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Interstage Business Application ServerV11.0.0 チュートリアルガイド
Interstage

2.4.2 サーバへのインストール後の作業

インストールを終えたら、サンプルを実行するためのサーバの設定を行います。

2.4.2.1 NetCOBOLの提供する分散開発の支援機能を利用するための準備


NetCOBOLを利用してサーバアプリケーションを開発するためには、NetCOBOLの提供する分散開発の支援機能を利用する必要があります。分散開発の支援機能を利用するために必要な作業について、説明します。

2.4.2.1.1 サービスの設定

分散開発の支援機能では、以下のサービスを使用します。

ftpdおよびrexecサービスは、デフォルトではオペレーティングシステムの導入時にインストールされています。

ftpd、およびrexecサービスのインストールと起動手順について説明します。

  1. ステータスの確認

    サービスが起動しているか確認するには、次の形式でsvcsコマンドを実行します。
    実行結果の出力の先頭が“disabled”である場合は、サービスを起動する必要があります。

    # svcs -a | grep サービス名
  2. サービスの起動

    サービスを起動します。以下に実行例を示します。

    • ftpdサービスを起動する場合

      # svcadm enable svc:/network/ftp:default
    • rexecサービスを起動する場合

      # svcadm enable svc:/network/rexec:default

      注意

      • ftpd、およびrexecサービスは、ファイアウォールの設定によっては使用できない場合があります。OSのマニュアルを参照して、ファイアウォールの設定を見直してください。ファイアウォールの設定を変更した場合は、開発期間が終了した後に設定を元に戻してください。

      • rexecサービスの仕様により、ネットワーク環境によっては開発環境から正常にサービスの利用ができない場合があります。この場合、/etc/hostsファイルに開発環境のIPアドレスとホスト名を登録してください。
        以下に例を示します。

        192.168.0.51       client01

分散開発の支援機能では、NetCOBOLリモート開発サービスを使用します。

NetCOBOLリモート開発サービスの起動手順について説明します。

リモート開発サービスを開始するには、管理者アカウントで以下のシェルスクリプトを実行します。

このシェルスクリプトは、リモート開発サービスを開始するとともに、システム起動時にリモート開発サービスが自動起動するようにシステムを変更します。

# /opt/FJSVXrds/bin/enable-rds.sh

注意

  • リモート開発サービスは、サービスを公開するネットワークのポートとして、デフォルトでは61999番を使用します。システム上で61999番ポートが使用中である場合は、使用するポートを変更しなければなりません。詳細は、NetCOBOLのサーバの使用手引書の“リモート開発サービスの設定方法”のport設定の説明を参照してください。

  • サーバ上でファイアウォールを運用している場合は、リモート開発サービスが使用するポートをファイアウォールがブロックしないように設定する必要があります。ファイアウォールの設定方法は、利用しているファイアウォールソフトウェアの種類に応じて異なります。各ファイアウォールソフトウェアの説明を参照してください。ファイアウォールの設定を変更した場合は、開発期間が終了した後に設定を元に戻してください。

2.4.2.2 業務用データベースを利用するための準備

サンプル業務アプリケーションは、業務用データベースへ接続することを前提に動作します。
以下のとおりに業務用データベースを作成してください。

  1. Symfoware Serverのマニュアルを参照して、以下に示すデータベースを作成してください。

    項目

    設定値

    RDBシステム名

    RDBBAS

    データベース名

    BAS

    データベーススペース名

    BAS

    ユーザ名

    BAS

  2. サーバアプリケーションから業務用データベースに接続できるようにするために、Symfoware Serverのマニュアルを参照して、リモート接続の設定を行ってください。
    リモート接続の設定を行った後、以下に示すサーバのOSファイルに、接続に使用するポート番号が定義されていることを確認してください。


    ディレクトリ

    ファイル名

    設定値

    /etc
    services
    RDBBAS     2050/tcp(注)

    注)RDBシステム名“RDBBAS”の接続ポート番号を2050に割り当てます。


    ディレクトリ

    ファイル名

    設定値

    /etc
    services
    RDBBAS     2050/tcp(注)

    注)RDBシステム名“RDBBAS”の接続ポート番号を2050に割り当てます。


    フォルダ

    ファイル名

    設定値

    %SystemRoot%\system32\drivers\etc
    services
    RDBBAS     2050/tcp(注)

    注)RDBシステム名“RDBBAS”の接続ポート番号を2050に割り当てます。

  3. 業務用データベースのスキーマ、および表を作成します。
    以下に示すディレクトリに格納されているサンプル業務アプリケーション用のSQL定義ファイルを使用して作成してください。


