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Systemwalker Runbook Automation 運用ガイド
Systemwalker

3.2.1 人の作業を含まない自動運用プロセスの開発

以下の運用作業の手順を自動運用プロセスとして作成する例を示します。

自動運用プロセスの処理内容

EventLogサービスが起動されているかどうかを自動的に確認します。
この自動運用プロセスでは、自動運用プロセスが起動された後、プロセスが終了するまですべて自動で処理が実行されます。フォームからの入力や実行結果をフォーム上で確認するといった人の作業は含まれません。

自動運用プロセスの構成イメージ

自動運用プロセスの作成手順

自動運用プロセスの作成手順を以下に示します。

3.2.1.1 アプリケーションプロジェクトを作成する

  1. [ファイル]メニューから[新規]-[プロジェクト]-[アプリケーション]の順に選択します。

  2. [プロジェクト名]フィールドにプロジェクト名を入力します。プロジェクト名が自動運用プロセスグループ名となります。この例では“prac001”と入力します。

  3. [次へ]をクリックします。

  4. 必要に応じて[説明]を入力します。[所有者グループ]は入力する必要はありません。

  5. [完了]をクリックします。

    Systemwalker Runbook Automation Studio の[ナビゲーター]ビューに、作成したアプリケーションプロジェクト“prac001”が追加されます。

3.2.1.2 プロセス定義を作成する

  1. [ナビゲーター]ビューからアプリケーションプロジェクト "prac001" を選択し、右クリックメニューより[新規]-[プロセス定義]の順に選択します。

  2. [新規プロセス定義]ダイアログで、[名前]フィールドに自動運用プロセスの名前を、[説明]フィールドに自動運用プロセスの説明を入力します。

    プロジェクト: /prac001(必須)

    名前: SimpleFlow(必須)

    説明:(任意)

    ※[プロジェクト]には、[ナビゲーター]ビューで選択したプロジェクトの名前が初期設定されます。

  3. [完了]をクリックします。

    作成した自動運用プロセス "SimpleFlow" が[ナビゲーター]ビューに表示されます。プロセス定義エディタが開き、Startノードが自動的に追加されます。

3.2.1.3 運用操作部品ノード(サービスの起動確認)を配置する

  1. [パレット]の[サービス/プロセスの操作]タブから[サービスの起動確認]を選択します。プロセス定義エディタ上で、運用操作部品ノードを配置する場所にカーソルを移動し、マウスクリックします。

    運用操作部品ノード(サービスの起動確認)が追加されます。

3.2.1.4 運用操作部品ノード(メールを送信)を配置する

  1. [パレット]の[メールの送信]タブから[メールを送信]を選択します。プロセス定義エディタ上で、運用操作部品ノードを配置する場所にカーソルを移動し、マウスクリックします。

    運用操作部品ノード(メールを送信)が追加されます。

    ここでは、サービスが停止している場合と、サービス起動の確認でエラーが発生した場合にそれぞれメールを送信するため、「メールを送信」ノードを2つ追加します。ノードの名前は次のように変更します。

    メールを送信1

    異常発生時のメールを送信する

    メールを送信2

    サービス停止時のメールを送信する

3.2.1.5 終了ノード(Exit)を配置する

自動運用プロセスの終点を示す、終了ノード(Exit)を追加します。

  1. [パレット]の[基本]タブから[Exit]を選択します。プロセス定義エディタ上で、終了ノード(Exit)を配置する場所にカーソルを移動し、マウスクリックします。

    終了ノード(Exit)が追加されます。

    ここでは、正常系と異常系の2つの終了ノード(Exit)を配置します。ノードの名前は次のように変更します。

    Exit1

    異常終了

    Exit2

    正常終了

    参考

    自動運用プロセスの終了地点には、終了ノードを2つ以上配置することを推奨します。

    2つ以上の 終了ノードを配置することで、自動運用プロセスが正常ルートで終了したのか、異常ルートで終了したのかがわかるようにすることができます。

3.2.1.6 矢印でルートを設定する

矢印を使用して各ノード間を結びます。

  1. [矢印]アイコンをクリックします。

  2. 自動運用プロセスの遷移ルートを設定します。ルートの設定には、ノード同士を矢印で結びます。

    矢印の名前は次のように変更します。

    ノード名

    変更前の矢印名

    変更後の矢印名

    Start

    Arrow1

    Start

    サービスの起動確認1

    動作中

    サービス起動状態

    停止

    サービス停止状態

    失敗

    サービス起動確認異常

    異常発生時のメールを送信

    成功

    メール送信正常

    失敗

    メール送信異常

    サービス停止時のメールを送信

    成功

    メール送信正常

    失敗

    メール送信異常

    なお、矢印の名前には、以下の文字は指定できません。

    • 半角空白だけの文字列

    • 全角空白だけの文字列

    • 全角空白と半角空白だけからなる文字列


注意

ANDノードとORノードを使用して、矢印の遷移先に運用操作部品ノードを複数指定した自動運用プロセスを設計した場合、運用操作部品は並列処理で実行されますが、UDAに格納される実行結果の値に不整合が生じる可能性があります。

注意

StartノードやORノードから矢印を分岐させ、プロセス定義内にActivityノードを並列に配置する場合はプロセス定義内のすべてのノードでトランザクションのコミットを行わないでください。

