クラスタシステム運用時の注意事項を以下に示します。
クラスタシステム運用時には、物理ホスト名をノード名としてください。
運用管理サーバをクラスタシステム上で動作させているときは、以下の機能は利用できません。
プライマリノード、セカンダリノードで発生したイベントの監視を相互に監視
運用管理サーバ上で動作するアプリケーションの監視/管理
セカンダリノード(待機系)にアプリケーション管理/サーバ性能監視のポリシーを配付
クラスタシステムを監視する場合の注意
クラスタシステムが、起動、停止またはフェールオーバしたときに、両ノードに論理インタフェースが検出される場合があります。この場合は、クラスタシステムに対して、再度ノード検出、またはノード状態の表示を実施してください。
論理インタフェースが常に停止状態で通知される場合は、クラスタ運用管理ビューで、状態を確認し、対処してください。
WWWサーバに関する注意事項
Systemwalker Centric Managerのクラスタシステム運用時では、WWWサーバへ論理IPアドレスを通してアクセスを行います。このため、WWWサーバへ物理IPアドレスを使って運用する場合は、WWWサーバへ複数のIPアドレスからアクセスできるように設定する必要があります。設定方法については、使用するWWWサーバの説明書を参照してください。なお、Interstage Application Serverを使用する場合は、以下の注意が必要です。
Interstage Application Serverの場合
複数のIPアドレスの設定ができないため、WWWサーバでは論理IPアドレスを使用するように設定してください。この場合、物理IPアドレスを使ってWWWサーバへアクセスすることはできません。
運用管理クライアント起動時の注意点
運用管理クライアントでSystemwalkerコンソールを起動したときに指定する接続先のホスト名には、Systemwalker Centric Manager用グループのネットワーク名を指定してください。なお、事前に運用管理クライアントのhostsファイルには、プライマリノード、セカンダリノード、およびSystemwalker Centric Manager用グループのネットワーク名の定義を行ってください。
ノード検出時の注意事項
検出モードを“高速”にした場合、論理インタフェースを持つノードの論理IPアドレスを独立したノードとして、検出することがあります。その場合は、独立して検出されたノードを削除し、検出対象を“既存ノードの更新”として、ノード検出を実施してください。
なお、検出モードに“確実”または“カスタム”を選択し、“ARPテーブルを参照する”のチェックを外した場合は、本現象は発生しません。
切り替え発生時の注意点
以下に切り替え発生時の注意について説明します。
Systemwalkerコンソールの運用に関する注意事項
フェールオーバが発生した場合、[Systemwalkerコンソール]は、以下のメッセージボックスを出力します。
“サーバとの通信に失敗しました”
“Systemwalkerコンソールが終了しました”
“構成情報のアクセスに失敗しました”
これらのメッセージボックスを出力したままの状態で、運用管理サーバのサービスの自動切り替えが行われた場合、クラスタ共有ディスクの所有権も変更となり、[Systemwalkerコンソール]の終了に失敗する場合があります。
また、以下の条件でフェールオーバが発生したとき、以後の処理の場合に、異常を発生するときがあります。その場合は、Systemwalker Centric Managerのサービスを再起動した後、[Systemwalkerコンソール]を再起動してください。
ツリー切り替え中
ツリー削除中
フォルダ削除中
ルートフォルダ配下を監視中
ローカルユーザでログインした場合、フェールオーバまたはフェールバックが発生すると、“ログインしたユーザは参照権以上の権限がありません。再ログインしてください。”という旨のメッセージが出力されることがあります。この場合、[Systemwalker Webコンソール]にログインし直してください。
なお、[Systemwalker Webコンソール]のログイン画面で指定したユーザは、以下の順に検索されます。
ローカルコンピュータ
ドメイン
信頼関係のあるドメイン
(ローカルコンピュータとドメイン上に同じ名前のユーザが存在する場合は、ローカルコンピュータのユーザでログインします。)
クラスタシステム運用時は、ドメインユーザでのご使用をお薦めします。
ポリシー配付時の注意事項
運用管理サーバ自身にポリシー配付する場合、ポリシーを適用するタイミングは、[すぐに適用する(配付先のサービスを再起動する)]を選択してください。
[すぐに適用する(配付先のサービスを再起動する)]を選択してポリシーを配付した場合は、クラスタ運用管理ビューを起動し、サービスビューでCentric Manager用クラスタサービスを再起動してください。
資源配付に関する注意事項
クラスタシステム上で資源配付を使用する場合、以下の点に注意してください。
運用管理サーバに接続する運用管理クライアント、部門管理サーバ、および業務サーバの通知スケジュールの通知あて先は、論理IPアドレスを指定してください。
