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ServerView Resource Orchestrator Express/Virtual Edition V3.1.0 設計ガイド
ServerView

D.3 利用する製品別の機能

ここでは、サーバ仮想化ソフトウェアを管理対象サーバとした場合、管理対象とした製品により異なる機能について説明します。


VMゲスト名について

サーバ仮想化ソフトウェアごとのVMゲスト名の表示について説明します。

【VMware】
RORコンソールで表示するVMゲスト名は、VMwareのVM名またはゲストOSのホスト名になります。
ゲストOSのホスト名は、以下のようにVMware Toolsをインストールし、VMゲストを一度起動したあと表示されます。

なお、VM名に記号を設定した場合、パーセント("%")と2桁16進数の文字コード(例: "%5c")で表示される場合があります。また、VMwareの管理画面上でも、ツリーを除く一部の画面では同様に表示されます。

【Hyper-V】
RORコンソールで表示するVMゲスト名は、Hyper-VのVM名またはゲストOSのホスト名になります。
ゲストOSのホスト名は、VMゲストを一度起動したあと表示されます。

【Xen】
RORコンソールで表示するVMゲスト名は、VMホスト登録時のXenのVM名になります。
VMゲストが登録されたあと、Xenの管理クライアントからVM名を変更しても、RORコンソール上のVMゲスト名は変更されません。

【Solarisコンテナ】
RORコンソールで表示するVMゲスト名は、Solarisコンテナ作成時に設定するSolarisゾーン名になります。


VMゲストの電源操作について【Xen】【KVM

VMゲストの表示について【Solarisコンテナ】

SolarisコンテナのOSインストール前のSolarisゾーンは、VMゲストとして表示されません。


サーバ仮想化ソフトウェアの高可用性機能について

サーバ仮想化ソフトウェアの製品ごとに高可用性機能が異なります。各機能については、各サーバ仮想化ソフトウェアまたはOSのマニュアルを参照してください。

表D.6 サーバ仮想化ソフトウェアの製品別高可用性機能

サーバ仮想化ソフトウェア

高可用性機能

VMware

VMware HA

Hyper-V

フェールオーバー クラスタ

Xen/KVM

HA

Solarisコンテナ

なし


物理サーバとVMゲスト(サーバ仮想化ソフトウェアの高可用性機能)での、予備サーバ共有可否について

本製品では、以下の環境の場合、物理サーバとVMゲスト(サーバ仮想化ソフトウェアの高可用性機能)での予備サーバ共有ができます。

  1. VMゲストに対する高可用性機能の予備サーバとして、VMゲストが動作していないVMホストを指定する

  2. 物理OSのサーバ切替えの設定で、予備サーバとしてa.で指定したVMホストが動作している物理サーバを指定する

また、サーバ仮想化ソフトウェアの製品ごとに、予備サーバとして利用できるかは、「D.1 製品間で共通の提供機能」を参照してください。


VMホストの起動ディスク上にVMゲストが存在する場合のVMホストのバックアップ・リストアについて

サーバ仮想化ソフトウェアの製品によって、VMホストの起動ディスク上にVMゲストが存在する場合の動作が異なります。

【VMware】
VMゲストはバックアップ・リストアされません。

【Hyper-V】
VMゲストも合わせてバックアップ・リストアされます。ただし、VMホストの起動ディスク上に存在するデータだけバックアップ・リストア対象になります。

【Xen】【KVM】
VMゲストも合わせてバックアップ・リストアされます。ただし、VMホストの起動ディスク上に存在するデータだけバックアップ・リストア対象になります。

【Solarisコンテナ】
サポートしていません。

表D.7 サーバ仮想化ソフトウェアの製品別バックアップ・リストア対象

ディスク

パーティション

バックアップ・リストア対象

VMware

Hyper-V

Xen

KVM

Solarisコンテナ

1台目

VMホスト

×

swap

× (注1)