[トランザクションのコミット]にチェックが入っているノードがある場合、プロセスの実行時に“ワークアイテムが見つかりません”というエラーが発生する場合があります。

トランザクションのコミットを行わないようにするには、ノードのプロパティの一般タブで[トランザクションのコミット]のチェックを外してください。

3.2.1.7 入出力情報を設定する

配置した運用操作部品ノードに対する入出力情報を設定します。

3.2.1.7.1 運用操作部品ノード(サービスの起動確認)
  1. プロセス定義エディタ上で運用操作部品ノード(サービスの起動確認)をクリックします。

  2. [プロパティ]-[入出力情報]-[入力情報]タブの順にクリックします。

    「サービスの起動を確認」部品では、ホスト名とサービス名を指定します。

    hostname: ホスト名またはIPアドレス

    service: 起動を確認するサービスの名前

  3. [入力情報]セクションのリストから、hostname を選択します。

    [プロパティ]ビューの右半分に、[設定内容]および[説明]セクションが表示されます。

  4. [種別]コンボボックスから、"値 (fixed)" を選択し、値にホスト名を入力します。ここでは、hostname に"localhost" を指定しています。

    種別: fixed

    値: localhost

    [種別]では入力情報の入力方法種別を選択します。[種別]を選択したあと、入力種別に対応した値を入力または選択します。

    種別

    説明

    入力値

    値(fixed)

    [値]フィールドの場合は、入力された文字列をそのまま運用操作部品に入力情報として与えます。

    [値]コンボボックスの場合は、選択された値を運用操作部品に入力情報として与えます。

    [値]フィールドの場合は、運用操作部品を実行するために必要な値そのそのものを入力してください。

    例:192.0.2.0

    [値]コンボボックスの場合は、運用操作部品に渡す値をコンボボックスから選択してください。

    変数(uda)

    [変数]リストから選択したユーザ定義属性(UDA)に格納されている文字列を運用操作部品に入力情報として与えます。

    UDAの名前をリストから選択してください。

    例:UDA_NAME

    ※リストには、[プロパティ]-[ユーザ定義属性]タブで追加したタイプが"STRING/INTEGER/BOOLEAN/DATE/XML"のUDAの名前とタイプの一覧が表示されます。

    入力情報のデータタイプによりリストに表示されるUDAの種類が異なります。

    • STRINGの場合

      STRING/INTEGER/BOOLEAN/DATE/XML型のUDAがリストに表示されます。

    • INTEGERの場合

      STRING/INTEGER型のUDAがリストに表示されます。

    • PASSWORDの場合

      STRING型のUDAのみリストに表示されます。

    実行結果(result)

    他の運用操作部品の実行結果を運用操作部品に入力情報として与えます。

    [ノード名]コンボボックスから運用操作部品ノードの名前を選択してください。

    [実行結果]リストから実行結果を選択してください。

    注意

    • 実行結果を除く、プロセスインスタンスの上限サイズは4MBです。このサイズは、プロセスインスタンスの履歴情報や、配置されたノードの数、UDAの数や格納された値などの合計です。プロセスインスタンスの実行中に、UDAに大量データが格納されるなどによりサイズが4MBを超えた場合は、以下のエラーメッセージがカスタムメッセージに出力されプロセスインスタンスは異常終了します。

      FSP_SW/RB-A_BASE: ERROR: 03012: Cannot set data because data is exceeds the limit.

      プロセスインスタンスが異常終了し、上記のエラーメッセージが出力された場合は、以下の対処を実施してください。

      • 運用操作部品がUDAに出力する値のサイズを削減する。

      • サブプロセス等を使用して、1プロセスインスタンスで行う処理を分散化する。

    • 実行結果の上限サイズはそれぞれ4MBです。4MBを超えた場合は、以下のエラーメッセージがカスタムメッセージに出力されプロセスインスタンスは異常終了します。

      FSP_SW/RB-A_BASE: ERROR: 03055: 実行結果に格納するデータ量が上限値を超えました

      プロセスインスタンスが異常終了し、上記のエラーメッセージが出力された場合は、以下の対処を実施してください。

      • 運用操作部品が実行結果に出力する値のサイズを削減する。

    注意

    [入力情報]リストの[拡張]ツリーで設定可能なパスワード情報については、自動運用プロセスでの入力情報として指定した値の場合、外部から参照しやすい情報となってしまうため、パスワードを設定する方法としてはセキュリティの面から推奨できません。

    パスワードの入力を省略した場合は、あらかじめ運用管理サーバで設定された情報を安全に利用できるので、自動運用プロセスでの入力情報の設定では省略することを推奨します。

    なお、本製品では、テスト環境など機密情報を保護する必要がない場合に簡単に設定できるようパスワードの値を指定できるようにしています。

  5. 同様に、[入力情報]セクションのリストから service を選択して、[種別]コンボボックスから、"値 (fixed)" を選択し、[追加]ボタンをクリックして[値]にサービス名を指定します。ここでは、service に "Eventlog" を指定しています。

    種別: fixed

    値: Eventlog

  6. 以下のような情報が入力できていることを確認します。

3.2.1.7.2 運用操作部品ノード(メールを送信)
  1. プロセス定義エディタ上で運用操作部品ノード(メールを送信)をクリックし、[プロパティ]-[入出力情報]-[入力情報]タブの順にクリックします。

  2. 「メールを送信」部品では、以下の入力情報を指定します。

    hostname: 送信メール(SMTP)サーバのホスト名またはIPアドレス

    fromaddress: メールの送信元アドレス

    toaddress: メールの宛先アドレス

    subject: メールのタイトル

    text: メールの本文

これで、人の作業を含まない自動運用プロセスの作成は完了です。