3.1.5 アプリケーションライブラリの作成

業務ロジックを記述したCOBOLソースファイルと、[COBOL実行基盤インタフェース生成]画面で生成したCOBOL実行基盤インタフェースソースファイルをあわせて、アプリケーションライブラリを作成します。

[ソースファイル]フォルダに、業務ロジックとCOBOL実行基盤インタフェースソースファイルが格納されていることを確認して、メイクファイルを生成しなおしてください。メイクファイルの作成方法については、“業務ロジックの作成”で示した“3.1.3.2.1 メイクファイルの生成”を参照してください。

アプリケーションライブラリは“業務ロジックの作成”で示した“3.1.3.2.2 ビルド”の手順を参照して、“デバッグモード”で作成します。
ビルドを行う前にプロジェクトのコンテキストメニューの[リモート開発] > [デバッグモードでビルド]がチェックされた状態であることを確認してください。

注意

リモートデバッグ機能を使用してテストを行わない場合、または運用環境に配備する場合には、[デバッグモードでビルド]のチェックを解除した状態でアプリケーションライブラリのビルドを行ってください。

プロジェクトごとに、以下のアプリケーションライブラリがリモート開発の設定で指定したサーバディレクトリに生成されます。

プロジェクト名	ライブラリ名	サーバディレクトリ
PAYMENTCHANGE	libPAYMENTCHANGE.so	/home/ibas/build_work/PAYMENT/PAYMENTCHANGE
STOCKCHANGE	libSTOCKCHANGE.so	/home/ibas/build_work/STOCK/STOCKCHANGE
STOCKGETITEM	libSTOCKGETITEM.so	/home/ibas/build_work/STOCK/STOCKGETITEM
STOCKGETITEMS	libSTOCKGETITEMS.so	/home/ibas/build_work/STOCK/STOCKGETITEMS

業務ロジックを記述したCOBOLソースファイルと、[COBOL実行基盤インタフェース生成]画面で生成したCOBOL実行基盤インタフェースソースファイルをあわせて、アプリケーションライブラリを作成します。
アプリケーションライブラリの作成は、以下の手順で行います。

“3.1.3.3 コンパイル・リンク・デバッグ”で示した内容と同様の手順で、COBOL実行基盤インタフェースソースファイルを含むメイクファイルを作成します。
本サンプルプログラムでは、以下に示したサンプル資材のメイクファイルを使用します。
サンプル資材のメイクファイル
D:\ibas\tutorial\server\makefile

PAYMENTCHANGE

Makefile
STOCKCHANGE

Makefile
STOCKGETITEM

Makefile
STOCKGETITEMS

Makefile

サンプル資材のメイクファイル
D:\ibas\tutorial\server\makefile
	PAYMENTCHANGE
	Makefile
STOCKCHANGE
	Makefile
STOCKGETITEM
	Makefile
STOCKGETITEMS
	Makefile

作成したメイクファイルとともに、ビルドに必要なソースファイル、およびCOBOL登録集を、任意のFTPクライアントソフトウェアを使用してサーバ上の格納先ディレクトリに、文字コードが“UTF-8（BOM無し）”、および改行コードが“LF”となるようテキストモード（ASCII転送）で転送してください。

プロジェクト名	転送対象のファイル	格納先ディレクトリ
PAYMENTCHANGE	PAYMENTCHANGE.scob	/home/ibas/build_work/PAYMENT/PAYMENTCHANGE
	PAYMENTCHANGE_apfwskel.cob
	PAYMENTCHANGE_apfwcdr.cob
	PAYMENTCHANGECP.cbl
	Makefile
STOCKCHANGE	STOCKCHANGE.scob	/home/ibas/build_work/STOCK/STOCKCHANGE
	STOCKCHANGE_apfwskel.cob
	STOCKCHANGE_apfwcdr.cob
	STOCKCHANGECP.cbl
	Makefile
STOCKGETITEM	STOCKGETITEM.scob	/home/ibas/build_work/STOCK/STOCKGETITEM
	STOCKGETITEM_apfwskel.cob
	STOCKGETITEM_apfwcdr.cob
	STOCKGETITEMCP.cbl
	Makefile
STOCKGETITEMS	STOCKGETITEMS.scob	/home/ibas/build_work/STOCK/STOCKGETITEMS
	STOCKGETITEMS_apfwskel.cob
	STOCKGETITEMS_apfwcdr.cob
	STOCKGETITEMSCP.cbl
	Makefile

サーバ上でメイクファイルを使用して、ビルドを行います。
開発資産を転送したディレクトリに移動した上で、makeコマンドを実行します。
“PAYMENTCHANGE”を例に、makeコマンドの実行例を以下に示します。