    SQL定義ファイルの種類

    格納ディレクトリ

    ファイル名

    データベースのスキーマ作成のSQL定義

    /opt/FJSVibs/sample/acceptance/DB/crt_usr/symfo

    crtusr.def

    データベースの表作成のSQL定義

    /opt/FJSVibs/sample/acceptance/DB/crt_tbl/symfo

    crttbl_tutorial.def

    業務用データベースのスキーマ、および表を作成するコマンドの実行例を、以下に示します。

    # /opt/FSUNrdb2b/bin/rdbddlex -d BAS /opt/FJSVibs/sample/acceptance/DB/crt_usr/symfo/crtusr.def
    rdb: INFO: qdg12228i:スキーマ定義文の実行が正常終了しました (システム名=RDBBAS) rdb: INFO: qdg02200i:rdbddlexが正常終了しました 復帰コード 00 (システム名=RDBBAS) # /opt/FSUNrdb2b/bin/rdbddlex -d BAS /opt/FJSVibs/sample/acceptance/DB/crt_tbl/symfo/crttbl_tutorial.def
    rdb: INFO: qdg12228i:表定義文の実行が正常終了しました (システム名=RDBBAS) rdb: INFO: qdg12228i:インデックス定義文の実行が正常終了しました (システム名=RDBBAS) rdb: INFO: qdg12228i:表定義文の実行が正常終了しました (システム名=RDBBAS) rdb: INFO: qdg12228i:インデックス定義文の実行が正常終了しました (システム名=RDBBAS) rdb: INFO: qdg12228i:GRANT文の実行が正常終了しました (システム名=RDBBAS) rdb: INFO: qdg12228i:GRANT文の実行が正常終了しました (システム名=RDBBAS) rdb: INFO: qdg02200i:rdbddlexが正常終了しました 復帰コード 00 (システム名=RDBBAS) #

    上記のコマンドの実行が終了すると、以下のとおりに表が作成されます。

    項目

    設定値

    スキーマ名

    BAS

    表名

    BUDGET

    STOCK

    注意

    “BAS”ユーザを作成せずに“crttbl_tutorial.def”を実行すると、「JYP4063E 認可識別子“BAS”は定義されていません.」というメッセージが表示されます。


    SQL定義ファイルの種類

    格納ディレクトリ

    ファイル名

    データベースのスキーマ作成のSQL定義

    /opt/FJSVibs/sample/acceptance/DB/crt_usr/symfo

    crtusr.def

    データベースの表作成のSQL定義

    /opt/FJSVibs/sample/acceptance/DB/crt_tbl/symfo

    crttbl_tutorial.def

    業務用データベースのスキーマ、および表を作成するコマンドの実行例を、以下に示します。

    # /opt/FJSVrdb2b/bin/rdbddlex -d BAS /opt/FJSVibs/sample/acceptance/DB/crt_usr/symfo/crtusr.def
    rdb: INFO: qdg12228i:スキーマ定義文の実行が正常終了しました (システム名=RDBBAS) rdb: INFO: qdg02200i:rdbddlexが正常終了しました 復帰コード 00 (システム名=RDBBAS) # /opt/FJSVrdb2b/bin/rdbddlex -d BAS /opt/FJSVibs/sample/acceptance/DB/crt_tbl/symfo/crttbl_tutorial.def
    rdb: INFO: qdg12228i:表定義文の実行が正常終了しました (システム名=RDBBAS) rdb: INFO: qdg12228i:インデックス定義文の実行が正常終了しました (システム名=RDBBAS) rdb: INFO: qdg12228i:表定義文の実行が正常終了しました (システム名=RDBBAS) rdb: INFO: qdg12228i:インデックス定義文の実行が正常終了しました (システム名=RDBBAS) rdb: INFO: qdg12228i:GRANT文の実行が正常終了しました (システム名=RDBBAS) rdb: INFO: qdg12228i:GRANT文の実行が正常終了しました (システム名=RDBBAS) rdb: INFO: qdg02200i:rdbddlexが正常終了しました 復帰コード 00 (システム名=RDBBAS) #

    上記のコマンドの実行が終了すると、以下のとおりに表が作成されます。

    項目

    設定値

    スキーマ名

    BAS

    表名

    BUDGET

    STOCK

    注意

    “BAS”ユーザを作成せずに“crttbl_tutorial.def”を実行すると、「JYP4063E 認可識別子“BAS”は定義されていません.」というメッセージが表示されます。


