10.2.7 コンパイル・リンク

クライアントアプリケーションをコンパイル、およびリンクします。

■LinuxおよびSolarisでのコンパイルとリンク

プロセスモード版とスレッドモード版では、コンパイルオプションが異なります。なお、Linuxのコンパイルには、OSに含まれているコンパイラを使用してください。

クライアントアプリケーションをリンクする際には、以下のライブラリを使用します。

プロセスモード版：libapfwsccl_nt.so、libapfwcdr_nt.so、libapfwcommmessage.so
スレッドモード版：libapfwsccl.so、libapfwcdr.so、libapfwcommmessage.so

また、作成したクライアントアプリケーションに応じて使用するライブラリを追加してください。

コンパイルおよびリンクの例を示します。例では、以下のファイルおよびパスを使用しています。

クライアントアプリケーション：clientapl.c
IDLファイル：sample.idl
C言語クライアントソースファイル：sample_apfwsccl.c
C言語実行基盤インタフェース内部データ用ソースファイル：sample_apfwcdr.c
作成するオブジェクト名：libclientapl.so
インクルードファイルパス：/opt/FJSVibs/include
ライブラリパス：/opt/FJSVibs/lib
C言語クライアントソースファイル、およびクライアントアプリケーションのソースファイルは、同一ディレクトリに格納
（ヘッダファイルもソースファイルと同一ディレクトリに格納されていますので、インクルードファイルパス指定は“.”になります。）

プロセスモード版

% cc -c -I/opt/FJSVibs/include -I. -xcode=pic32 -o clientapl.o clientapl.c
% cc -c -I/opt/FJSVibs/include -I. -xcode=pic32 -o sample_apfwsccl.o sample_apfwsccl.c
% cc -c -I/opt/FJSVibs/include -I. -xcode=pic32 -o sample_apfwcdr.o sample_apfwcdr.c
% cc -G -xcode=pic32 -L/opt/FJSVibs/lib -lapfwsccl_nt -lapfwcdr_nt -lapfwcommmessage -o libclientapl.so clientapl.o sample_apfwsccl.o sample_apfwcdr.o

スレッドモード版

% cc -c -I/opt/FJSVibs/include -I. -xcode=pic32 -D_REENTRANT -o clientapl.o clientapl.c
% cc -c -I/opt/FJSVibs/include -I. -xcode=pic32 -D_REENTRANT -o sample_apfwsccl.o sample_apfwsccl.c
% cc -c -I/opt/FJSVibs/include -I. -xcode=pic32 -D_REENTRANT -o sample_apfwcdr.o sample_apfwcdr.c
% cc -G -D_REENTRANT -xcode=pic32 -lpthread -L/opt/FJSVibs/lib -lapfwsccl -lapfwcdr -lapfwcommmessage -o libclientapl.so clientapl.o sample_apfwsccl.o sample_apfwcdr.o

プロセスモード版

% gcc -c -I/opt/FJSVibs/include -I. -fPIC -o clinetapl.o clientapl.c
% gcc -c -I/opt/FJSVibs/include -I. -fPIC -o sample_apfwsccl.o sample_apfwsccl.c
% gcc -c -I/opt/FJSVibs/include -I. -fPIC -o sample_apfwcdr.o sample_apfwcdr.c
% gcc -shared -lnsl -fPIC -L/opt/FJSVibs/lib  -lapfwsccl_nt -lapfwcdr_nt -lapfwcommmessage -o libclientapl.so clientapl.o sample_apfwsccl.o sample_apfwcdr.o

スレッドモード版

% gcc -c -I/opt/FJSVibs/include -I. -fPIC -D_REENTRANT -o clientapl.o clientapl.c
% gcc -c -I/opt/FJSVibs/include -I. -fPIC -D_REENTRANT -o sample_apfwsccl.o sample_apfwsccl.c
% gcc -c -I/opt/FJSVibs/include -I. -fPIC -D_REENTRANT -o sample_apfwcdr.o sample_apfwcdr.c
% gcc -shared -lpthread -lnsl -fPIC -D_REENTRANT -L/opt/FJSVibs/lib -lapfwsccl -lapfwcdr -lapfwcommmessage -o libclientapl.so clientapl.o sample_apfwsccl.o sample_apfwcdr.o

注意

Red Hat Enterprise Linux 5 (for Intel64)、またはRed Hat Enterprise Linux 6 (for Intel64)上でコンパイルする際は、gccコマンドに“-m32 -mtune=i386”オプションを指定する必要があります。

■Windowsでのコンパイルとリンク

Windowsの場合はVisual Studio 2005、Visual Studio 2008またはVisual Studio 2010を使用して、コンパイル、リンク、およびデバッグを行ってください。

インクルードファイルパスには、以下を指定してください。

インクルードファイルパス：[Interstageのインストールディレクトリ]\BAS\include

ライブラリパスには、以下を指定してください。

ライブラリパス：[Interstageのインストールディレクトリ]\BAS\lib

クライアントアプリケーションをリンクする際には、以下のライブラリを使用します。

スレッドモード版：libapfwsccl.lib、libapfwcdr.lib、libapfwcommmessage.lib

また、作成したクライアントアプリケーションに応じて使用するライブラリを追加してください。

コンパイルを実行する場合は、以下のオプションを設定してください。

カテゴリ	項目	設定値(32bit)	設定値(64bit)
コード生成	構造体メンバのアライメント	4バイト	8バイト
コード生成	使用するランタイム	マルチスレッド(DLL)
最適化		デフォルトを推奨
プリプロセッサ	プリプロセッサの定義	"APFW_WIN_BUILD","OM_PC","OM_WIN32_BUILD", "__STDC__"を追加（注1）
言語	wchar_tビルトメイン型として扱う	いいえ
詳細	呼び出し規約	_cdecl

注1）“__STDC__”を設定することにより、Microsoft拡張機能を前提とする処理でコンパイルエラーが発生する場合があります。この場合、CORBAアプリケーション用の処理とMicrosoft拡張機能を前提とする処理のソースを分けて、Microsoft拡張機能を前提とする処理のソースの先頭に「#undef __STDC__」を追加する対処を行ってください。

注意

Visual Studio 2008を使用してコンパイル、リンクした場合は、実行環境にVisual C++ 2008 再頒布可能パッケージをインストールしてください。
Visual Studio 2010を使用してコンパイル、リンクした場合は、実行環境にVisual C++ 2010 再頒布可能パッケージをインストールしてください。