$ cd /home/ibas/build_work/PAYMENT/PAYMENTCHANGE
$ make
----- Building Start -----
make[1]: ディレクトリ `/home/basadmin/build_work/PAYMENT/PAYMENTCHANGE' に入ります
cobol -c -I /opt/FJSVibs/copy -WC,TAB(4),THREAD(MULTI),SRF(VAR,VAR) -dy -Tm -o PAYMENTCHANGE_apfwcdr.o PAYMENTCHANGE_apfwcdr.cob
最大重大度コードは I で，翻訳したプログラム数は 1 本です．
cobol -c -I /opt/FJSVibs/copy -WC,TAB(4),THREAD(MULTI),SRF(VAR,VAR) -dy -Tm -o PAYMENTCHANGE_apfwskel.o PAYMENTCHANGE_apfwskel.cob
最大重大度コードは I で，翻訳したプログラム数は 1 本です．
sqlpcob -G -T PAYMENTCHANGE.scob
cobol -c -I /opt/FJSVibs/copy -WC,TAB(4),THREAD(MULTI),SRF(VAR,VAR) -dy -Tm -o PAYMENTCHANGE.o PAYMENTCHANGE.cobol
最大重大度コードは I で，翻訳したプログラム数は 1 本です．
cobol -shared -o libPAYMENTCHANGE.so  -dy -Tm -L /opt/FJSVibs/lib -lapfwcdrcobol -L /opt/FJSVibs/lib -lapfwcblconv -L /opt/FJSVrdb2b/lib -lsqldrvm -L /usr/lib -lpthread     PAYMENTCHANGE_apfwcdr.o PAYMENTCHANGE_apfwskel.o  PAYMENTCHANGE.o

rm PAYMENTCHANGE.cobol
make[1]: ディレクトリ `/home/basadmin/build_work/PAYMENT/PAYMENTCHANGE' から出ます
----- Building Ended -----
$

ビルドが正常に終了すると、カレントディレクトリに“libPAYMENTCHANGE.so”が生成されます。

他のプロジェクトも手順3と同様な手順でビルドを行ってください。

ビルドが正常に終了すると、以下のアプリケーションライブラリがサーバ上に作成されます。

プロジェクト名	ライブラリ名	生成先ディレクトリ
PAYMENTCHANGE	libPAYMENTCHANGE.so	/home/ibas/build_work/PAYMENT/PAYMENTCHANGE
STOCKCHANGE	libSTOCKCHANGE.so	/home/ibas/build_work/STOCK/STOCKCHANGE
STOCKGETITEM	libSTOCKGETITEM.so	/home/ibas/build_work/STOCK/STOCKGETITEM
STOCKGETITEMS	libSTOCKGETITEMS.so	/home/ibas/build_work/STOCK/STOCKGETITEMS

業務ロジックを記述したCOBOLソースファイルと[COBOL実行基盤インタフェース生成]ウィザードで生成したCOBOL実行基盤インタフェースソースファイルをあわせてアプリケーションライブラリを作成します。

“実行基盤インタフェースの生成”で出力したCOBOL実行基盤インタフェースソースファイルのうち、“_apfwcdr.cob”で終わる以下のファイルには、1つのソースファイルに複数の翻訳単位が含まれます。

1つのソースファイルに複数の翻訳単位が含まれるソースファイルをコンパイルするため、ターゲットオブジェクトを指定する必要があります。
ターゲットオブジェクトを指定するには、対象のソースファイルを選択して、コンテキストメニューから[ターゲットオブジェクトを指定する]を選択して、チェック状態にしてください。

本サンプルプログラムでは、以下に示したソースファイルに対して、ターゲットオブジェクトを指定してください。

プロジェクト名	ファイル名
PAYMENTCHANGE	PAYMENTCHANGE_apfwcdr.cob
STOCKCHANGE	STOCKCHANGE_apfwcdr.cob
STOCKGETITEM	STOCKGETITEM_apfwcdr.cob
STOCKGETITEMS	STOCKGETITEMS_apfwcdr.cob

ターゲットオブジェクトを指定した後、各プロジェクトで、“3.1.3.4 コンパイル・リンク・デバッグ”で示した手順の通りに翻訳オプション、およびリンクオプションの設定が完了していることを確認して、プロジェクトのコンテキストメニューから[プロジェクトのビルド]、または[プロジェクトの再ビルド]を選択してください。
ビルドの実行が完了後、プロジェクトごとに以下のアプリケーションライブラリが生成されます。

プロジェクト名	ライブラリ名
PAYMENTCHANGE	PAYMENTCHANGE.dll
STOCKCHANGE	STOCKCHANGE.dll
STOCKGETITEM	STOCKGETITEM.dll
STOCKGETITEMS	STOCKGETITEMS.dll

ポイント

Interstage Studioのメニューバーの[プロジェクト] > [自動的にビルド]がチェックされている場合、ビルドは自動で実行されるため、プロジェクトのコンテキストメニューには[プロジェクトのビルド]は表示されません。