運用管理サーバ自身に資源を適用することはできません。
運用管理サーバの物理IPアドレスに対して、配付操作を行った場合、処理が失敗します。
資源配付の管理ファイルは、自動的に共有ディスク上に作成されますが、ユーザが別の場所に管理ファイルを設定する場合は、必ず共有ディスク上のパスを設定してください。
運用管理サーバ自身のインベントリ情報の収集はできません。
アプリケーション管理に関する注意事項
クラスタシステム上でアプリケーション管理を使用する場合、以下の点に注意してください。
アプリケーション管理のポリシーを設定する場合、プライマリノード、セカンダリノードそれぞれにポリシーを配付してください。
運用管理サーバがクラスタ運用している場合、セカンダリノード上のアプリケーション管理は動作しません。
Systemwalker Operation Managerと共存する場合の注意事項
運用管理サーバにSystemwalker Operation Managerをインストールした場合、以下の点に注意してください。
Systemwalker Operation Managerの自動運用支援(イベントアクション機能)は、Systemwalker Centric Managerの機能として動作し、システム監視と一緒にフェールオーバするため、片方のノードでしか動作しません。
セキュリティ情報に関する注意事項
セキュリティ情報とは、ロールに所属するユーザに関する情報、またはツリーに対するアクセス権に関する情報のことです。
以下の設定で、フェールオーバ時、画面のアクセス権の定義情報が、セカンダリノードに引き継がれます。
ユーザ情報をOSで管理する場合もSystemwalker共通ユーザー管理機能を使用して管理する場合も、ユーザ情報の管理方法はプライマリノードとセカンダリノードとで同一にしてください。
ユーザ情報をOSで管理する場合もSystemwalker共通ユーザー管理機能を使用して管理する場合も、プライマリノードとセカンダリノードのOS上に登録されているSystemwalker Centric Manager用のユーザ情報(ユーザID、グループ)を同一にしてください。
ユーザ情報をSystemwalker共通ユーザー管理機能を使用して管理する場合は、接続先のSystemwalker認証リポジトリはプライマリノードとセカンダリノードとで同一にしてください。
プライマリノードで、画面のアクセス権を定義します。
画面のアクセス権の定義方法については、“Systemwalker Centric Manager 使用手引書 監視機能編”および“Systemwalker Centric Manager 使用手引書 資源配付機能編”を参照してください。
Systemwalker Centric Managerを使用するユーザ、グループが、プライマリノード、セカンダリノードで同一となっていない場合などに、ノードの切り替え時に、イベントログに以下のような警告メッセージが出力されることがあります。
リストア(移行)できなかったアクセス権情報があります。詳細は、XXXX(=ファイル名)を参照してください。 |
上記メッセージが出力された場合は、詳細情報を参照して原因を取り除き、Administratorsグループに所属するユーザで以下の手順を行い、切り替え発生前の運用系のセキュリティ情報を移行してください。
ノードの切り替えの運用系ノードで、定義情報を抽出します。
以下のコマンドを実行します。
dmmkbat -d -f ファイル名 |
指定するファイルの拡張子は、batにしてください。抽出した情報は、指定したバッチファイルに出力されます。
運用系に切り替わったノードに、バッチファイルを転送します。
バッチファイルの転送先は、任意のディレクトリを使用してください。
運用系に切り替わったノードで、転送したバッチファイルを実行します。
バッチファイルは、Administratorsグループに所属するユーザで実行してください。
監査ログ管理を使用する場合の注意事項
ログの収集は、プライマリノード、セカンダリノードで実施してください。
監査ログ管理に関する注意事項
クラスタシステム上で監査ログ管理機能を使用する場合、以下の点に注意してください。
監査ログ管理機能は、クラスタサービスに登録されません。監査ログ管理機能の収集処理は、運用系の切り替えが発生した場合も継続します。
運用管理サーバ自身のホスト名から、物理IPアドレスを求めることができない場合は、ログ収集コマンド(mpatmlog)を以下のように変更してください。
mpatmlog -H サーバ名 [部門管理サーバ/業務サーバから運用管理サーバへ通信できる運用管理サーバのIPアドレス] |
mpatmlog(ログ収集コマンド)の詳細については、"Systemwalker Centric Manager リファレンスマニュアル"を参照してください。
クラスタ環境で動作環境を変更する場合の注意事項
クラスタ運用している運用管理サーバで動作環境の変更を行った場合は、クラスタアドミニストレータで以下のサービスリソースをいったんオフラインにした後、オンラインにしてください。
CentricMGR MpDTPServer
CentricMGR MpDTPReceiver