    SQL定義ファイルの種類

    格納フォルダ

    ファイル名

    データベースのスキーマ作成のSQL定義

    C:\Interstage\BAS\sample\acceptance\DB\crt_usr\symfo

    crtusr.def

    データベースの表作成のSQL定義

    C:\Interstage\BAS\sample\acceptance\DB\crt_tbl\symfo

    crttbl_tutorial.def

    業務用データベースのスキーマ、および表を作成するコマンドの実行例を、以下に示します。

    >rdbddlex -d BAS C:\Interstage\BAS\sample\acceptance\DB\crt_usr\symfo\crtusr.def
    qdg12228i:スキーマ定義文の実行が正常終了しました (システム名=RDBBAS) qdg02200i:rdbddlexが正常終了しました 復帰コード 00 (システム名=RDBBAS) >rdbddlex -d BAS C:\Interstage\BAS\sample\acceptance\DB\crt_tbl\symfo\crttbl_tutorial.def
    qdg12228i:表定義文の実行が正常終了しました (システム名=RDBBAS) qdg12228i:インデックス定義文の実行が正常終了しました (システム名=RDBBAS) qdg12228i:表定義文の実行が正常終了しました (システム名=RDBBAS) qdg12228i:インデックス定義文の実行が正常終了しました (システム名=RDBBAS) qdg12228i:GRANT文の実行が正常終了しました (システム名=RDBBAS) qdg12228i:GRANT文の実行が正常終了しました (システム名=RDBBAS) qdg02200i:rdbddlexが正常終了しました 復帰コード 00 (システム名=RDBBAS) >

    上記のコマンドの実行が終了すると、以下のとおりに表が作成されます。

    項目

    設定値

    スキーマ名

    BAS

    表名

    BUDGET

    STOCK

    注意

    “BAS”ユーザを作成せずに“crttbl_tutorial.def”を実行すると、「JYP4063E 認可識別子“BAS”は定義されていません.」というメッセージが表示されます。

2.4.2.3 Interstage Business Application Serverを利用するための準備

2.4.2.3.1 環境変数の設定

Interstage Business Application Serverの運用に必要な環境変数を設定します。

  1. 以下の支援ツールを使用することでInterstage Business Application Serverの運用に必要な環境変数の設定を行うことができます。

    • /opt/FJSVisas/bin/setISASEnv.sh

    支援ツールを使用して環境変数の設定を行う方法を以下に示します。

    # . /opt/FJSVisas/bin/setISASEnv.sh
    #
  2. 環境変数を有効にするためには、Interstageの再起動が必要になります。

    以下の手順でInterstageの再起動を行ってください。


    1. Interstageの停止:

      # /opt/FSUNtd/bin/isstop -f
      UX:isstop: 情報: is30160:INTERSTAGEを正常に停止しました
      #
    2. Interstageの起動:

      # /opt/FSUNtd/bin/isstart
      Now loading
      
      completely loaded
      UX:isstart: 情報: is30140:INTERSTAGEを正常に起動しました
      #

    1. Interstageの停止:

      # /opt/FJSVtd/bin/isstop -f
      UX:isstop: 情報: is30160:INTERSTAGEを正常に停止しました
      #
    2. Interstageの起動:

      # /opt/FJSVtd/bin/isstart
      Now loading
      
      completely loaded
      Now loading
      
      completely loaded
      UX:isstart: 情報: is30140:INTERSTAGEを正常に起動しました
      #
2.4.2.3.2 syslogの環境設定

同期アプリケーション連携実行基盤が動作する過程において発生する問題を、syslogへエラー情報として出力します。
同期アプリケーション連携実行基盤が出力するエラー情報を出力するために、以下の対応を行ってください。

なお、ログ制御ファイルの設定によりsyslogへの出力方法をUDPまたはsyslog関数に切り替えることも可能です。出力方法をsyslog関数とする場合は以下の設定は不要となります。出力先の変更についての詳細は“Interstage Business Application Server セットアップガイド”の“ログ制御ファイルの設定”を参照してください。


  1. /etc/default/syslogdの編集

    以下のように、LOG_FROM_REMOTEの変更を行ってください。

    LOG_FROM_REMOTE=YES
  2. syslogの再起動

    以下のように、syslogの再起動を行ってください。

    # /usr/sbin/svcadm restart svc:/system/system-log:default
    #

    注意

    上記の設定は、ログ・サーバへの出力設定です。
    ログ・サーバは、UDPポートの「514」番を利用しログを受付けます。
    ログ・サーバの設置場所によっては、DoS攻撃の被害にあう可能性があります。そのため、Interstage Business Application Serverを運用するサーバは、業務サーバセグメントが敷設された領域内の物理的に保護された領域での運用を実施してください。


