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ServerView Resource Orchestrator Cloud Edition V3.1.0 設計ガイド
ServerView

9.5 業務LANをIPv6ネットワークにする場合

業務LANでIPv6ネットワークを構築する場合、運用する層の形態によって必要になるネットワーク機器、および必要な設定が異なります。

注意

  • 本製品では、IPv6のアドレス管理は行いません。

    インフラ管理者とテナント管理者でアドレス管理を行ってください。

  • 業務LAN上のIPv6パケットが管理LANを通って管理サーバや監視対象サーバ・装置に到達するネットワーク構成についてはサポートしていません。

表9.8 業務LANのIPv6ネットワークに必要なネットワーク機器

運用形態

必要なネットワーク機器

必要な設定

固定IPアドレスでほかのサーバからアクセスされます。

特に必要なし

サーバのOSのIPv6アドレスを設定します。

ほかのサーバにクライアントとして接続します。
IPアドレスはサーバの自動設定に任せます。

IPv6ルータ

IPv6ルータにプレフィックスとRA M/Oフラグを設定します。

DNSで公開した名前でほかのサーバからアクセスされます。
IPアドレスはサーバの自動設定に任せます。

IPv6ルータ

IPv6ルータにプレフィックスとRA M/Oフラグを設定します。

DHCPv6サーバ

DHCPv6サーバにDNSのアドレスを登録します。

DNSサーバ

DNSサーバをIPv6のネットワークに接続できるように設定します。

DNSサーバに、サーバに設定したIPv6アドレスと公開するドメイン名を設定します。

DNSで公開した名前でほかのサーバからアクセスされます。
IPアドレスはDHCPv6サーバを使って固定IPアドレスを払い出します。

IPv6ルータ

IPv6ルータにプレフィックスとRA M/Oフラグを設定します。

DHCPv6サーバ

DHCPv6サーバにDNSのアドレスを登録します。

DHCPv6サーバに、サーバの識別子(DUID)、およびNICの識別子(IAID)と、IPv6アドレスをペアとしたエントリーを追加します。

DNSサーバ

DNSサーバをIPv6のネットワークに接続できるように設定します。

DNSサーバに、サーバに設定したIPv6アドレスと公開するドメイン名を設定します。

注) サーバのIPアドレス自動設定でIPアドレスが変わると、DNSキャッシュなどの更新が終わるまで一時的にサーバにアクセスできないことがあります。これを避けるには、サーバのIPアドレス自動設定を、時間によってアドレスが変化しない方式(EUI-64やOSの独自方式)にしてください。

参考

  • イメージ配備後にIPv6をすぐ使用するためには、イメージ採取前に採取対象のOS上で以下を行ってください。

    • IPv6を有効にする

    • 手動で設定したIPv6アドレスがある場合、IPv6アドレスを削除する

  • 本製品では、以下のL-Serverだけ、業務LANでIPv6ネットワークを利用できます。

    • 物理L-Server

    • 仮想L-Server(VMwareだけ)

各機器に対して必要な設定の詳細は、各機器のマニュアルを参照してください。


業務LANに割り当てるIPv6プレフィックスの設計について

割り当てられたGUAを元に、個々の業務LANに割り当てるIPv6のアドレス範囲(プレフィックスとネットワークID)を設計する場合の設計例を示します。

サーバの自動設定を選択できるように、1つのネットワークには、プレフィックスを/64の単位で割り当てます。

3階層モデルの場合、4つのネットワーク("業務LANのネットワーク"が3つ、"IPv4/v6ルータからファイアーウォール間のネットワーク"が1つ)が必要なため、1つのL-Platformにプレフィックス長/62を割り当てることになります。

また、経路設定を静的に行う場合、IPv6ルータにルーティング設定を行います。IPv6ルータのルーティング設定の方法については、IPv6ルータのマニュアルを参照してください。

図9.18 IPv6ネットワークの業務LAN構成例