ここでは、クローニングイメージの採取について説明します。
以下の手順で、クローニングイメージの採取を行います。
OSのインストール後に、対象のL-Serverを停止してください。
オーケストレーションツリーで対象のL-Serverを右クリックし、表示されたメニューで[クローニング]-[採取]を選択します。
<OK>ボタンをクリックします。
クローニングイメージが採取されます。
クローニングイメージは同じ名前で世代管理できます。
ポイント
クローニングイメージ採取の際、イメージ格納先の指定を省略すると、採取対象のL-Serverが使用しているディスクと同じストレージプールから、VMホストからアクセス可能なディスクが自動選択されます。
作成するL-ServerのOSにおいてIPアドレスやホスト名を自動設定する場合、使用するクローニングイメージのOS種別によって、事前準備や条件が違いますので、以下に従ってください。
OS種別がLinuxのクローニングイメージを使用する場合
事前準備はありません。
OS種別がWindowsのクローニングイメージを使用する場合
OS自動設定機能をサポートするOS版数
Microsoft(R) Windows Server(R) 2008 R2
上記以外はOSタブに入力しても設定されません。
事前準備
以下の事前準備を行ってください。
ホストOSに以下のパッケージのインストールを行ってください。
- guestfish.x86_64
- libguestfs-mount.x86_64
- libguestfs-tools-c.x86_64
- libguestfs-tools.x86_64
- perl-Sys-Guestfs.x86_64
- perl-Sys-Virt.x86_64
- perl-XML-Parser.x86_64
- perl-XML-Writer.noarch
- perl-XML-XPath.noarch
- perl-libintl.x86_64
- libguestfs-winsupport.x86_64
なお、libguestfs-winsupportは、Red Hat Networkの"RHEL V2VWIN (v. 6 for 64-bit x86_64)"チャンネルから入手してください。
詳細は、「Chapter 17. Guest disk access with offline tools」を参照してください。
URL: http://docs.redhat.com/docs/en-US/Red_Hat_Enterprise_Linux/6/html/Virtualization_Administration_Guide/index.html |
クローニングイメージを採取するL-Serverに、Windows用のvirtioドライバ(Windowsに仮想デバイスを認識させるためのドライバ)をインストールしてください。
virtioドライバは、メモリやネットワーク、ディスクI/Oに関するものがあります。
RedHatからメモリとディスクI/Oに関連したドライバが提供されている場合、必ずインストールしてください。
詳細は、「Red Hat Enterprise Linux 6 Virtualization Host Configuration and Guest Installation Guide」の以下を参照してください。
Chapter 9. Installing a fully-virtualized Windows guest
Chapter 10. KVM Para-virtualized Drivers
URL: http://docs.redhat.com/docs/en-US/Red_Hat_Enterprise_Linux/6/html/Virtualization_Host_Configuration_and_Guest_Installation_Guide/index.html |
クローニングイメージを採取するL-Serverにおいて、以下のようにレジストリを編集してください。
値の名称 | データ型 | 値 |
---|---|---|
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\WindowsNT\CurrentVersion\Winlogon\DefaultPassword | REG_SZ | Administratorのパスワード (注) |
注) 必ず、Administratorのパスワードを入力してください。
Administrator権限をもつほかのユーザーIDのパスワードを入力した場合、OSの自動設定ができません。
なお、上記のレジストリを編集するツールが、本製品のDVD-ROM(1枚目)の以下に格納されています。
ツールの格納場所
/DISK1/Common/kvm_windows_setting
ツールのファイル名
passwd_for_cloning.bat
以下の手順で、ツールを実行してください。
1.クローニングイメージを採取するL-Serverのフォルダーにツールを格納します。
2.コマンドプロンプトを管理者として実行します。
3.コマンドプロンプト上でツールを実行します。
パスワードを入力するためのプロンプトが表示されます。
4.Administratorのパスワードを入力します。
上記のレジストリに、入力したパスワードが設定されます。
例
C:\> passwd_for_cloning.bat
OSの自動設定処理を行う際に、本製品が以下のレジストリを編集します。
値の名称
- HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\ RunOnce
- HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\WindowsNT\CurrentVersion\Winlogon\AutoAdminLogon
- HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\WindowsNT\CurrentVersion\Winlogon\DefaultUserName
また、本製品が以下のレジストリを読み取ります。
値の名称
- HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\ProductName
- HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\ControlSet001\Control\SessionManager\Environment\PROCESSOR_ARCHITECTURE
参考
クローニングイメージを採取するL-ServerのOSの中にあらかじめ存在する応答ファイルは、本製品においてOSの自動設定機能で使用しません。
注意
L-Server作成時にWindowsのイメージを指定した場合、イメージ配付時に、Microsoft社の提供するSysprepを利用して、サーバ固有の情報が再設定されます。また、Sysprepを実行すると、ユーザー情報やOSの設定情報が初期化されます。
Sysprepについては、Microsoft社から提供されている情報を参照してください。
処理実行中にマネージャーの停止や再起動を行った場合、マネージャーの起動後に、実行中の処理が再実行されます。
再実行中の処理が完了するまでは、実行対象のリソースを操作しないようにしてください。
イメージのOSがWindows Server 2008など、アクティベーションの方式にMAKライセンス認証を使用している場合、Sysprepの実行回数は累積で3回までに制限されます。Sysprepはイメージ指定のL-Server作成時に実行されるため、クローニングイメージの採取とイメージ指定のL-Server作成を4回以上行えません。そのためクローニングイメージを配付したL-Serverからクローニングイメージを採取せず、専用のマスタサーバからを採取することをお勧めします。
Windowsのイメージを指定してL-Serverを作成した場合、作成後の初回起動時、サーバ固有の情報を、Sysprepを利用して再設定します。起動後、サーバ固有の情報を再設定した後、L-Serverのコンソールを開くと、Administratorでログインした状態になります。そのため、ログオフすることをお勧めします。
クローニングイメージを利用して作成したL-Serverからクローニングイメージを採取する場合、以下に注意してください。
作成したあとで一度も起動していないL-Serverは、サーバ固有情報が設定されていないため、そのL-Serverから採取したクローニングイメージを利用するとL-Serverの作成に失敗する場合があります。
クローニングイメージを採取する場合、対象のL-Serverを必ず一度起動し、サーバ固有情報をL-Serverに設定してください。
参考
クローニングイメージを格納したディスクリソースは、"ディスク詳細情報"で確認できる"構成情報"の"割当て"が"割当て済"、かつ"L-Server情報"に情報がない状態になります。
また、クローニングイメージ採取時に、クローニングイメージを格納するディスクリソース名をコメントに入力します。これにより、イメージプールの"リソース一覧"の各リソースの"コメント"で、クローニングイメージとディスクリソースの対応関係を確認できます。