  1. /etc/sysconfig/syslogの編集

    以下のように、SYSLOGD_OPTIONSの変更を行ってください。

    SYSLOGD_OPTIONS="-m 0 -r"
  2. syslogの再起動

    以下のように、syslogの再起動を行ってください。

    # /sbin/service syslog restart
    カーネルロガーを停止中: [ OK ] システムロガーを停止中: [ OK ] システムロガーを起動中: [ OK ] カーネルロガーを起動中: [ OK ] #

    注意

    上記の設定は、ログ・サーバへの出力設定です。
    ログ・サーバは、UDPポートの「514」番を利用しログを受付けます。
    ログ・サーバの設置場所によっては、DoS攻撃の被害にあう可能性があります。そのため、Interstage Business Application Serverを運用するサーバは、業務サーバセグメントが敷設された領域内の物理的に保護された領域での運用を実施してください。

2.4.2.3.3 Interstage JMXサービスのrcプロシジャの設定

サーバアプリケーションが業務データベースを利用するには、Interstage JMXサービスのrcプロシジャを編集して、必要な環境変数を設定するスクリプトファイルを実行する処理を追加する必要があります。
編集するrcプロシジャを以下に示します。

/etc/rc2.d/S95isjmxstart

以下に、rcプロシジャの編集例を示します。
例内の“# for Interstage Business Application Server (Start)”の行から“# for Interstage Business Application Server (End)”の行までを、追加してください。


#!/bin/sh
#
# Copyright All Right Reserved
# Copyright (c) FUJITSU LIMITED 2003
#
# Interstage JMX Service start/stop procedure

# for Interstage Business Application Server (Start)
. /opt/FJSVibs/etc/def/apfwrcsymfo.sh
# for Interstage Business Application Server (End)

if [ ! -d /usr/bin ]
then
        # have to have /usr mounted
        exit 1
fi

case $1 in
'start')

        # Start Interstage JMX Service
        OS_VERSION=`/usr/bin/uname -r`
        if [ $OS_VERSION = "5.10" ]
        then
            /usr/bin/newtask -p system -c $$ > /dev/null 2>&1
        fi
        /opt/FJSVisjmx/bin/isjmxstart > /dev/null 2>&1
        exit $?;
        ;;
'stop')
        # Stop Interstage JMX Service
        /opt/FJSVisjmx/bin/isjmxstop > /dev/null 2>&1
        exit $?;
        ;;
*)
        echo "Usage: $0 { start | stop }"
        exit 1;
esac

#!/bin/sh
#
# Copyright All Right Reserved
# Copyright (c) FUJITSU LIMITED 2003
#
# chkconfig:   2345 95 05
# description: Interstage JMX Service start/stop procedure
# processname: isjmxstart
#
##########################################################################
# If you want to run Interstage Application Server on other locale
# environments such as English, please customize the default locale
# setting.
##########################################################################
. /etc/sysconfig/i18n
export LANG

# for Interstage Business Application Server (Start)
. /opt/FJSVibs/etc/def/apfwrcsymfo.sh
# for Interstage Business Application Server (End)

##########################################################################
# Please don't modify below.
##########################################################################
if [ ! -d /usr/bin ]
then
        # have to have /usr mounted
        exit 1
fi

case $1 in
'start')

        # Start Interstage JMX Service
        ulimit -c unlimited
        /opt/FJSVisjmx/bin/isjmxstart > /dev/null 2>&1
        RET=$?
        touch /var/lock/subsys/isjmxstart > /dev/null 2>&1
        exit $RET;
        ;;
'stop')
        # Stop Interstage JMX Service
        /opt/FJSVisjmx/bin/isjmxstop > /dev/null 2>&1
        RET=$?
        if test -f /var/lock/subsys/isjmxstart
        then
          rm /var/lock/subsys/isjmxstart > /dev/null 2>&1
        fi
        exit $RET;
        ;;
*)
        /bin/echo "Usage: `basename $0` { start | stop }"
        exit 1;
esac

rcプロシジャへの設定内容は、次回のサーバ再起動に伴うInterstage JMXサービスの自動起動から有効になります。
サーバを再起動せずにInterstage JMXサービスを再起動したい場合は、以下の手順を実行してください。

  1. Interstage JMXサービスを停止します。

    # /opt/FJSVisjmx/bin/isjmxstop
    UX:IS: 情報: is20702:Interstage JMXサービスを正常に停止しました
    #
  2. Interstage JMXサービスを起動します。

    # . /opt/FJSVibs/etc/def/apfwrcsymfo.sh
    # /opt/FJSVisjmx/bin/isjmxstart UX:IS: 情報: is20701:Interstage JMXサービスを正常に起動しました #
2.4.2.3.4 Interstage管理コンソールの起動

開発環境からサーバのInterstageを操作するために、サーバでInterstage管理コンソールのサービスを起動しておく必要があります。以下のコマンドを実行してInterstage管理コンソールのサービスを起動してください。

# /opt/FJSVisgui/bin/ismngconsolestart
UX:ismngconsolestart: INFO: is40041: Starting of service was completed normally.
#