-

× (注1)

× (注1)

×

VMゲスト

× (注2)

×

データ

×

2台目

VMゲスト

×

×

×

×

×

データ

×

×

×

×

×

注1) バックアップ時には、swap領域のデータは採取されません。リストア時には、swap領域のパーティション設定が復元されます。
注2) VMFS領域はバックアップ・リストアの対象になりません。


VMゲストのサーバ間の移動(マイグレーション)について

VMware、Hyper-Vに対してVMゲストのサーバ間の移動を利用する場合、移動元と移動先のVMホストを管理するVM管理製品(VMware vCenter Serverなど)の登録が必要です。
また、サーバ仮想化ソフトウェアの製品ごとに、以下の注意事項があります。詳細は、サーバ仮想化ソフトウェアのマニュアルを参照してください。

【VMware】
移動元のVMホストと移動先のVMホストが、VM管理製品上で同一クラスタに登録されている必要があります。
VM管理製品のクラスタについては、サーバ仮想化ソフトウェアのマニュアルを参照してください。

【Hyper-V】
移動元のVMホストと移動先のVMホストがWindows Server 2008のフェールオーバー クラスタにより、クラスタ構成になっている必要があります。
フェールオーバー クラスタについては、OSのマニュアルを参照してください。

【Xen】
Citrix XenServerの場合、VMゲストのライブマイグレーションを行ったとき、VMゲストを一時的にサスペンド状態に変更してからサーバ間の移動を行い、そのあとレジュームする場合があります。VMゲストのサーバ間移動動作の詳細や、一時的にサスペンド状態になる条件などについては、サーバ仮想化ソフトウェアのマニュアルを参照してください。

【Solarisコンテナ】
共有ディスク上に作成した非大域ゾーンをコールドマイグレーションすることができます。
Cloud Edition で、サーバ管理製品を登録した場合に操作できます。
二重マウントを避けるため、共有ディスクの自動マウント設定は無効にしてください。
マイグレーションするVMホスト間でパッケージのバージョンをあわせてください。
マイグレーションする先のVMホストに、VMゲストが使用しているものと同名の Solarisコンテナのリソースプールと物理インターフェースがあることを確認してください。


VMゲストのサーバ間移動で利用できる移動方式と用語は、サーバ仮想化ソフトウェアの製品ごとに異なる場合があります。本製品では、異なる製品間での操作を統一するため、以下の用語を使用しています。

表D.8 VMゲストのサーバ間移動の用語

本製品の用語

VMwareの用語

意味

ライブマイグレーション

VMotion

電源ON状態で移動

コールドマイグレーション

コールドマイグレーション

電源OFF状態で移動


VMゲストの状態について

VMゲストを管理しているサーバ仮想化ソフトウェアの製品の構成によって、VMゲストの状態に反映される値が異なります。

【VMware】

【Hyper-V】

【Xen】【KVM】
"normal"、"unknown"、"stop"、"error"だけ表示されます。

【Solarisコンテナ】
"normal"、"unknown"、"stop"だけ表示されます。


VMメンテナンスモードについて

VMメンテナンスモードは、サーバ仮想化ソフトウェアの製品によって用語が異なる場合があります。VMメンテナンスモードの設定が必要になる場合や、設定できる条件、機能の詳細などについては、サーバ仮想化ソフトウェアのマニュアルを参照してください。

表D.9 VMメンテナンスモード

サーバ仮想化ソフトウェア

サーバ仮想化ソフトウェアでの用語

VMware

メンテナンスモード

Hyper-V

メンテナンスモード (注1)

Xen

メンテナンスモード (注2)

Solarisコンテナ

なし

注1) VM管理製品(System Center Virtual Machine Manager)での用語です。VM管理製品と連携することで、VMメンテナンスモードの設定/解除を利用できます。
注2) Citrix XenServerの用語です。Red Hat Enterprise Linux 5 Linux仮想マシン機能では同様の機能は提供されていません。
また、本製品からVMメンテナンスモードを設定する場合、サーバ仮想化ソフトウェアの製品ごとに、以下の注意事項があります。


