ここでは、Disaster Recovery環境の導入について説明します。
以下の流れで、Disaster Recovery環境を導入します。
セットアップのための事前準備
運用サイトとバックアップサイトに対して、セットアップの事前準備を行います。
詳細は、「導入ガイド CE」の「第3章 本製品導入のための設計」を参照してください。
ストレージ装置のレプリケーションについて
ストレージ装置のレプリケーション機能を用いて運用サイトの情報をバックアップサイトに複製してください。
このストレージのレプリケーションは、「14.1.3 ストレージ筺体の高可用性」の機能を使用します。
Disaster Recoveryの運用ができるストレージは、事前に作成されたLUNまたはETERNUSのダイナミックLUNミラーリングのストレージです。ストレージのレプリケーションの前提条件の詳細については、「導入ガイド CE」の「3.4.2 ストレージ筺体の高可用性の設計」を参照してください。
運用サイトでは、バックアップサイトのディスクリソースが検出されている必要はありません。そのため、バックアップサイトのストレージ装置を運用サイトのサーバに接続する必要はありません。
なお、本製品インストール時に指定するイメージファイル格納フォルダーを、レプリケーション対象のストレージ上に構築してください。イメージファイル格納フォルダー配下のイメージファイルも同様に複製してください。
注意
ETERNUSのダイナミックLUNミラーリングを使用する場合、仮想ストレージリソースは使用しないでください。仮想ストレージリソースを使用するとDisaster Recoveryの切替えで実施するインポートが失敗します。
ETERNUSのダイナミックLUNミラーリングを使用する場合、運用サイトからバックアップサイトに一度切り替えた時点で事前に作成されたLUNに切り替わります。それ以降に切替えを行うためには事前に作成されたLUNのレプリケーションの環境を構築する必要があります。
ストレージ装置のレプリケーション機能を利用してオンライン中のデータを転送している途中に異常が発生した場合、データの状況によってはシステムが正常に復旧できないことがあります。
運用サイトでも定期的にバックアップを行ってください。
ディレクトリサービスの設定について
ディレクトリサービスの設定は、運用サイトとバックアップサイトで合わせてください。
物理L-Serverを作成する場合
「導入ガイド CE」の「付録D 物理L-Server作成のための設計と設定」を参照してください。
サーバ仮想化ソフトウェアを利用してL-Serverを作成する場合
「導入ガイド CE」の「4.4.2 サーバ仮想化ソフトウェアの設定」を参照してください。ただし、VM管理製品は、運用サイトの物理L-Server上に構築するため、バックアップサイト側では構築する必要はありません。
VMwareの仮想L-Serverを使用する場合
VMホストに対して以下のコマンドを入力し、複製されたLUNの検出を無効にしてください。
>esxcfg-advcfg -s 0 /LVM/DisallowSnapshotLUN <RETURN> |
ネットワーク機器の自動設定機能を使用している場合
以下のファイルおよびフォルダーをバックアップサイトにコピーしてください。
インストールフォルダー\SVROR\Manager\etc\customize_data\network_device_model.xml
インストールフォルダー\SVROR\Manager\etc\scripts\
インストール
運用サイトとバックアップサイトに対して、本製品をインストールします。
詳細は、「導入ガイド CE」の「第5章 インストール/アンインストール」を参照してください。
運用サイトとバックアップサイトの切替えを繰り返し行う場合、マネージャーを搭載するサーバのホスト名は毎回変更する必要があります。また、一度使用したホスト名は使用できません。
Disaster Recoveryを使用する場合、"DR option"のライセンスが必要です。
本製品のインストールを行った後、運用サイトおよびバックアップサイトに"DR option"のライセンスを登録してください。
ライセンスの登録方法については、「導入ガイド CE」の「7.1 ログイン」を参照してください。
セットアップ
運用サイトとバックアップサイトに対して、本製品のセットアップを行います。
詳細は、「導入ガイド CE」の「第8章 セットアップ」を参照してください。
Disaster Recovery環境は、以下のように設定してください。
以下のチューニングパラメーターは、運用サイトとバックアップサイトですべて同じ値を設定してください。
インストールフォルダー\SVROR\Manager\rails\config\rcx\vm_guest_params.rb
チューニングパラメーターの設定については、「リファレンスガイド (リソース管理) CE」の「4.4 L-Serverの作成または起動以外の、L-Serverの操作」の「仮想L-Serverを停止すると「メッセージ番号 69122」が表示され、L-Serverの停止に失敗する。」を参照してください。
サーバツリーとネットワークデバイスツリーに登録するリソース名および管理製品ツリーに登録する管理製品名は、運用サイトとバックアップサイトで同じにしてください。
L-Server作成時にIPアドレスを自動的に割り当て、サーバプールからサーバを自動選択する運用を行っている場合、運用サイトのサーバに指定するIPアドレスとバックアップサイトのサーバに指定するIPアドレスを重複しないようにしてください。
管理サーバの管理LANに使用しているIPアドレスは、運用サイトとバックアップサイトで同じIPアドレスを設定してください。
以下の設定は、運用サイトとバックアップサイトで、それぞれの環境に合わせた情報にしてください。
インストールフォルダー\SVROR\Manager\etc\storage\emc配下
インストールフォルダー\SVROR\Manager\etc\customize_data\storage_portset.rcxprop
インストールフォルダー\SVROR\Manager\etc\customize_data\fc_connection_pattern配下
仮想L-Serverを利用する場合、以下をそれぞれ動作させる必要があります。
物理L-ServerにVM管理製品を動作させるサーバ
VMホスト
管理するリソースの名前は、運用サイトとバックアップサイトのリソース名が簡単に関連付けられるように、簡単な名前を設定することをお勧めします。
運用サイトとバックアップサイトの証明書は一致させる必要があります。バックアップサイトのマネージャーをインストールした際に、以下のファイルを運用サイトからコピーしてください。このとき、マネージャーを停止して実行してください。
なお、複数の運用サイトを1つのバックアップサイトで引き継ぐシステム構成にした場合、最初に作成した運用サイトのマネージャーのファイルを、ほかの運用サイトのマネージャーにもコピーしてください。
インストールフォルダー\SVROR\Manager\etc\opt\FJSVssmgr\current\certificate
インストールフォルダー\SVROR\Manager\etc\opt\FJSVrcxdm\certificate
インストールフォルダー\SVROR\Manager\sys\apache\conf\ssl.crt
インストールフォルダー\SVROR\Manager\sys\apache\conf\ssl.key
アクセス権限のカスタマイズを行った権限の変更は、バックアップサイトには引き継がれません。被災時は切替えが完了したあとに再度変更してください。
サーバNIC定義の設定
ブレードサーバを利用する際にネットワーク自動設定のデフォルト構成以外のNICを利用する場合、サーバNIC定義を作成し、マネージャーに反映します。
バックアップサイトのサーバNIC定義は、事前に運用サイトと同様に作成し、マネージャーに反映します。
作成したサーバNIC定義は、rcxadm nicdefctl commitコマンドを実行し、マネージャーに反映します。
サーバNIC定義については、「リファレンスガイド (リソース管理) CE」の「2.11 サーバNIC定義」を参照してください。
rcxadm nicdefctl commitコマンドについては、「リファレンスガイド (リソース管理) CE」の「1.7.16 rcxadm nicdefctl」を参照してください。