[スタート]
→ [プログラム]
→ [Apache Web Server]
→ [Management]
→ [Edit Configuration]
注意
環境が上記と異なる場合は、環境にあわせて操作してください。
ログの出力形式を設定します。
ログ関連の定義部分に以下の行を追加します。
ここでは、デフォルトのログ形式であるcommon形式にCookie情報の出力定義を追加する場合の例を示します。
#CustomLog logs/access.log common ※コメントにする
CustomLog logs/access.log "%h %l %u %t \"%r\" %>s %b %{cookie}i"
参照
詳細については、Apacheのマニュアルを参照してください。
定を反映します。
上書き保存してエディタを終了します。Apache HTTP Serverが起動中の場合、再起動します。
【UNIX版】
エディタでコンフィギュレーションファイルを開きます。
ログの出力形式を設定します。
ログ関連の定義部分に以下の行を追加します。
ここでは、デフォルトのログ形式であるcommon形式にCookie情報の出力定義を追加する場合の例を示します。
#CustomLog logs/access_log common ※コメントにする
CustomLog logs/access_log "%h %l %u %t \"%r\" %>s %b %{cookie}i"
参照
詳細については、Apacheのマニュアルを参照してください。
設定を反映します。
上書き保存してエディタを終了します。Apache HTTP Serverが起動中の場合、再起動します。
クライアントホストで利用者を特定する
通常は、クライアントホストに関する情報はWebサーバのログに出力されています。
Webサーバのログに出力されていない場合には、出力するようにWebサーバを設定してください。
利用者の特定方法に合わせて、利用状況DB環境定義ファイルの分析対象ログ定義ブロックの“Format”を設定します。
Webサーバで認証した利用者名で特定する
Webサーバログの出力形式に合わせて、Formatに“c-user”トークンを指定します。
Cookieに設定したIDで利用者を特定する
Webサーバログの出力形式に合わせて、Formatに“c-cookie”トークンを指定します。“c-cookie”トークンを指定する際には、Cookie情報として出力されている内容に合わせて、Cookieのフォーマットを定義します。
以下に、定義例を示します。
WebサーバログのCookie情報の出力形式
“ID001;20020401” (ID001が利用者名)
[Server] Symbol = PUBLIC <-- 省略 --> [Log] Symbol = WWW <-- 省略 --> Format = "s-time{yyyy-mm-dd HH:MM:SS} c-host s-method s-url s-status s-bytes \"c-cookie{id;*}\"" <-- 省略 --> |
クライアントホストで利用者を特定する
Webサーバログの出力形式に合わせて、Formatに“c-host”トークンを指定します。
利用状況分析画面において、利用者の特定方法に合わせて、分析観点を指定します。
Webサーバで認証した利用者名で特定する
利用状況分析画面において、分析観点として、“認証ユーザ名別”を指定します。
Cookieに設定したIDで利用者を特定する
利用状況分析画面において、分析観点として、“アクセスID別”を指定します。
クライアントホストで利用者を特定する
利用状況分析画面において、分析観点として、“クライアントホスト名別”または“クライアントIPアドレス別”を指定します。
クライアントホストで利用者を特定し、分析した場合の画面を以下に示します。