【VMware】
VMホストをメンテナンスモードに設定した場合、そのVMホスト上のVMゲストはすべて移動します。

VMゲストを移動せずにメンテナンスモードを設定する場合、VMware vCenter Serverから行ってください。

VMゲストの状態により以下の動作をします。

表D.10 VMメンテナンスモード設定時の動作

vSphere DRSの設定あり

vSphere DRSの設定なし

電源ONのVMゲストが存在する

VMゲストが移動し、VMメンテナンスモードに設定されます。

VMゲストは移動せず、VMメンテナンスモードの設定に失敗します。

電源ONのVMゲストが存在しない

VMゲストが移動し、VMメンテナンスモードに設定されます。

VMゲストが移動し、VMメンテナンスモードに設定されます。

【Hyper-V】
VMホストが本製品に登録されているVM管理製品に、管理されている必要があります。

【Xen】
Citrix XenServerの場合、プールマスタとして設定されているVMホストに対してVMメンテナンスモードは設定できません。
VMメンテナンスモードを設定する場合、プールマスタを同じリソースプール内の別のVMホストに変更してください。


本製品以外からの操作でVMゲストが移動した場合について

本製品でVMゲストの操作を行ったときに、本製品以外からの操作でVMゲストが移動した(注)場合、本製品で行った操作が失敗することがあります。本製品での操作に失敗した場合、RORコンソールのメニューで[操作]-[更新]を選択し、画面を更新したあと、VMゲストが移動していないか確認してください。

【Xen】
Citrix XenServerの場合、リソースプールに登録されたVMホストで起動しているVMゲストにHome serverが設定されていないと、電源OFF後、VMゲストとVMホストの関連付けがなくなるため、本製品から認識できなくなります。画面を更新したあと、VMゲストがいなくなった場合、Home serverが設定されているか確認してください。


注) サーバ仮想化ソフトウェアの持つ、VMゲストを自動的に移動させる機能を利用している場合や、サーバ仮想化ソフトウェアの管理画面からVMゲストの移動を行った場合です。サーバ仮想化ソフトウェアの持つ、VMゲストを自動的に移動させる機能については、サーバ仮想化ソフトウェアのマニュアルを参照してください。


リソースプールを利用する場合【Xen】

Citrix XenServerの場合、リソースプールを利用中、かつ、プールマスタと通信できない状態になると、リソースプール内のVMホスト、VMゲストの情報更新や操作が行えない状態になります。VMゲストがunknownになった場合や操作に失敗した場合は、プールマスタの状態を確認してください。プールマスタと通信できない場合、通信できるように復旧するか、プールマスタを別のVMホストに変更してください。

Citrix XenServerの高可用性機能を有効にすると、プールマスタと通信できない状態になっても、プールマスタを別のVMホストに自動的に変更します。結果、継続的に情報更新や操作を行えるようになります。

リソースプールや高可用性機能については、サーバ仮想化ソフトウェアのマニュアルを参照してください。


VM管理製品を登録した場合のVMホスト名について

VM管理製品を登録した場合の、サーバ仮想化ソフトウェアごとのVMホスト名の表示について説明します。

VM管理製品を登録した場合、RORコンソールで表示するVMホスト名は、VM管理製品から取得したVMホストのホスト名になります。

【VMware】
vCenter Serverの認識するVMホストのホスト名は、vSphere ClientでvCenter Serverに接続し、[表示 (W)]-[インベントリ (I)]-[ホストおよびクラスタ (H)]を選択した際に表示されるVMホストの名前になります。

【Hyper-V】
SCVMMの認識するVMホストのホスト名は、SCVMM管理者コンソールでホストを表示した際の、ホストの名前になります。