フェイルオーバは、クラスタシステムにおいて1台のノードに異常が発生した場合、そのノード(運用系のRDBシステム)で稼動していた業務を別のノード(待機系のRDBシステム)に引き継ぐ機能です。
フェイルオーバを行うための運用を、フェイルオーバ運用と呼びます。
Symfoware Serverでは、フェイルオーバを実現し、これにより可用性の高いシステムを構築することができます。
フェイルオーバを実現するためのSymfoware Serverの機能には、以下の2つがあります。
スタンバイ機能
ホットスタンバイ機能
スタンバイ機能は、フェイルオーバの中で、ノードに異常が発生し、切替えを行う際に待機系のRDBシステムを起動し、業務を引き継ぐ機能です。
ホットスタンバイ機能は、あらかじめ待機系のRDBシステムを起動させた状態で待機させて、業務を引き継ぐ機能です。スタンバイ機能に比べて、システムダウン後の再起動時間がないため、クラスタ切替え時間が短くなります。
図1.1 フェイルオーバの概要
Symfoware Serverは、Solaris上のPRIMECLUSTERのクラスタシステムのもとで動作することにより、可用性の高いシステムを実現します。以下にそのシステムの特長を示します。
フェイルオーバ運用は、運用ノードでの異常の発生を契機に、対応する待機ノードを運用ノードに切り替えて活性化します。ノード間の相互監視およびノードの切替えは、PRIMECLUSTERが行います。Symfoware Serverは、このPRIMECLUSTERにノード間の相互監視をゆだねることで、システムで一貫性のあるノード切替えを実現します。
フェイルオーバ運用は、サーバシステムの冗長化によって、ハードウェアや各種ソフトウェアに異常が発生してシステムダウンした場合、業務活動への影響を最小限にすることができます。また、サーバシステムの運用形態によって、二重故障に対応したシステム構築が可能となります。
単一システムの場合、現実的には利用者がシステム異常と認識して、処置を行うまでの思考時間が必要ですが、フェイルオーバを利用することにより、システムが自動的な診断結果を元に、システム切替えを促進します。そのため、単一システムと比較してシステムの稼働率が向上します。
Symfoware Serverでは、リレーショナルデータベースに対しフェイルオーバによる可用性の高い運用を行うことができます。
Symfoware Serverでは、ホットスタンバイ機能により、フェイルオーバ運用での切替え時間の高速化を実現します。
Symfoware Serverでは二重故障時でも業務の継続が可能な高可用性システムに対応した運用形態を実現します。これにより、さらなる可用性の向上が可能となります。